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剣鬼 闘技祭準備編
王国四騎士
『案外ばれないもんですね~』
『お前の提案だろ。なんで他人事のように言ってんの?』
『そうでした』
ナオとデブリ国王が向かい合っている間、レナは交信の能力で時間停止を行い、部屋の中の様子を冷静に伺う。この状態だと肉体も固定されるので視界内に存在する人間しか把握できないのが難点だが、他の人間に気付かれる事もなく様子を伺える。
レナが変装をしてまでナオの同行を願ったのは実はアイリスの提案であり、彼女は直にレナが乗り込む事でハヅキ家に関わる人物を見極めるように助言したのだ。幸いと言うべきか、変装のお陰で相手側は完全には気付いておらず、今のうちに彼女はハヅキ家の息が掛かっている人物を教える。流石に護衛役の指導官を任されるだけはあり、数多くの騎士がハヅキ家の当主を師と崇めているため、この場にいる騎士の中にもハヅキ家に味方すると思われる人間は多い。
『まずは国王の傍に仕えているでかい男がいますよね?髪の毛が緑色の奴です』
『うん。森人族の割にはかなり体格が良いね』
アイリスの言葉にレナは国王の背後に存在する筋肉質の男に視線を向け、大抵の森人族は細身なのだが彼の場合は一見は巨人族と見間違えるほどに筋肉が目立ち、両手には木製の闘拳を装備していた。
『この強面の男が王国最強と噂されている「カイ」です。魔法剣ならぬ魔法拳を得意とする拳士です』
『魔法拳士か』
『まあ、この人はハヅキ家の指導は受けていません。ですが、仕事に忠実な男なので騒ぎ起こしたら真っ先に動くでしょうね』
『要注意だな』
カイの情報を聞いたレナは時間停止しているにも関わらずにその瞳に睨みつけられているような気分に陥り、すぐに他の人間の説明を乞う。
『他に注意する人間は?』
『今度は第一王子の背後に控える女の子みたいに小さくて可愛い少年がいるでしょう?だけど油断しては駄目ですよ。こいつは裏で3人の女性を食い物にしている奴です』
『そういう余計な情報はいいから』
『はいはい、名前はジダンと言って鍵爪使いの暗殺者です。まあ、この人に関しては特に警戒する必要はないですよ。王国の忠誠を誓っているわけでもなく、金払いが良いから仕えているだけです』
『よくそんな奴を迎えたな……』
『外面はいいですよ』
王子の護衛役の騎士の紹介を終えると、続いてアイリスは第一王女の護衛であり、壁際に控えている女性騎士の紹介を行う。
『今度は第一王女の護衛ですね。といっても、実はレナさんの知り合いですよ』
『え?本当に?』
『ほら、エリナという少女を覚えてますか?あの女の人ですよ』
『嘘っ!?』
エリナという言葉にレナは驚愕を隠せず、冷静に壁際の女性に視線を向けると、確かに狩人の職業のエリナの姿があった。一時期は仲間として共に過ごしていた相手であり、ティナが帰還するのと同時に立ち去った少女である。
『あ、本当だ!!騎士の制服着ているから分からなかった……』
『彼女は現在はティナさんの元を離れて彼女のお姉さんの護衛役を任されているんですよ。弓の腕前は一級品ですから、弓騎士として認められました』
『弓騎士?』
『弓専門の騎士の通称ですよ。現在は弓術の指南役として活躍しています。まあ、彼女とリンダさんならレナさんの味方をするでしょうから安心してください』
『出世してたんだあいつ……』
まさか予想外の人物との再会にレナは驚くが、現在の彼の格好では正体に気付かれる事はなく、エリナは眠たそうに瞼を薄めていた。
『一応は最後の騎士の説明もしましょうか。第二王女の護衛役を務めるリンダです。彼女は純粋な格闘家でカイと違って闘拳の類は装備せず、主に発徑などの特殊な戦技を極めていますが、剣の腕も一流です。この4人が王国の間でも上位に位置する実力者であり、王国四騎士という洒落た名前を付けられています』
『バルトロス王国のように将軍とかはいないの?』
『現在のヨツバ王国では将軍と騎士は同一に扱われています。一応は4人以外にも重要な職業を任されている騎士もいますが、王族から信頼されているのはこの4人です』
『リンダさんはともかく、エリナも?』
『彼女はああ見えても結構年齢を重ねてるんですよ?まあ、森人族の中では若手なのは間違いないですけど、コツコツと実績を積んで来たんです』
『そういえば前に行っていたような』
エリナの外見はレナと同世代程度に見えるが、実際の年齢は彼の母親のアイラよりも年上であり、少なくとも70才は超えている。森人族の間では若手だが、人間基準では老婆と言っても過言ではない。
『今、失礼なことを考えませんでした?』
『いや、別に?』
『まあ、別にいいですけど……ともかく、現在の状況は絶好の機会かも知れません。ナオさんが話を終えたら正体を晒してください』
『大丈夫かな?』
『外で待機している騎士はハヅキ家の配下ですが、レナさんの能力で扉を塞いでください。そうすれば時間を稼げますから』
