2,014 / 2,090
蛇足編
神器ファントム
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「ちっ、まあいい……それならばこの神器の真の力を見せてやる」
「真の力?」
「笑わせないでくれる?その真の力を発揮する前に貴方を仕留めれば終わりよ!!」
闇魔導士の男にシズネは疾風の如く駆け抜け、彼女の得意とする刺突で仕留めようとした。だが、男は腕輪に手を伸ばすと神器の力を解放した。
「見せてやる!!これがファントムの力だ!!」
「きゃっ!?」
シズネが攻撃を仕掛ける前に男の腕輪が発光し、間近で閃光を浴びたシズネは目が眩む。レナ達も一瞬だけ視界が封じられるが、視力が戻ると驚くべき光景が広がっていた。
「なっ!?シズネが……二人!?」
「これはいったい……!?」
「え~!?」
「おおっ……シズネが分裂した」
「分裂するわけないでしょう!?」
闇魔導士の男を庇うように立っていたのはシズネと瓜二つの姿形をした女性だった。シズネと全く同じ容姿で来ている服装まで同じであり、しかもこの世界には一つしかないはずの雪月花も手にしていた。何が起きたのか分からないがシズネは目の前に現れた偽物に怒りを抱き、彼女は雪月花を繰り出す。
「凍り付きなさい!!」
「ふっ……無駄だっ!!」
「何ですって!?」
本物のシズネは雪月花を繰り出して攻撃を仕掛けたが、何故か能力が発動せずに偽物のシズネに刃を受け止められた。雪月花は触れた存在を氷結化させる能力を持つのだが、偽物のシズネが持つ雪月花に防がれてしまう。
自分の能力が通じない偽物にシズネは戸惑い、一方でレナも何が起きているのか分からなかった。見た限りでは二人とも全く同じ格好をしており、どちらが本物なのか分からない。恐らく片方は神器ファントムの力で生み出された偽物だと思われるが、それならばシズネの雪月花を防ぐ理由が分からない。
(どういうことだ!?幻だから能力が通じないのか!?)
偽物のシズネは実体はあるはずだが雪月花の能力を防いだ理由が分からず、レナは戸惑うがその間にも本物のシズネは再度攻撃を繰り出す。雪月花の能力に頼れなくとも彼女は矢継ぎ早の攻撃を繰り出す。
「刺突・閃」
「うおっ!?」
閃光の如き速度でシズネは強烈な刺突を偽物に繰り出し、的確に胸元に貫く。この際に何故か偽物のシズネではなく闇魔導士の男の方が声を上げ、それを見てレナは疑問を抱く。だが、偽物のシズネは胸元を突かれたのに微動だにしない。それに気づいたシズネは目を見開く。
「この感触……まさか!?」
「そうか!!そいつの正体はシズネの姿に変えた影人形だ!!」
「影人形!?」
ダインも扱う自分の影を人の姿に変貌させる魔法を闇魔導士の男は利用し、神器ファントムの力で影人形をシズネの姿に偽装させた。雪月花が反応しなかったのは影人形は闇属性の魔力で構成されており、聖属性以外の魔法は通じないからだった。
シズネに化けた影人形はいくら攻撃しても通じず、闇属性の魔法に対抗するには光を帯びた攻撃しかない。雪月花の氷結化の能力は無意味であり、シズネとは相性が悪い。それを察したレナはシズネの元に向かう。
「シズネ!!そいつの相手は俺がする!!」
「くっ……仕方ないわね」
「ふん、誰が来ようと無駄だ!!俺の人形には誰も勝てない!!」
闇魔導士の男は偽物のシズネを操作してレナの前に移動させると、その余裕は気になったがレナは退魔刀を取り出して振りかざす。偽物のシズネは繰り出された退魔刀の一撃を正面から受け止めた。
「兜砕き!!」
「無駄と言ってるだろうっ!!」
全力で繰り出したレナの一撃を偽物のシズネはあろうことか片手で受け止めた。これまでに力自慢の敵と何度も戦ってきたレナだが、まさか自分の全力の一撃を片手で受け止める相手は初めてだった。
「そ、そんな馬鹿なっ!?」
「片手で受け止めちゃった!?シズネちゃんってすごい馬鹿力何だね!!」
「そんなわけないでしょう!!第一にあれは偽物よ!?」
「……証拠は?」
「疑われてる!?」
「い、いったい何が起きてるんだ……!?」
レナの攻撃を防いだ偽物のシズネに周りの人間は戸惑うばかりだが、レナはいち早く攻撃を受け止めた理由を察した。ダインの影魔法と同じく影から作り出された人形は力任せに粉砕することはできない。影魔法は物理攻撃を無効化するため、どんなに力自慢であろうと影を力ずくで破壊するのは不可能だった。
見た目はシズネにそっくりだが中身は影人形であるためにレナの攻撃すらも通じず、影魔法を打ち破るためには聖属性の魔力かあるいは強烈な光を放つ攻撃を繰り出さなければならない。そこでレナは退魔刀を握りしめた状態で付与強化を発動させた。
「これならどうだ!!」
「なんだと!?」
退魔刀に魔力を送り込んでレナは刀身に光を宿す。退魔刀には七つの属性の魔術痕が刻まれており、聖属性の魔力を送り込めば刀身を輝かせることもできる。これならば影人形にも通じるかと思われたが、何故か偽物のシズネは退魔刀の光を間近で浴びながら平気だった。
※シズネが偽物の自分の胸を貫いた時
シズネ(硬い!?まるで壁のようだわ……って、誰が壁よ!!)
