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イケメンは演技力も完璧なんよ
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大事なことだから2回言った訳じゃない。
驚きすぎて反芻しちゃっただけ。
男らしい、少し大きな唇が触れた箇所が熱い。
羞恥に顔と首が熱を持つ。
うっ、ビックリしすぎてちょっと涙出そう。
ミリから何らかの指示が出てるんだろうけど。
それでも、まるで恋人に対するみたいな優しい態度にキラキラした微笑み。
うっとりするようなイケボから繰り出される甘い言葉達。
それから、まるで本当に大切に想われてるかのようなキスーーー。
イケメン マジ ヤバイ
単語を繋ぐ言葉すら考えられなくなってる。
一刻も早くここから撤収しないと、勘違いしてしまいそうだ。
それくらいリフエール様の演技は凄かった。
イケメンは演技力もあるのかよ…。
騎士団じゃなくて役者にだってなれちゃいそう。
勿論アイドルでも可!
そしたらファンクラには入りたいよね。
リョウの姉に手伝わされてた記憶で、団扇の作り方だって分かるし。
あ、でもマジックもキラキラのモールも無いじゃんこの世界。
デコらないと気付いてもらえない!
ファンサもらえないじゃん!!!
そんな事を考えてたら、リフエール様の手が腰に回った。
体幹のしっかりした体躯に寄り添いながら歩くのは非常に安定感がある。
歩調も合わせてくれて歩き安い。
何より、フィット感が凄いんだよね。
僕とリフエール様は身長差がかなりある。
15センチは余裕でありそう。
そうすると、彼の肩口あたりに俺の後頭部がスッポリ収まるんだよね。
イケメンはエスコートも完璧なんかい…。
でも、密着し過ぎてもう限界!
ミリから引き続き合図が送られて来るけど、マジで勘弁して!!
「ふふ、何だか照れますね。早く僕を攫ってください。」
一刻も早くミリ様にご満足いただけるように、僕は渾身の一撃を放つ。
周りに聞こえたら恥ずか死しそうだから囁き声で。
どうも一番近い女性達には聞こえちゃったっぽいけど、被害は最小限に抑えたはずだ。
僕だってリフエール様みたいな顔面だったらちょっとは羞恥も減りそうなのになぁ。
平凡顔のこれは本気でヤバイと思う。
それでも、リフエール様が少し早足になってくれたから、早く去りたいって言う僕の願いは伝わったんだろう。
捨て身で頑張った甲斐があった。
周りの皆様にはお目汚しを謝罪したい気持ちでいっぱいだけども。
そんなこんなで、やっとの思いで辿り着いた馬車では、大変満足そうなミリが待ち構えてた。
何か外から悲鳴が聞こえるけど、最早どうでもいいよ。
僕はもうとにかく帰りたいんだ、パトラッシュ。
突然湧いてきたパトラッシュって単語に、それ何だっけとリョウの記憶を掘り起こしてると、ミリが解散を告げた。
待て待て待て、流石にそれはダメでしょうよ!
この作戦が結局どう作用するのかも良く分かんないし、話し合いは必要だ。
そう思ってリフエール様をお茶に誘うと、凄くストレートに返してくれた。
貴族の探り合いにウンザリしてる僕には凄く好ましい。
『ショールが良くお似合いだなと思って。本当にヨシノの妖精の様に可憐です。』
こんな事言って僕のHPをガリガリ削っては来るけどさ!
そこは貴族的なお世辞が言えるんかいな…。
…いやいや、本気になんてしてないよ?
顔が熱いのはしょうがないじゃん。
だってさ、こんな国宝級イケメンに褒められた経験なんて無いんだもん!!!
