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闘技祭 決戦編
予選試合 後半戦開始
――数分後、レナ達は全身をフードで覆い隠した状態で自由席の観客席に座り込み、試合場の様子を伺う。間もなく予選試合の午後の部が行われようとしており、既に午前の部で試合を行っていない選手達が試合場に集まっていた。
「よし、気付かれていないようだ」
「でも、こんな格好で大丈夫なのかな……逆に怪しくない?」
「大丈夫だって、気付きはしないよ。怪しまれても適当に誤魔化せば大丈夫だよ」
横一列に3人の人間がフードで全身を覆い隠しながら観客席に座り込むのは異様な光景に思われるかもしれないが、意外な事に全身を覆い隠す人間は他の観客の中にも存在した。時期的にも肌寒い気候を迎えており、寒気に備えて全身を隠す人間も少なくはなく、レナ達だけが特別に怪しい訳ではない。
「それよりも試合を見ろよ、あんだけ戦ったのにまだこんなに残ってるんだぞ?レナは誰が勝ち残ると思う?」
「ここからじゃよく見えないな……もう少し前に行かない?」
「いや、ここから先の席は有料制だ。兵士に相談しなければ前の席に座る事は出来ないぞ」
レナ達が座っている自由席は観客席の最後尾付近のため、試合場の様子を確認するのも難しい。それでも自由席という事で観客の数も多く、予選にも関わらずに闘技場は満員である事から闘技祭の知名度の高さが伺える。
『お待たせしました!!これより予選試合午後の部を開始致します!!』
「お、やっと始まるみたいだな……誰が勝ち残るのかな?」
「二人は試合を見てていいよ。兵士の警戒は俺がしておくから……」
「いや、その役目は俺に任せろ。レナも試合に出る以上は本戦で戦うかもしれない相手の情報は知っておいた方が良い」
「……それもそうか。分かった、ゴンちゃんに任せるよ」
ゴンゾウの言葉は正論だと判断し、レナも観客席を巡回する兵士の警戒を彼に任せ、試合場に視線を向ける。こんな時こそ「観察眼」と「遠視」の技能スキルが役立ち、誰がどのような戦闘を行うのかを注意深く観察し、他の選手の情報を集める事に集中した。
『では早速ながら後半戦の予選第一試合を発表します!!まずは氷雨所属の冒険者ミナ選手です!!』
「はいっ!!」
解説者兼進行役のラビットが名前を発表すると、試合場の隅からミナが父親の槍を握りしめながら姿を現す。ミナもレナ達と共に大迷宮に挑んで腕を磨いており、彼女ならば並大抵の相手には負ける事はないだろうとレナは考えたが、続けてラビットの発表した名前に不安を抱く。
『続きまして……おおっと!?今度はヨツバ王国の四騎士筆頭を務めるカイ選手です!!』
「……出番か」
『おおっ!!』
ラビットの言葉に観客達が騒ぎ出し、不愛想な表情を浮かべたカイが試合場の中央部に移動する。相手がエルフ王国の四騎士だと知ったミナは慌てふためくが、中央に集まったカイを目にして頭を下げる。
「あ、あの……よろしくお願いします!!」
「かしこまるな、試合では手加減はしない」
「は、はい!!」
緊張気味のミナの言葉にカイは溜息を吐きながら適当に対応を行い、その様子を見たレナはカイの態度に違和感を抱く。以前にレナがナオと共にデブリ国王と対面した時と雰囲気が異なり、最初に顔を合わせた時は近寄りがたい武人としての気迫を纏っていた。しかし、今の彼からそのような物は感じられなかった。
「なんかあのカイという人、元気なさそうだね」
「そうか?僕には別に普通に見えるけど……」
「いや、俺もあの人から気迫が感じられない。生粋の武人という噂を耳にしていたが、まるで今は抜け殻のように疲れ切っているように見えるな」
武人ではないダインはカイの変化には気付けなかったが、ゴンゾウもレナと同様に今のカイの姿に違和感を抱き、何故だか現在のカイから覇気が感じられなかった。
――実はこの時、アカイは予選試合の前半戦にて獣人国のタイガと巨人国のゴウが敗れた事に少なからず精神的に動揺していた。彼等はアカイにとっては因縁のある二人であり、3人は役職に違いはあるが国の「将軍」に位置する立場に就いている。
過去にヨツバ王国、巨人国、獣人国の間で行われた「三国会談」ではタイガとゴウは決闘騒ぎを起こしており、その際にアカイも巻き込まれてしまう。結局は3人はそれぞれの主から厳罰を受けたが、自分に非があるわけでもないのに国王から処罰を申し付けられたカイは自分に恥辱を味わわせた二人を恨んでいた。
そのため、アカイが闘技祭の参加を強く願ったのは試合という名目で二人を打ち倒し、三国会談で受けた恥辱を晴らそうと考えていた。しかし、タイガは無名の仮面の女剣士に敗北し、ゴウに至っては自分の同僚のリンダによって破れてしまったため、アカイは自分が何のために闘技祭に出場したのかと精神的な動揺を隠しきれないまま試合場に登場してしまう。
