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ゴブリンキング編
レナの要求
「すぐに用意させますからここでお待ちください。テン、貴方はもう訓練場に戻りなさい。ヨウカ様もこれからお勉強の時間です。ポチ子は私と一緒に行きましょう」
「はいよ」
「は~い」
「わんっ!!」
ミキの言葉に三人がそれぞれ返事を行い、執務室から立ち去る。丁度入れ違いの形で部屋を退出しようとした三人が扉を開くとゴンゾウが姿を現す。
「すまない……道に迷っていた」
「うおっ!?なんだいあんたか……びっくりさせるんじゃないよ。よくここが分かったね」
「うわ~……改めて見ると大きいね」
「あ、さっきの巨人族さんです!!」
「ん?お前はさっきトイレの道を教えてくれた……」
ポチ子がゴンゾウの顔を見て驚いた声を上げ、この教会にはトイレは複数存在するが、巨人族専用のトイレは1階にしか存在せず、通路で迷っていたゴンゾウに偶然にも執務室に向かっていた遭ポチ子が遭遇し、彼をわざわざトイレが存在する場所に案内していたので2人は既にお互いの事を知っていた。
「さっきは助かった。礼を言う」
「いえいえ……困った時はお互いさまです!!」
「2人は知り合いだったの?」
「いや、さっき会ったばかりだ」
「どうでもいいけど、そこから退いてくれない?あんたがいると通れないんだけど……」
「すまない」
ゴンゾウが扉から離れ、ミキ達は執務室を離れる。彼は自分の居ない間に何が起きたのかレナ達に尋ね、これまでに起きた出来事を聞くと驚いた表情を浮かべる。
「まさか……本当にさっきの女の子が巫女姫様だったのか?」
「信じていなかったんですか?」
「いや……俺は実は子供の頃に巫女姫様と会った事があるんだが、あの女の子ではなかったから驚いている」
「それは先代の巫女姫様でしょうね。そういえば私達は知らないんですけど、どんな人でしたか?」
「優しい人だった。金を持っていなかった俺の親父の願い事を聞いてくれて、魔物に襲われて怪我を負った俺を治療してくれた」
「へえ……立派な人だったんだね」
「お待たせしました」
レナ達が先代の巫女姫の話をゴンゾウから聞いていると、執務室に小袋を抱えたミキが現れ、彼女は机に小袋と先ほどアイリィが交わした契約書も差し出す。すぐにアイリィは小袋を受け取り、差し出された契約書に視線を向け、首を傾げる。
「……この重さ、どう考えても金貨50枚ではないですよね。それにどうしてこの契約書も渡すんですか?」
「先ほどの契約内容では前金として金貨50枚を用意する約束でしたが、それだけでは私達の気が済みません。レナ様達のお蔭で巫女姫様も立ち直れました。ですから前金ではなく、全額支払いたいのです」
「なるほど……だから契約書もお返しするという訳ですか」
「実は今後もレナ様の御力をお借りする機会があるかも知れません。そこでどうかこれからも協力して貰えませんか?もちろん、報酬は支払います」
「といってますけど、どうしますか?」
「まあ、別に俺はいいけど……あ、それなら金銭以外にお願いしたい事があるんですけど……」
「なんでしょうか?私達のできる事ならば何でも行いますが……」
ミキの言葉にレナは金銭の報酬ではなく、別の形での報酬を求められないのか問い質すと、ミキとしては今後も彼の協力は必要の為、彼の要求は断れない。レナは色々と考えた結果、今後もしもヴァンパイアやサキュバス等のような相手と遭遇した時に対抗できる力を身に着ける為、教会の協力を求める。
「実は俺のレベルは18なんですけど、ちょっと理由があってもう少しレベルを上げて置きたいんです」
「18……ですか?意外ですね、もう少し高いかと思っていましたが……」
「レナさんは少し特別なんですよ。こう見えてもサキュバスやヴァンパイアを討伐した事も有りますよ」
「それは……凄いですね」
アイリィの発言にミキは苦笑を行い、彼女はどうやら冗談だと受け取ったようであり、普通に考えれば両者は魔人族の中でも特殊な能力を所持しているのでレベルが20にも満たない人間が勝てる相手ではない。レナとしては別に彼女達に自分の実力を信じて貰わなくても構わないが、これからの事を考えると彼自身も魔物と戦う経験を積んで置きたい。
「実は俺達はこの帝都以外の街にも移動しようかと考えているんですけど、街の外には魔物が出現しますよね?だから魔物に対抗するためにレベルを上げて置きたいんです」
「そうなのですか?ですが、街の移動ならば商車に乗り込んだり、冒険者に護衛を頼めばいいのでは?」
「いや、実は私達も結構な人間に狙われているんですよ。流石に回復薬を売り過ぎたせいで色々な商人から目の敵にされていましてね。護身の為にもレベルを上げて力を身に付けて置きたいんです」
「……あまり感心する理由ではありませんが、分かりました。我々としてもレナ様の身に何か起きたら困りますから……ご協力しましょう」
「レナ、そういう話なら俺も協力する。魔物との戦闘なら俺は慣れている」