ノリツッコミしてました(笑)
「真の力?」
「笑わせないでくれる?その真の力を発揮する前に貴方を仕留めれば終わりよ!!」
闇魔導士の男にシズネは疾風の如く駆け抜け、彼女の得意とする刺突で仕留めようとした。だが、男は腕輪に手を伸ばすと神器の力を解放した。
「見せてやる!!これがファントムの力だ!!」
「きゃっ!?」
シズネが攻撃を仕掛ける前に男の腕輪が発光し、間近で閃光を浴びたシズネは目が眩む。レナ達も一瞬だけ視界が封じられるが、視力が戻ると驚くべき光景が広がっていた。
「なっ!?シズネが……二人!?」
「これはいったい……!?」
「え~!?」
「おおっ……シズネが分裂した」
「分裂するわけないでしょう!?」
闇魔導士の男を庇うように立っていたのはシズネと瓜二つの姿形をした女性だった。シズネと全く同じ容姿で来ている服装まで同じであり、しかもこの世界には一つしかないはずの雪月花も手にしていた。何が起きたのか分からないがシズネは目の前に現れた偽物に怒りを抱き、彼女は雪月花を繰り出す。
「凍り付きなさい!!」
「ふっ……無駄だっ!!」
「何ですって!?」
本物のシズネは雪月花を繰り出して攻撃を仕掛けたが、何故か能力が発動せずに偽物のシズネに刃を受け止められた。雪月花は触れた存在を氷結化させる能力を持つのだが、偽物のシズネが持つ雪月花に防がれてしまう。
自分の能力が通じない偽物にシズネは戸惑い、一方でレナも何が起きているのか分からなかった。見た限りでは二人とも全く同じ格好をしており、どちらが本物なのか分からない。恐らく片方は神器ファントムの力で生み出された偽物だと思われるが、それならばシズネの雪月花を防ぐ理由が分からない。
(どういうことだ!?幻だから能力が通じないのか!?)
偽物のシズネは実体はあるはずだが雪月花の能力を防いだ理由が分からず、レナは戸惑うがその間にも本物のシズネは再度攻撃を繰り出す。雪月花の能力に頼れなくとも彼女は矢継ぎ早の攻撃を繰り出す。
「刺突・閃」
「うおっ!?」
閃光の如き速度でシズネは強烈な刺突を偽物に繰り出し、的確に胸元に貫く。この際に何故か偽物のシズネではなく闇魔導士の男の方が声を上げ、それを見てレナは疑問を抱く。だが、偽物のシズネは胸元を突かれたのに微動だにしない。それに気づいたシズネは目を見開く。
「この感触……まさか!?」
「そうか!!そいつの正体はシズネの姿に変えた影人形だ!!」
「影人形!?」
ダインも扱う自分の影を人の姿に変貌させる魔法を闇魔導士の男は利用し、神器ファントムの力で影人形をシズネの姿に偽装させた。雪月花が反応しなかったのは影人形は闇属性の魔力で構成されており、聖属性以外の魔法は通じないからだった。
シズネに化けた影人形はいくら攻撃しても通じず、闇属性の魔法に対抗するには光を帯びた攻撃しかない。雪月花の氷結化の能力は無意味であり、シズネとは相性が悪い。それを察したレナはシズネの元に向かう。
「シズネ!!そいつの相手は俺がする!!」
「くっ……仕方ないわね」
「ふん、誰が来ようと無駄だ!!俺の人形には誰も勝てない!!」
闇魔導士の男は偽物のシズネを操作してレナの前に移動させると、その余裕は気になったがレナは退魔刀を取り出して振りかざす。偽物のシズネは繰り出された退魔刀の一撃を正面から受け止めた。
「兜砕き!!」
「無駄と言ってるだろうっ!!」
全力で繰り出したレナの一撃を偽物のシズネはあろうことか片手で受け止めた。これまでに力自慢の敵と何度も戦ってきたレナだが、まさか自分の全力の一撃を片手で受け止める相手は初めてだった。
「そ、そんな馬鹿なっ!?」
「片手で受け止めちゃった!?シズネちゃんってすごい馬鹿力何だね!!」
「そんなわけないでしょう!!第一にあれは偽物よ!?」
「……証拠は?」
「疑われてる!?」
「い、いったい何が起きてるんだ……!?」
レナの攻撃を防いだ偽物のシズネに周りの人間は戸惑うばかりだが、レナはいち早く攻撃を受け止めた理由を察した。ダインの影魔法と同じく影から作り出された人形は力任せに粉砕することはできない。影魔法は物理攻撃を無効化するため、どんなに力自慢であろうと影を力ずくで破壊するのは不可能だった。
見た目はシズネにそっくりだが中身は影人形であるためにレナの攻撃すらも通じず、影魔法を打ち破るためには聖属性の魔力かあるいは強烈な光を放つ攻撃を繰り出さなければならない。そこでレナは退魔刀を握りしめた状態で付与強化を発動させた。
「これならどうだ!!」
「なんだと!?」
退魔刀に魔力を送り込んでレナは刀身に光を宿す。退魔刀には七つの属性の魔術痕が刻まれており、聖属性の魔力を送り込めば刀身を輝かせることもできる。これならば影人形にも通じるかと思われたが、何故か偽物のシズネは退魔刀の光を間近で浴びながら平気だった。
※シズネが偽物の自分の胸を貫いた時
シズネ(硬い!?まるで壁のようだわ……って、誰が壁よ!!)
ノリツッコミしてました(笑)
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タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
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イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
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