文字の大きさ
大
中
小
735 / 2,093
外伝 ~ヨツバ王国編~
戦の終わり
「や、やった……倒した!!遂にクレナイを倒したんだ!!」
「し、信じられない……」
「あのクレナイ将軍が……!?」
ゴンゾウによって樹皮にめり込まれたクレナイの姿を見た東聖将軍の兵士達は歓声を上げ、守備将軍の兵士達は自分達の将軍が敗れたという事実に膝を崩す。すぐにシズネ達は倒れたゴンゾウの元へ向かい、容体を調べる。
「ゴンゾウ!!おい、大丈夫なのか!?」
「動かさないで!!コトミン、すぐに治療を……」
「……駄目、スラミンが水分を出し尽くして回復魔法が使えない」
「ぷるるっ……」
シズネはコトミンに治療を願うが、彼女が抱えているスラミンは戦闘の際に体内に保管していた水分をほぼ全て出し切り、水を吐き出せない。コトミンの回復魔法は水が必要不可欠のため、今の状況ではゴンゾウの回復は出来なかった。
「誰か!!誰か回復薬を持っていないの!?」
「すまん、戦闘中に全て使い切ってしまった」
「私もありません……」
「あ、僕が持ってるよ!!1本だけ、最後の奴が!!」
ミナが懐から回復薬を取り出し、ゴンゾウの口元へ飲み込ませる。回復薬を飲み込むとゴンゾウの顔色も良くなり、ある程度の傷の再生が始まった。だが、量と品質の問題で完治とまではいかず、早急に東壁街へ引き換えして治癒魔導士に回復してもらう必要がある。
ゴンゾウを仲間たちが運び込む間、ギンタロウは立ち尽くした状態で気絶したクレナイの元へ近づき、彼の様子を伺う。未だに意識は戻る様子はなく、そんな彼に対してギンタロウは鉞を握り締めると、守備将軍の兵士達が必死に止めようとした。
「や、止めろ!!勝負はもう着いた!!」
「我々の負けだ!!もう将軍を傷つけるのは止めてくれ!!」
「降参する!!敗北を認める!!だから……将軍を殺さないでくれ!!」
「……ならば武器を手放せ!!そうすればお前たちの将に手出しはしない!!」
守備将軍の兵士の言葉にギンタロウは武装解除を命じると、兵士達は即座に自分が所持していた武器を地面に突き刺し、その場に跪く。その光景を見てクレナイが配下にどれほど慕われているのか理解したギンタロウは鉞を下ろす。
「良い部下に恵まれたな、クレナイ」
「……馬鹿者、共が……」
「何だ!?目を覚ましていたのか!?」
ギンタロウの呟きに何時の間にか意識を取り戻していたクレナイが返事を行い、彼はその場に膝を崩す。慌ててギンタロウはクレナイの肩を貸そうとするが、それを拒んでクレナイはギンタロウに投降を申し出る。
「ギンタロウ、お前の勝利だ……我の首をやる、だから部下たちだけは見逃してくれ」
「勘違いするなクレナイ、俺も彼等もお前の首などいらん!!俺たちの目的はこの国を乗っ取ろうとしているカレハ王女から王国の実権を取り戻す事だ!!」
「……この期に及んで、まだそのような世迷言を」
「世迷言ではない!!ともかく、まずはお前が拘束した3人の冒険者の解放を要求する!!彼等は無事なのか?」
クレナイの肩を貸しながらギンタロウは守備将軍に拘束されたカゲマル、ハンゾウ、アヤメの3人の解放を望むと、守備将軍の兵士の中から返事が来る。
「我等ならばここにいるぞ」
「何!?」
「その声は……まさか、カゲマルか!?」
「拙者もアヤメもいるでござる!!」
守備将軍の兵士に化けていたカゲマル、ハンゾウ、アヤメが姿を現すと両陣営が驚愕の表情を浮かべ、どうやら3人ともすでに拘束から抜け出していたらしく、兵士に紛れて戦場で戦っていたらしい。
「貴様等……どうやって抜け出してきた?」
「ふっ……我等にとってあのような拘束を脱出するなど容易い事だ」
「まさか植物型の魔物の蔓に拘束されるとは思わなかったでござるが……」
「白くてぬめぬめした粘液を引っ掛けられた時は焦ったでござるん」
「ど、どんな拘束をされていたんだ君たちは……」
