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エルフ王国 決戦編
閑話 〈もしもルノが砲撃魔法を覚えたら……〉
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――ある晴れた日、魔獣達をルノがのどかに過ごしていると意外な客人が訪れた。
「ルノ様!!ルノ様は居ますか!?」
「え、ドリアさん?どうしたんですか?」
「ぷるるんっ?」
「ウォンッ?」
庭の方にてスラミンとルウと過ごしていたルノの前に慌てた様子のドリアが現れ、彼は古ぼけた書物を片手にルノの元へ駆けつけ、息を荒げながら彼に頭を下げる。
「つ、遂に見つけました……初級魔術師のルノ様でも砲撃魔法を扱える方法を!!」
「えっ!?本当ですか!?」
初級魔術師であるルノは初級魔法以外の魔法は覚えられないという制限が存在するのだが、ドリアは持ってきた書物をルノに差しだす。
「実は城の倉庫の点検を行っていたところ、こちらの魔術書を発見したのです。これを使えばもしかしたらルノ様が砲撃魔法を扱えるかもしれません!!」
「魔術書?」
「ルノ様は魔術書をご存じありませんか?この魔術書を所持して表紙に記されている魔法名を答えると所持者の魔力を書物が吸収して本来ならば扱えるはずがない魔法でも使用する事が出来ます。ですが、貴重な魔道具で今の時代でも現存している魔術書は限られているのですが、今まで隠されていた魔術書が帝国の倉庫で発見されたんです」
「そんな凄い代物が!?」
ルノは今まで自分が初級魔術師なので普通の魔術師のように砲撃魔法が扱える日が訪れるはずがないと思い込んでいたが、ドリアの話を聞いて嬉しそうに書物を受け取る。実は普通の魔術師が扱う砲撃魔法に関してはルノも少し憧れを抱き、漫画やアニメのキャラクターのように「光線」を生み出す魔法を扱ってみたいという気持ちは少なからずあった。
魔術書を受け取ったレナは表紙の文字を確認すると砲撃魔法の中でも簡単で帝国に所属する魔術師ならば最初に覚える「フレイムランス」という文字が記されていた。
「こちらは火属性の砲撃魔法の中でも基本中の基本の魔法です。魔術師ならば誰でも扱える魔法ですよ」
「そういえば何度か見たような……これを持った状態で魔法名を告げればいいんですか?」
「ええ、ですけどルノ様の場合だと魔法威力が途轍もなく高いと思うので使用する時は気を付けた方がいいかもしれません」
「確かにここでやると屋敷が燃えそうだな……」
「ぷるぷるっ……」
「クゥ~ンッ……」
ルノの発現にルウとスラミンが身体を寄せ合わせて怯えた表情を浮かべ、屋敷の中で試すのは危険と判断したルノは誰にも迷惑を掛けない別の場所で試す事にした――
――飛翔術を利用して帝都から十分に離れると、ルノはかつて白原に要塞を作る際に石材を回収した鉱山へと辿り着く。こちらには現在は誰も使っていない採掘場が存在し、この場所ならば迷惑を掛けないと判断してルノは魔術書を握り締めて掌を伸ばす。
「よ~し……遂に俺もドリアさん達みたいに格好いい魔法が使えるのか。成功したら皆に自慢しよう……フレイムランス!!」
勢い込んでルノは魔法名を告げると、魔術書に埋め込まれていた赤色の宝石が光り輝き、ルノの掌に魔法陣が出現した。この魔法陣は砲撃魔法を発動させるとき誕生する魔法陣だと知ったルノは魔法が成功したと確信したが、どういう事なのか魔法陣は拡大を始め、やがて5メートルほどの大きさへと変化すると巨大な熱線が採掘場に向けて放たれた。
「えっ――!?」
次の瞬間、採掘場が崩壊するほどの大爆発が生じ、火山が噴火したかのように鉱山から煙が舞い上がる――
――後日、ルノは帝都の領地内の鉱山を吹き飛ばした事を理由に大勢の人間から説教され、今後は二度と魔術書を使用しない事を誓わされた。
