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剣鬼 闘技祭準備編
マリアの心配
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「ところでレナ……貴方が冒険者集団を組んでいる傭兵について話があるわ」
「え、シズネの事?」
「そうよ」
「えっ!?レナさんは青の剣聖と冒険者集団を組んでいるのですか!?」
「ああ、そういえばさっき一緒に居たな。なるほど、お前等は手を組んでたのか」
マリアの言葉にジャンヌは驚き、彼女はシズネと顔を合わせいなかったのかレナがシズネと組んでいる事に動揺する。だが、シュンは市場でレナ達がシズネと行動をしたことを思い出し、納得したように頷く。
「青の剣聖……様々な戦場を駆け巡り、七大魔剣の雪月花を使いこなす美しき女剣士と言われているそうね。まあ、若い頃の姉さんには劣るでしょうけど」
「母さんの実力がよく知らないから分かんないけど……シズネは俺よりも強いよ?」
「そう。だけど、彼女の強さは魔剣に依存しているのではないかしら?」
「……そんな事はないよ。シズネは強いよ」
「どうかしらね……彼女には覇気がないわ」
シズネが剣聖の間でも有名なのは彼女が七大魔剣の一つを所有している事が大きいが、それでも剣士としての力量は高い。実際に闘技場で様々な強敵を打ち倒したレナでさえもシズネとの手合せでは敗北している。しかし、マリアから見れば今の彼女には噂程の人物には見えなかったという。
「私はこれまでに何人もの剣の達人を見てきたわ。少なくとも私が出会った人間は一流の剣士として恥じない剣士としての覇気を纏っていた。今の貴方のようにね……でも、シズネにはそれを感じられなかった」
「けど、シズネは本当に強いよ?」
「貴方の言葉を疑っているわけではないわ。だけど、私には彼女から何か心の迷いのような物を感じられたわ。ここに辿り着くまでの道中、シズネに変わった事はなかった?」
「変わった事?」
レナはこれまでの旅路を思い返すが、特にシズネとの間に何か大きな出来事が起きた記憶はない。だが、レミアと遭遇した時の彼女の態度がおかしかったことを思い出す。
「そういえばレミアと会ったとき、二人は知り合いみたいだったけど……様子がおかしかったかな」
「レミアと?……知り合いというのは本当かしら?」
「分からない。レミアはシズネの事を知っているようだったけど、シズネは何も知らないと何処かへ行っちゃったから……」
「……少し気になるわね、カゲマル、ハンゾウ、二人の事を探ってきて貰えるかしら?」
『はっ!!』
「ちょっと待ってよ」
マリアの言葉にカゲマルとハンゾウが動こうとした時、レナが二人を止める。レミアはともかく、シズネに対して気になる事があるのならば本人に聞けば良いだけの話であり、わざわざ二人を向かわせる必要はない。
「叔母様はシズネの何が気になるの?シズネに何か怪しい部分でもあるの?」
「そうね……貴方が友達を庇いたい気持ちはよく分かるわ。だけど、私の目から見て彼女は何かを隠しているような気がするわ」
「隠している?」
「ええ、そもそもどうしてシズネは貴方に目を付けたの?それが気になったのよ」
「目を付けたって……前にも手紙で書いたでしょ。シズネは俺と一緒に闘技祭に勝ち残って……」
「決勝戦まで勝ち進み、ゴウライを打ち倒す。それが貴方達の目的だったわね」
「えっ!?」
「なんとっ!!あのゴウライ殿を!?」
「おいおい……マジかよ」
「ほんまかいな!?」
シズネがレナと行動を共にしている理由を知っているのはハンゾウとミナを除いた冒険者集団の仲間と、定期的にレナと手紙のやり取りを行っていたマリアだけである。最強の剣聖であるゴウライを倒す事を目標に二人が行動を共にしていた事を知った他の者は驚くが、マリアは冷静な態度を保ったまま問い質す。
「どうしてシズネは他の剣聖ではなく、顔見知りでもない貴方に協力を求めた事が気になるのよ。そもそも闘技祭に共に出場するからと言って、確実に決勝まで二人が勝ち残る事なんて何故言い切れるのかしら?」
「それは大会の主催側が有名処の選手は途中の試合で戦わないように配慮するって……」
「確かにその通りね。大会側としては決勝戦を盛り上げるため、知名度が高い選手同士が決勝戦で戦えるような組み合わせを行うのは間違いないわ。だけど、この都市には5人の剣聖がいるのよ?しかも闘技祭を聞きつけて各地の有名な剣士が続々と集まっているわ。幾ら青の剣聖と闘技場で派手に勝ち上がった白銀の剣士と言えど、絶対に決勝戦で戦わせるような試合の組み合わせになるとは限らないじゃない?」
「…………」
マリアの言葉にレナは冷静に考えこみ、確かにシズネの説明を聞いた時にレナ自身も違和感は感じていた。しかし、彼女が本気でゴウライを打ち倒し、父親の仇を晴らしたいという気持ちが本気だった事は間違いなく、レナは彼女と共に闘技祭に出場する覚悟を決めた。