結局、邸に着くまで僕は一度も顔を上げられなかった。
うぅ。恋愛経験皆無な自分が恨めしい…。
●●●
リョウは人並みに恋愛してましたが、その記憶はシエラに残しませんでした。
「だって子供にそんなの残したら教育に悪いじゃん!」との判断。笑
驚きすぎて反芻しちゃっただけ。
男らしい、少し大きな唇が触れた箇所が熱い。
羞恥に顔と首が熱を持つ。
うっ、ビックリしすぎてちょっと涙出そう。
ミリから何らかの指示が出てるんだろうけど。
それでも、まるで恋人に対するみたいな優しい態度にキラキラした微笑み。
うっとりするようなイケボから繰り出される甘い言葉達。
それから、まるで本当に大切に想われてるかのようなキスーーー。
イケメン マジ ヤバイ
単語を繋ぐ言葉すら考えられなくなってる。
一刻も早くここから撤収しないと、勘違いしてしまいそうだ。
それくらいリフエール様の演技は凄かった。
イケメンは演技力もあるのかよ…。
騎士団じゃなくて役者にだってなれちゃいそう。
勿論アイドルでも可!
そしたらファンクラには入りたいよね。
リョウの姉に手伝わされてた記憶で、団扇の作り方だって分かるし。
あ、でもマジックもキラキラのモールも無いじゃんこの世界。
デコらないと気付いてもらえない!
ファンサもらえないじゃん!!!
そんな事を考えてたら、リフエール様の手が腰に回った。
体幹のしっかりした体躯に寄り添いながら歩くのは非常に安定感がある。
歩調も合わせてくれて歩き安い。
何より、フィット感が凄いんだよね。
僕とリフエール様は身長差がかなりある。
15センチは余裕でありそう。
そうすると、彼の肩口あたりに俺の後頭部がスッポリ収まるんだよね。
イケメンはエスコートも完璧なんかい…。
でも、密着し過ぎてもう限界!
ミリから引き続き合図が送られて来るけど、マジで勘弁して!!
「ふふ、何だか照れますね。早く僕を攫ってください。」
一刻も早くミリ様にご満足いただけるように、僕は渾身の一撃を放つ。
周りに聞こえたら恥ずか死しそうだから囁き声で。
どうも一番近い女性達には聞こえちゃったっぽいけど、被害は最小限に抑えたはずだ。
僕だってリフエール様みたいな顔面だったらちょっとは羞恥も減りそうなのになぁ。
平凡顔のこれは本気でヤバイと思う。
それでも、リフエール様が少し早足になってくれたから、早く去りたいって言う僕の願いは伝わったんだろう。
捨て身で頑張った甲斐があった。
周りの皆様にはお目汚しを謝罪したい気持ちでいっぱいだけども。
そんなこんなで、やっとの思いで辿り着いた馬車では、大変満足そうなミリが待ち構えてた。
何か外から悲鳴が聞こえるけど、最早どうでもいいよ。
僕はもうとにかく帰りたいんだ、パトラッシュ。
突然湧いてきたパトラッシュって単語に、それ何だっけとリョウの記憶を掘り起こしてると、ミリが解散を告げた。
待て待て待て、流石にそれはダメでしょうよ!
この作戦が結局どう作用するのかも良く分かんないし、話し合いは必要だ。
そう思ってリフエール様をお茶に誘うと、凄くストレートに返してくれた。
貴族の探り合いにウンザリしてる僕には凄く好ましい。
『ショールが良くお似合いだなと思って。本当にヨシノの妖精の様に可憐です。』
こんな事言って僕のHPをガリガリ削っては来るけどさ!
そこは貴族的なお世辞が言えるんかいな…。
…いやいや、本気になんてしてないよ?
顔が熱いのはしょうがないじゃん。
だってさ、こんな国宝級イケメンに褒められた経験なんて無いんだもん!!!
結局、邸に着くまで僕は一度も顔を上げられなかった。
うぅ。恋愛経験皆無な自分が恨めしい…。
●●●
リョウは人並みに恋愛してましたが、その記憶はシエラに残しませんでした。
「だって子供にそんなの残したら教育に悪いじゃん!」との判断。笑
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