※主人公が砲撃魔法を使うとこんな感じになります……恐ろしい子や( ゚Д゚)
「ルノ様!!ルノ様は居ますか!?」
「え、ドリアさん?どうしたんですか?」
「ぷるるんっ?」
「ウォンッ?」
庭の方にてスラミンとルウと過ごしていたルノの前に慌てた様子のドリアが現れ、彼は古ぼけた書物を片手にルノの元へ駆けつけ、息を荒げながら彼に頭を下げる。
「つ、遂に見つけました……初級魔術師のルノ様でも砲撃魔法を扱える方法を!!」
「えっ!?本当ですか!?」
初級魔術師であるルノは初級魔法以外の魔法は覚えられないという制限が存在するのだが、ドリアは持ってきた書物をルノに差しだす。
「実は城の倉庫の点検を行っていたところ、こちらの魔術書を発見したのです。これを使えばもしかしたらルノ様が砲撃魔法を扱えるかもしれません!!」
「魔術書?」
「ルノ様は魔術書をご存じありませんか?この魔術書を所持して表紙に記されている魔法名を答えると所持者の魔力を書物が吸収して本来ならば扱えるはずがない魔法でも使用する事が出来ます。ですが、貴重な魔道具で今の時代でも現存している魔術書は限られているのですが、今まで隠されていた魔術書が帝国の倉庫で発見されたんです」
「そんな凄い代物が!?」
ルノは今まで自分が初級魔術師なので普通の魔術師のように砲撃魔法が扱える日が訪れるはずがないと思い込んでいたが、ドリアの話を聞いて嬉しそうに書物を受け取る。実は普通の魔術師が扱う砲撃魔法に関してはルノも少し憧れを抱き、漫画やアニメのキャラクターのように「光線」を生み出す魔法を扱ってみたいという気持ちは少なからずあった。
魔術書を受け取ったレナは表紙の文字を確認すると砲撃魔法の中でも簡単で帝国に所属する魔術師ならば最初に覚える「フレイムランス」という文字が記されていた。
「こちらは火属性の砲撃魔法の中でも基本中の基本の魔法です。魔術師ならば誰でも扱える魔法ですよ」
「そういえば何度か見たような……これを持った状態で魔法名を告げればいいんですか?」
「ええ、ですけどルノ様の場合だと魔法威力が途轍もなく高いと思うので使用する時は気を付けた方がいいかもしれません」
「確かにここでやると屋敷が燃えそうだな……」
「ぷるぷるっ……」
「クゥ~ンッ……」
ルノの発現にルウとスラミンが身体を寄せ合わせて怯えた表情を浮かべ、屋敷の中で試すのは危険と判断したルノは誰にも迷惑を掛けない別の場所で試す事にした――
――飛翔術を利用して帝都から十分に離れると、ルノはかつて白原に要塞を作る際に石材を回収した鉱山へと辿り着く。こちらには現在は誰も使っていない採掘場が存在し、この場所ならば迷惑を掛けないと判断してルノは魔術書を握り締めて掌を伸ばす。
「よ~し……遂に俺もドリアさん達みたいに格好いい魔法が使えるのか。成功したら皆に自慢しよう……フレイムランス!!」
勢い込んでルノは魔法名を告げると、魔術書に埋め込まれていた赤色の宝石が光り輝き、ルノの掌に魔法陣が出現した。この魔法陣は砲撃魔法を発動させるとき誕生する魔法陣だと知ったルノは魔法が成功したと確信したが、どういう事なのか魔法陣は拡大を始め、やがて5メートルほどの大きさへと変化すると巨大な熱線が採掘場に向けて放たれた。
「えっ――!?」
次の瞬間、採掘場が崩壊するほどの大爆発が生じ、火山が噴火したかのように鉱山から煙が舞い上がる――
――後日、ルノは帝都の領地内の鉱山を吹き飛ばした事を理由に大勢の人間から説教され、今後は二度と魔術書を使用しない事を誓わされた。
※主人公が砲撃魔法を使うとこんな感じになります……恐ろしい子や( ゚Д゚)
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