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闘技祭 決戦編
ハヤテ登場
『続いての選手は……おっと、ここで残念な報告があります。ヨツバ王国の代表のエリナ選手が棄権を申し出ました。なので今回の試合は3人で行われます』
「ええっ!?」
「棄権?どうして?」
「そもそもエリナって誰だよ?」
ラビットの報告に観客達に動揺が走るが、棄権したエリナは最近になって四騎士に選ばれたばかりなので知名度は高くなく、動揺はすぐに収まる。その一方でレナは特等席に座るヨツバ王国の国王に視線を向けると、険しい表情を浮かべながらも試合場の様子を伺っていた。
(ハンゾウが上手く伝えてくれたのかな……)
デブリ国王がティナが攫われた件を知らないはずがなく、それでも騒ぎ立てずに観客席に姿を現した以上はティナの安全をハンゾウが伝えた可能性が高い。それでも表情が険しいのは自分の娘を利用されて苛立ちを隠せず、しきりにバルトロス王国の国王を睨みつけていた。
(ティナが無事なら俺達の無実も証明されたのかな……そこら辺は後で聞こう)
攫われた本人が戻ってきたのならばレナ達の無実は証明され、ヨツバ王国が弁護すれば兵士に追われる事はなくなるだろう(最もその場合は他の理由を適当に作り上げてレナ達を犯罪者に仕立てようとするかもしれないが)。
『では最後の選手を紹介します!!氷雨に所属している最後の剣聖、ハヤテ選手の登場です!!』
「うおおおおおっ!!」
「待ってました!!」
「ハ・ヤ・テ!!ハ・ヤ・テ!!」
ハヤテの名前が発表された瞬間に観客が騒ぎ出し、氷雨の中でもゴウライと双璧を為す実力者として知られているハヤテの登場に観衆は歓声を上げる。そして試合場に一人の少女が姿を現れた瞬間、先に試合場の中央部に集まっていたアカイとミナは緊張感を抱く。
(初戦からハヤテさんと戦う事になるなんて……ううっ、緊張する)
(ハヤテか……面白い)
緊張を隠せずに身体を震わせるミナに対し、宿敵の二人が予選で消えた事で戦意を失いかけていたアカイは笑みを浮かべる。そんな二人の前に身の丈の合わない長さの日本刀を腰に差したハヤテが赴き、口を開く。
「…………」
「ふっ、言ってくれるな」
「えっ?あの……」
ハヤテが口を開いて何事か囁くが声量が小さすぎてミナには聞き取れず、聴力が優れている森人族であるアカイは彼女の言葉を聞いて睨みつけて忠告する。
「言っておくがお前がヨツバ王国を裏切り、あの王妃の元に降った事は知っている。例えヨツバ王国に長らく仕えていた功臣であろと、俺は貴様に容赦はしない」
「…………」
「ハヤテさん……あの、本当に僕達を裏切ったの?」
アカイの言葉にハヤテは何も言い返さず、そんな彼女にミナは悲し気な表情を浮かべて問い質す。ミナとしては氷雨に入ったころから色々と面倒を見てくれた相手であり、恩義も感じている。しかし、ハヤテはそんな彼女の言葉が聞こえていないように試合場の隅に存在する黒柱へ向かう。
『では早速試合を開始します!!選手の方々は準備してください!!』
「おい、確か……ミナと言ったな。忠告しておくが俺は貴様にも遠慮はしないぞ。我が君がお前の主と協力関係を結んだとはいえ、試合で手加減を行うような真似はしない」
「え、あ、はい?」
「……だが、お前も手を抜くような真似をするな。お前も一介の武人ならば試合であろうと全力で来い。俺は誰の挑戦も受ける」
「えっと……分かりました」
緊張しているミナにアカイは余裕の態度で告げると、ハヤテとは反対方向の黒柱に向かう。それを見たミナは慌てて二人の間に位置する黒柱に向かい、槍を握りしめる。全員が戦闘準備を整えたのを確認すると、ラビットは試合開始の合図を行う。
『それでは……試合開始ぃっ!!』
合図の鐘が鳴り響き、試合場に存在する3人が動き出す。アカイは真っ先にハヤテの元へ向かい、ミナも彼に遅れてハヤテの元に向かう。観客は二人の狙いがハヤテであると判断したが、当のハヤテは動じた様子もなく日本刀に手を伸ばす。
「っ!?」
「不味いっ!?」
ハヤテが構えた瞬間、一流の武人であるアカイとミナは危険を察知して立ち止まる。ハヤテとの距離は10メートル近くも離れているにも関わらず、二人はこれ以上に先に踏み出す事が出来ない。
(危なかった……ハヤテさんの「間合い」に入ったら間違いなく切られてた)
――同じ氷雨のギルドに所属し、ハヤテから稽古を受けていた事もあるミナはハヤテが得意とする「居合」と呼ばれる剣技の危険性は身をもって知っている。鞘から剣を引き抜いて攻撃を行う「抜刀」この戦技自体は特に珍しくはないが、ハヤテの場合は他の戦技を一切使用せず、この「抜刀」の戦技を鍛え上げていた。
厳密に言えば「居合」と呼ばれる戦技は存在しない。しかし、彼女が扱う「抜刀」の戦技はあまりにも他の剣士が扱う「抜刀」とは威力も応用性も大きく差があり、ハヤテはこの戦技だけで剣聖に至った。都市に存在する剣聖の中では体格的に最も恵まれていない彼女だが、その実力はゴウライに迫る。彼女は自分が非力である事を理解しており、だからこそ「技術」のみを磨いてきた。