3人が拘束を抜けていた事にクレナイは驚き、氷雨の冒険者は彼等が無事であったことを喜ぶ。同時にこれで人質にされかねない3人の無事を確保した以上、もう守備将軍は東聖将軍へ対抗する術はなくなった。
「クレナイよ、お前は我々に敗北したのだ。ならば黙って我々に従ってもらうぞ」
「……どうするつもりだ?」
「別にお前達を殺すつもりはない。だが、これ以上に我々の邪魔をするというのであれば容赦はしない!!だが、一先ずは東壁街へ引き返すぞ!!まずは怪我の治療からだ!!」
「我々も、治療する気か……?」
「当然だ!!戦が終わった以上、もうお前達は敵ではない!!同じ国家、同じ主人に忠誠を誓う仲間だ!!誰一人として見捨てないぞ!!」
ギンタロウの言葉に守備将軍の兵士達は戸惑い、クレナイの方も彼の言葉に呆れた表情を浮かべるが、このような男だからこそヨツバ王国のデブリ国王は彼に六聖将の位を授けた事を思い出す。クレナイは素直に敗北を認め、ギンタロウはの指示に従う。
「し、信じられない……」
「あのクレナイ将軍が……!?」
ゴンゾウによって樹皮にめり込まれたクレナイの姿を見た東聖将軍の兵士達は歓声を上げ、守備将軍の兵士達は自分達の将軍が敗れたという事実に膝を崩す。すぐにシズネ達は倒れたゴンゾウの元へ向かい、容体を調べる。
「ゴンゾウ!!おい、大丈夫なのか!?」
「動かさないで!!コトミン、すぐに治療を……」
「……駄目、スラミンが水分を出し尽くして回復魔法が使えない」
「ぷるるっ……」
シズネはコトミンに治療を願うが、彼女が抱えているスラミンは戦闘の際に体内に保管していた水分をほぼ全て出し切り、水を吐き出せない。コトミンの回復魔法は水が必要不可欠のため、今の状況ではゴンゾウの回復は出来なかった。
「誰か!!誰か回復薬を持っていないの!?」
「すまん、戦闘中に全て使い切ってしまった」
「私もありません……」
「あ、僕が持ってるよ!!1本だけ、最後の奴が!!」
ミナが懐から回復薬を取り出し、ゴンゾウの口元へ飲み込ませる。回復薬を飲み込むとゴンゾウの顔色も良くなり、ある程度の傷の再生が始まった。だが、量と品質の問題で完治とまではいかず、早急に東壁街へ引き換えして治癒魔導士に回復してもらう必要がある。
ゴンゾウを仲間たちが運び込む間、ギンタロウは立ち尽くした状態で気絶したクレナイの元へ近づき、彼の様子を伺う。未だに意識は戻る様子はなく、そんな彼に対してギンタロウは鉞を握り締めると、守備将軍の兵士達が必死に止めようとした。
「や、止めろ!!勝負はもう着いた!!」
「我々の負けだ!!もう将軍を傷つけるのは止めてくれ!!」
「降参する!!敗北を認める!!だから……将軍を殺さないでくれ!!」
「……ならば武器を手放せ!!そうすればお前たちの将に手出しはしない!!」
守備将軍の兵士の言葉にギンタロウは武装解除を命じると、兵士達は即座に自分が所持していた武器を地面に突き刺し、その場に跪く。その光景を見てクレナイが配下にどれほど慕われているのか理解したギンタロウは鉞を下ろす。
「良い部下に恵まれたな、クレナイ」
「……馬鹿者、共が……」
「何だ!?目を覚ましていたのか!?」
ギンタロウの呟きに何時の間にか意識を取り戻していたクレナイが返事を行い、彼はその場に膝を崩す。慌ててギンタロウはクレナイの肩を貸そうとするが、それを拒んでクレナイはギンタロウに投降を申し出る。
「ギンタロウ、お前の勝利だ……我の首をやる、だから部下たちだけは見逃してくれ」
「勘違いするなクレナイ、俺も彼等もお前の首などいらん!!俺たちの目的はこの国を乗っ取ろうとしているカレハ王女から王国の実権を取り戻す事だ!!」
「……この期に及んで、まだそのような世迷言を」
「世迷言ではない!!ともかく、まずはお前が拘束した3人の冒険者の解放を要求する!!彼等は無事なのか?」
クレナイの肩を貸しながらギンタロウは守備将軍に拘束されたカゲマル、ハンゾウ、アヤメの3人の解放を望むと、守備将軍の兵士の中から返事が来る。