「え、シズネの事?」
「そうよ」
「えっ!?レナさんは青の剣聖と冒険者集団を組んでいるのですか!?」
「ああ、そういえばさっき一緒に居たな。なるほど、お前等は手を組んでたのか」
マリアの言葉にジャンヌは驚き、彼女はシズネと顔を合わせいなかったのかレナがシズネと組んでいる事に動揺する。だが、シュンは市場でレナ達がシズネと行動をしたことを思い出し、納得したように頷く。
「青の剣聖……様々な戦場を駆け巡り、七大魔剣の雪月花を使いこなす美しき女剣士と言われているそうね。まあ、若い頃の姉さんには劣るでしょうけど」
「母さんの実力がよく知らないから分かんないけど……シズネは俺よりも強いよ?」
「そう。だけど、彼女の強さは魔剣に依存しているのではないかしら?」
「……そんな事はないよ。シズネは強いよ」
「どうかしらね……彼女には覇気がないわ」
シズネが剣聖の間でも有名なのは彼女が七大魔剣の一つを所有している事が大きいが、それでも剣士としての力量は高い。実際に闘技場で様々な強敵を打ち倒したレナでさえもシズネとの手合せでは敗北している。しかし、マリアから見れば今の彼女には噂程の人物には見えなかったという。
「私はこれまでに何人もの剣の達人を見てきたわ。少なくとも私が出会った人間は一流の剣士として恥じない剣士としての覇気を纏っていた。今の貴方のようにね……でも、シズネにはそれを感じられなかった」
「けど、シズネは本当に強いよ?」
「貴方の言葉を疑っているわけではないわ。だけど、私には彼女から何か心の迷いのような物を感じられたわ。ここに辿り着くまでの道中、シズネに変わった事はなかった?」
「変わった事?」
レナはこれまでの旅路を思い返すが、特にシズネとの間に何か大きな出来事が起きた記憶はない。だが、レミアと遭遇した時の彼女の態度がおかしかったことを思い出す。
「そういえばレミアと会ったとき、二人は知り合いみたいだったけど……様子がおかしかったかな」
「レミアと?……知り合いというのは本当かしら?」
「分からない。レミアはシズネの事を知っているようだったけど、シズネは何も知らないと何処かへ行っちゃったから……」
「……少し気になるわね、カゲマル、ハンゾウ、二人の事を探ってきて貰えるかしら?」
『はっ!!』
「ちょっと待ってよ」
マリアの言葉にカゲマルとハンゾウが動こうとした時、レナが二人を止める。レミアはともかく、シズネに対して気になる事があるのならば本人に聞けば良いだけの話であり、わざわざ二人を向かわせる必要はない。
「叔母様はシズネの何が気になるの?シズネに何か怪しい部分でもあるの?」
「そうね……貴方が友達を庇いたい気持ちはよく分かるわ。だけど、私の目から見て彼女は何かを隠しているような気がするわ」
「隠している?」
「ええ、そもそもどうしてシズネは貴方に目を付けたの?それが気になったのよ」
「目を付けたって……前にも手紙で書いたでしょ。シズネは俺と一緒に闘技祭に勝ち残って……」
「決勝戦まで勝ち進み、ゴウライを打ち倒す。それが貴方達の目的だったわね」
「えっ!?」
「なんとっ!!あのゴウライ殿を!?」
「おいおい……マジかよ」
「ほんまかいな!?」
シズネがレナと行動を共にしている理由を知っているのはハンゾウとミナを除いた冒険者集団の仲間と、定期的にレナと手紙のやり取りを行っていたマリアだけである。最強の剣聖であるゴウライを倒す事を目標に二人が行動を共にしていた事を知った他の者は驚くが、マリアは冷静な態度を保ったまま問い質す。
「どうしてシズネは他の剣聖ではなく、顔見知りでもない貴方に協力を求めた事が気になるのよ。そもそも闘技祭に共に出場するからと言って、確実に決勝まで二人が勝ち残る事なんて何故言い切れるのかしら?」
「それは大会の主催側が有名処の選手は途中の試合で戦わないように配慮するって……」
「確かにその通りね。大会側としては決勝戦を盛り上げるため、知名度が高い選手同士が決勝戦で戦えるような組み合わせを行うのは間違いないわ。だけど、この都市には5人の剣聖がいるのよ?しかも闘技祭を聞きつけて各地の有名な剣士が続々と集まっているわ。幾ら青の剣聖と闘技場で派手に勝ち上がった白銀の剣士と言えど、絶対に決勝戦で戦わせるような試合の組み合わせになるとは限らないじゃない?」
「…………」
マリアの言葉にレナは冷静に考えこみ、確かにシズネの説明を聞いた時にレナ自身も違和感は感じていた。しかし、彼女が本気でゴウライを打ち倒し、父親の仇を晴らしたいという気持ちが本気だった事は間違いなく、レナは彼女と共に闘技祭に出場する覚悟を決めた。
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