※読み直してみたらカイの名前は「アカイ」でした……申し訳ありませんがこれまでのアカイの名前の修正は時間が掛かります(´ω`)
「よし、気付かれていないようだ」
「でも、こんな格好で大丈夫なのかな……逆に怪しくない?」
「大丈夫だって、気付きはしないよ。怪しまれても適当に誤魔化せば大丈夫だよ」
横一列に3人の人間がフードで全身を覆い隠しながら観客席に座り込むのは異様な光景に思われるかもしれないが、意外な事に全身を覆い隠す人間は他の観客の中にも存在した。時期的にも肌寒い気候を迎えており、寒気に備えて全身を隠す人間も少なくはなく、レナ達だけが特別に怪しい訳ではない。
「それよりも試合を見ろよ、あんだけ戦ったのにまだこんなに残ってるんだぞ?レナは誰が勝ち残ると思う?」
「ここからじゃよく見えないな……もう少し前に行かない?」
「いや、ここから先の席は有料制だ。兵士に相談しなければ前の席に座る事は出来ないぞ」
レナ達が座っている自由席は観客席の最後尾付近のため、試合場の様子を確認するのも難しい。それでも自由席という事で観客の数も多く、予選にも関わらずに闘技場は満員である事から闘技祭の知名度の高さが伺える。
『お待たせしました!!これより予選試合午後の部を開始致します!!』
「お、やっと始まるみたいだな……誰が勝ち残るのかな?」
「二人は試合を見てていいよ。兵士の警戒は俺がしておくから……」
「いや、その役目は俺に任せろ。レナも試合に出る以上は本戦で戦うかもしれない相手の情報は知っておいた方が良い」
「……それもそうか。分かった、ゴンちゃんに任せるよ」
ゴンゾウの言葉は正論だと判断し、レナも観客席を巡回する兵士の警戒を彼に任せ、試合場に視線を向ける。こんな時こそ「観察眼」と「遠視」の技能スキルが役立ち、誰がどのような戦闘を行うのかを注意深く観察し、他の選手の情報を集める事に集中した。
『では早速ながら後半戦の予選第一試合を発表します!!まずは氷雨所属の冒険者ミナ選手です!!』
「はいっ!!」
解説者兼進行役のラビットが名前を発表すると、試合場の隅からミナが父親の槍を握りしめながら姿を現す。ミナもレナ達と共に大迷宮に挑んで腕を磨いており、彼女ならば並大抵の相手には負ける事はないだろうとレナは考えたが、続けてラビットの発表した名前に不安を抱く。
『続きまして……おおっと!?今度はヨツバ王国の四騎士筆頭を務めるカイ選手です!!』
「……出番か」
『おおっ!!』
ラビットの言葉に観客達が騒ぎ出し、不愛想な表情を浮かべたカイが試合場の中央部に移動する。相手がエルフ王国の四騎士だと知ったミナは慌てふためくが、中央に集まったカイを目にして頭を下げる。
「あ、あの……よろしくお願いします!!」
「かしこまるな、試合では手加減はしない」
「は、はい!!」
緊張気味のミナの言葉にカイは溜息を吐きながら適当に対応を行い、その様子を見たレナはカイの態度に違和感を抱く。以前にレナがナオと共にデブリ国王と対面した時と雰囲気が異なり、最初に顔を合わせた時は近寄りがたい武人としての気迫を纏っていた。しかし、今の彼からそのような物は感じられなかった。
「なんかあのカイという人、元気なさそうだね」
「そうか?僕には別に普通に見えるけど……」
「いや、俺もあの人から気迫が感じられない。生粋の武人という噂を耳にしていたが、まるで今は抜け殻のように疲れ切っているように見えるな」
武人ではないダインはカイの変化には気付けなかったが、ゴンゾウもレナと同様に今のカイの姿に違和感を抱き、何故だか現在のカイから覇気が感じられなかった。
――実はこの時、アカイは予選試合の前半戦にて獣人国のタイガと巨人国のゴウが敗れた事に少なからず精神的に動揺していた。彼等はアカイにとっては因縁のある二人であり、3人は役職に違いはあるが国の「将軍」に位置する立場に就いている。
過去にヨツバ王国、巨人国、獣人国の間で行われた「三国会談」ではタイガとゴウは決闘騒ぎを起こしており、その際にアカイも巻き込まれてしまう。結局は3人はそれぞれの主から厳罰を受けたが、自分に非があるわけでもないのに国王から処罰を申し付けられたカイは自分に恥辱を味わわせた二人を恨んでいた。
そのため、アカイが闘技祭の参加を強く願ったのは試合という名目で二人を打ち倒し、三国会談で受けた恥辱を晴らそうと考えていた。しかし、タイガは無名の仮面の女剣士に敗北し、ゴウに至っては自分の同僚のリンダによって破れてしまったため、アカイは自分が何のために闘技祭に出場したのかと精神的な動揺を隠しきれないまま試合場に登場してしまう。
※読み直してみたらカイの名前は「アカイ」でした……申し訳ありませんがこれまでのアカイの名前の修正は時間が掛かります(´ω`)
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