「ええっ!?」
「棄権?どうして?」
「そもそもエリナって誰だよ?」
ラビットの報告に観客達に動揺が走るが、棄権したエリナは最近になって四騎士に選ばれたばかりなので知名度は高くなく、動揺はすぐに収まる。その一方でレナは特等席に座るヨツバ王国の国王に視線を向けると、険しい表情を浮かべながらも試合場の様子を伺っていた。
(ハンゾウが上手く伝えてくれたのかな……)
デブリ国王がティナが攫われた件を知らないはずがなく、それでも騒ぎ立てずに観客席に姿を現した以上はティナの安全をハンゾウが伝えた可能性が高い。それでも表情が険しいのは自分の娘を利用されて苛立ちを隠せず、しきりにバルトロス王国の国王を睨みつけていた。
(ティナが無事なら俺達の無実も証明されたのかな……そこら辺は後で聞こう)
攫われた本人が戻ってきたのならばレナ達の無実は証明され、ヨツバ王国が弁護すれば兵士に追われる事はなくなるだろう(最もその場合は他の理由を適当に作り上げてレナ達を犯罪者に仕立てようとするかもしれないが)。
『では最後の選手を紹介します!!氷雨に所属している最後の剣聖、ハヤテ選手の登場です!!』
「うおおおおおっ!!」
「待ってました!!」
「ハ・ヤ・テ!!ハ・ヤ・テ!!」
ハヤテの名前が発表された瞬間に観客が騒ぎ出し、氷雨の中でもゴウライと双璧を為す実力者として知られているハヤテの登場に観衆は歓声を上げる。そして試合場に一人の少女が姿を現れた瞬間、先に試合場の中央部に集まっていたアカイとミナは緊張感を抱く。
(初戦からハヤテさんと戦う事になるなんて……ううっ、緊張する)
(ハヤテか……面白い)
緊張を隠せずに身体を震わせるミナに対し、宿敵の二人が予選で消えた事で戦意を失いかけていたアカイは笑みを浮かべる。そんな二人の前に身の丈の合わない長さの日本刀を腰に差したハヤテが赴き、口を開く。
「…………」
「ふっ、言ってくれるな」
「えっ?あの……」
ハヤテが口を開いて何事か囁くが声量が小さすぎてミナには聞き取れず、聴力が優れている森人族であるアカイは彼女の言葉を聞いて睨みつけて忠告する。
「言っておくがお前がヨツバ王国を裏切り、あの王妃の元に降った事は知っている。例えヨツバ王国に長らく仕えていた功臣であろと、俺は貴様に容赦はしない」
「…………」
「ハヤテさん……あの、本当に僕達を裏切ったの?」
アカイの言葉にハヤテは何も言い返さず、そんな彼女にミナは悲し気な表情を浮かべて問い質す。ミナとしては氷雨に入ったころから色々と面倒を見てくれた相手であり、恩義も感じている。しかし、ハヤテはそんな彼女の言葉が聞こえていないように試合場の隅に存在する黒柱へ向かう。
『では早速試合を開始します!!選手の方々は準備してください!!』
「おい、確か……ミナと言ったな。忠告しておくが俺は貴様にも遠慮はしないぞ。我が君がお前の主と協力関係を結んだとはいえ、試合で手加減を行うような真似はしない」
「え、あ、はい?」
「……だが、お前も手を抜くような真似をするな。お前も一介の武人ならば試合であろうと全力で来い。俺は誰の挑戦も受ける」
「えっと……分かりました」
緊張しているミナにアカイは余裕の態度で告げると、ハヤテとは反対方向の黒柱に向かう。それを見たミナは慌てて二人の間に位置する黒柱に向かい、槍を握りしめる。全員が戦闘準備を整えたのを確認すると、ラビットは試合開始の合図を行う。
『それでは……試合開始ぃっ!!』
合図の鐘が鳴り響き、試合場に存在する3人が動き出す。アカイは真っ先にハヤテの元へ向かい、ミナも彼に遅れてハヤテの元に向かう。観客は二人の狙いがハヤテであると判断したが、当のハヤテは動じた様子もなく日本刀に手を伸ばす。
「っ!?」
「不味いっ!?」
ハヤテが構えた瞬間、一流の武人であるアカイとミナは危険を察知して立ち止まる。ハヤテとの距離は10メートル近くも離れているにも関わらず、二人はこれ以上に先に踏み出す事が出来ない。
(危なかった……ハヤテさんの「間合い」に入ったら間違いなく切られてた)
――同じ氷雨のギルドに所属し、ハヤテから稽古を受けていた事もあるミナはハヤテが得意とする「居合」と呼ばれる剣技の危険性は身をもって知っている。鞘から剣を引き抜いて攻撃を行う「抜刀」この戦技自体は特に珍しくはないが、ハヤテの場合は他の戦技を一切使用せず、この「抜刀」の戦技を鍛え上げていた。
厳密に言えば「居合」と呼ばれる戦技は存在しない。しかし、彼女が扱う「抜刀」の戦技はあまりにも他の剣士が扱う「抜刀」とは威力も応用性も大きく差があり、ハヤテはこの戦技だけで剣聖に至った。都市に存在する剣聖の中では体格的に最も恵まれていない彼女だが、その実力はゴウライに迫る。彼女は自分が非力である事を理解しており、だからこそ「技術」のみを磨いてきた。
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