「我等ならばここにいるぞ」
「何!?」
「その声は……まさか、カゲマルか!?」
「拙者もアヤメもいるでござる!!」
守備将軍の兵士に化けていたカゲマル、ハンゾウ、アヤメが姿を現すと両陣営が驚愕の表情を浮かべ、どうやら3人ともすでに拘束から抜け出していたらしく、兵士に紛れて戦場で戦っていたらしい。
「貴様等……どうやって抜け出してきた?」
「ふっ……我等にとってあのような拘束を脱出するなど容易い事だ」
「まさか植物型の魔物の蔓に拘束されるとは思わなかったでござるが……」
「白くてぬめぬめした粘液を引っ掛けられた時は焦ったでござるん」
「ど、どんな拘束をされていたんだ君たちは……」
3人が拘束を抜けていた事にクレナイは驚き、氷雨の冒険者は彼等が無事であったことを喜ぶ。同時にこれで人質にされかねない3人の無事を確保した以上、もう守備将軍は東聖将軍へ対抗する術はなくなった。
「クレナイよ、お前は我々に敗北したのだ。ならば黙って我々に従ってもらうぞ」
「……どうするつもりだ?」
「別にお前達を殺すつもりはない。だが、これ以上に我々の邪魔をするというのであれば容赦はしない!!だが、一先ずは東壁街へ引き返すぞ!!まずは怪我の治療からだ!!」
「我々も、治療する気か……?」
「当然だ!!戦が終わった以上、もうお前達は敵ではない!!同じ国家、同じ主人に忠誠を誓う仲間だ!!誰一人として見捨てないぞ!!」
ギンタロウの言葉に守備将軍の兵士達は戸惑い、クレナイの方も彼の言葉に呆れた表情を浮かべるが、このような男だからこそヨツバ王国のデブリ国王は彼に六聖将の位を授けた事を思い出す。クレナイは素直に敗北を認め、ギンタロウはの指示に従う。
感想 5,097
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『ベルンハルト・フォン・バーデンは平穏に暮らしたい』
GamaFrog男爵家三男、ベルンハルト・フォン・バーデン。
家督継承権はなく、本来ならどこかの官職に就くか、他家へ仕えるか、婿入りするか――そんな将来が待っているはずだった。
しかしベルは少しだけ優秀すぎた。
小遣い稼ぎのつもりで始めた商売は成功し、気付けば父親より金を持ち、長男より領地経営に詳しく、次男より商売が上手くなっていた。
本人に出しゃばる気はない。
ただ普通に生きていただけだ。
それでも、優秀すぎる三男の存在は家族との距離を少しずつ広げていった。
家に居場所がなくなった。
だからベルは学園へ来た。
貴族だから一応入学した。
家にいるより気楽だったから。
静かに暮らしたかったから。
寄付金を積んで手に入れた広い寮部屋で、本を読み、昼寝をし、卒業後は適当な文官になって平穏に生きる
そのはずだった。
だが現実は違った。
男装令嬢に懐かれ。
王太子に目を付けられ。
商会には囲い込まれ。
気付けば平穏はどこへやら。
本人はただ平穏に暮らしたいだけ。
周囲はなぜか放っておいてくれない。
これは、面倒事を嫌う規格外の天才が、静かな人生を目指して失敗し続ける物語である。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
由香皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
クラス全員で異世界召喚されたが、俺だけ教室に取り残されたのでとりあえず帰宅した
中山(ほ) クラス全員で異世界召喚されたが、先生と俺が残っていた。
魔法もチートスキルもステータス画面すら表示されない、ただの「残され損」
異世界に行けなかった俺を待っていたのは、世知辛い現実だった。
AI使用状況
GoogleのGeminiさん使ってます〜
誤字脱字チェックと調べ物お願いしてます
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。