『扉ね……分かった』
アイリスと相談を終えるとレナは交信を遮断し、そしてナオと国王の話し合いが終えるのを待ち続けた。
『お前の提案だろ。なんで他人事のように言ってんの?』
『そうでした』
ナオとデブリ国王が向かい合っている間、レナは交信の能力で時間停止を行い、部屋の中の様子を冷静に伺う。この状態だと肉体も固定されるので視界内に存在する人間しか把握できないのが難点だが、他の人間に気付かれる事もなく様子を伺える。
レナが変装をしてまでナオの同行を願ったのは実はアイリスの提案であり、彼女は直にレナが乗り込む事でハヅキ家に関わる人物を見極めるように助言したのだ。幸いと言うべきか、変装のお陰で相手側は完全には気付いておらず、今のうちに彼女はハヅキ家の息が掛かっている人物を教える。流石に護衛役の指導官を任されるだけはあり、数多くの騎士がハヅキ家の当主を師と崇めているため、この場にいる騎士の中にもハヅキ家に味方すると思われる人間は多い。
『まずは国王の傍に仕えているでかい男がいますよね?髪の毛が緑色の奴です』
『うん。森人族の割にはかなり体格が良いね』
アイリスの言葉にレナは国王の背後に存在する筋肉質の男に視線を向け、大抵の森人族は細身なのだが彼の場合は一見は巨人族と見間違えるほどに筋肉が目立ち、両手には木製の闘拳を装備していた。
『この強面の男が王国最強と噂されている「カイ」です。魔法剣ならぬ魔法拳を得意とする拳士です』
『魔法拳士か』
『まあ、この人はハヅキ家の指導は受けていません。ですが、仕事に忠実な男なので騒ぎ起こしたら真っ先に動くでしょうね』
『要注意だな』
カイの情報を聞いたレナは時間停止しているにも関わらずにその瞳に睨みつけられているような気分に陥り、すぐに他の人間の説明を乞う。
『他に注意する人間は?』
『今度は第一王子の背後に控える女の子みたいに小さくて可愛い少年がいるでしょう?だけど油断しては駄目ですよ。こいつは裏で3人の女性を食い物にしている奴です』
『そういう余計な情報はいいから』
『はいはい、名前はジダンと言って鍵爪使いの暗殺者です。まあ、この人に関しては特に警戒する必要はないですよ。王国の忠誠を誓っているわけでもなく、金払いが良いから仕えているだけです』
『よくそんな奴を迎えたな……』
『外面はいいですよ』
王子の護衛役の騎士の紹介を終えると、続いてアイリスは第一王女の護衛であり、壁際に控えている女性騎士の紹介を行う。
『今度は第一王女の護衛ですね。といっても、実はレナさんの知り合いですよ』
『え?本当に?』
『ほら、エリナという少女を覚えてますか?あの女の人ですよ』
『嘘っ!?』
エリナという言葉にレナは驚愕を隠せず、冷静に壁際の女性に視線を向けると、確かに狩人の職業のエリナの姿があった。一時期は仲間として共に過ごしていた相手であり、ティナが帰還するのと同時に立ち去った少女である。
『あ、本当だ!!騎士の制服着ているから分からなかった……』
『彼女は現在はティナさんの元を離れて彼女のお姉さんの護衛役を任されているんですよ。弓の腕前は一級品ですから、弓騎士として認められました』
『弓騎士?』
『弓専門の騎士の通称ですよ。現在は弓術の指南役として活躍しています。まあ、彼女とリンダさんならレナさんの味方をするでしょうから安心してください』
『出世してたんだあいつ……』
まさか予想外の人物との再会にレナは驚くが、現在の彼の格好では正体に気付かれる事はなく、エリナは眠たそうに瞼を薄めていた。
『一応は最後の騎士の説明もしましょうか。第二王女の護衛役を務めるリンダです。彼女は純粋な格闘家でカイと違って闘拳の類は装備せず、主に発徑などの特殊な戦技を極めていますが、剣の腕も一流です。この4人が王国の間でも上位に位置する実力者であり、王国四騎士という洒落た名前を付けられています』
『バルトロス王国のように将軍とかはいないの?』
『現在のヨツバ王国では将軍と騎士は同一に扱われています。一応は4人以外にも重要な職業を任されている騎士もいますが、王族から信頼されているのはこの4人です』
『リンダさんはともかく、エリナも?』
『彼女はああ見えても結構年齢を重ねてるんですよ?まあ、森人族の中では若手なのは間違いないですけど、コツコツと実績を積んで来たんです』
『そういえば前に行っていたような』
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『今、失礼なことを考えませんでした?』
『いや、別に?』
『まあ、別にいいですけど……ともかく、現在の状況は絶好の機会かも知れません。ナオさんが話を終えたら正体を晒してください』
『大丈夫かな?』
『外で待機している騎士はハヅキ家の配下ですが、レナさんの能力で扉を塞いでください。そうすれば時間を稼げますから』
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