「え?いいの?」
「いいんじゃないですか?巨人族の方が一緒だと心強いですよ」
「……いざという時は私が回復する」
「それは心強いな……あ、でも同族が現れたらどうする?」
「この世は弱肉強食……その時は私は同族殺しの汚名を引き受ける」
「そんな大げさな……スライムなんて無害な魔物を誰も狩りませんよ」
「無害なの?」
「基本的に陸で飛び跳ねるか川の中で沈むだけの存在ですよ。倒しても経験値は殆ど入りませんし、それに愛玩動物として結構人気ありますよ」
「コトミン……お前は愛玩動物だったのか」
「……もっと可愛がっても良い」
一先ずは話を終えると、レナ達は黒猫亭に引き返す事にする。彼等の要求はミキの方が他のワルキューレ騎士団の団員たちと相談する必要があり、今日の所は引き返して後日に教会の使者が黒猫亭に訪れる事を約束する。その間にゴンゾウの方も教会が身元保証人を引き受け、正式に冒険者の登録を行う。
「はいよ」
「は~い」
「わんっ!!」
ミキの言葉に三人がそれぞれ返事を行い、執務室から立ち去る。丁度入れ違いの形で部屋を退出しようとした三人が扉を開くとゴンゾウが姿を現す。
「すまない……道に迷っていた」
「うおっ!?なんだいあんたか……びっくりさせるんじゃないよ。よくここが分かったね」
「うわ~……改めて見ると大きいね」
「あ、さっきの巨人族さんです!!」
「ん?お前はさっきトイレの道を教えてくれた……」
ポチ子がゴンゾウの顔を見て驚いた声を上げ、この教会にはトイレは複数存在するが、巨人族専用のトイレは1階にしか存在せず、通路で迷っていたゴンゾウに偶然にも執務室に向かっていた遭ポチ子が遭遇し、彼をわざわざトイレが存在する場所に案内していたので2人は既にお互いの事を知っていた。
「さっきは助かった。礼を言う」
「いえいえ……困った時はお互いさまです!!」
「2人は知り合いだったの?」
「いや、さっき会ったばかりだ」
「どうでもいいけど、そこから退いてくれない?あんたがいると通れないんだけど……」
「すまない」
ゴンゾウが扉から離れ、ミキ達は執務室を離れる。彼は自分の居ない間に何が起きたのかレナ達に尋ね、これまでに起きた出来事を聞くと驚いた表情を浮かべる。
「まさか……本当にさっきの女の子が巫女姫様だったのか?」
「信じていなかったんですか?」
「いや……俺は実は子供の頃に巫女姫様と会った事があるんだが、あの女の子ではなかったから驚いている」
「それは先代の巫女姫様でしょうね。そういえば私達は知らないんですけど、どんな人でしたか?」
「優しい人だった。金を持っていなかった俺の親父の願い事を聞いてくれて、魔物に襲われて怪我を負った俺を治療してくれた」
「へえ……立派な人だったんだね」
「お待たせしました」
レナ達が先代の巫女姫の話をゴンゾウから聞いていると、執務室に小袋を抱えたミキが現れ、彼女は机に小袋と先ほどアイリィが交わした契約書も差し出す。すぐにアイリィは小袋を受け取り、差し出された契約書に視線を向け、首を傾げる。
「……この重さ、どう考えても金貨50枚ではないですよね。それにどうしてこの契約書も渡すんですか?」
「先ほどの契約内容では前金として金貨50枚を用意する約束でしたが、それだけでは私達の気が済みません。レナ様達のお蔭で巫女姫様も立ち直れました。ですから前金ではなく、全額支払いたいのです」
「なるほど……だから契約書もお返しするという訳ですか」
「実は今後もレナ様の御力をお借りする機会があるかも知れません。そこでどうかこれからも協力して貰えませんか?もちろん、報酬は支払います」
「といってますけど、どうしますか?」
「まあ、別に俺はいいけど……あ、それなら金銭以外にお願いしたい事があるんですけど……」
「なんでしょうか?私達のできる事ならば何でも行いますが……」
ミキの言葉にレナは金銭の報酬ではなく、別の形での報酬を求められないのか問い質すと、ミキとしては今後も彼の協力は必要の為、彼の要求は断れない。レナは色々と考えた結果、今後もしもヴァンパイアやサキュバス等のような相手と遭遇した時に対抗できる力を身に着ける為、教会の協力を求める。
「実は俺のレベルは18なんですけど、ちょっと理由があってもう少しレベルを上げて置きたいんです」
「18……ですか?意外ですね、もう少し高いかと思っていましたが……」
「レナさんは少し特別なんですよ。こう見えてもサキュバスやヴァンパイアを討伐した事も有りますよ」
「それは……凄いですね」
アイリィの発言にミキは苦笑を行い、彼女はどうやら冗談だと受け取ったようであり、普通に考えれば両者は魔人族の中でも特殊な能力を所持しているのでレベルが20にも満たない人間が勝てる相手ではない。レナとしては別に彼女達に自分の実力を信じて貰わなくても構わないが、これからの事を考えると彼自身も魔物と戦う経験を積んで置きたい。
「実は俺達はこの帝都以外の街にも移動しようかと考えているんですけど、街の外には魔物が出現しますよね?だから魔物に対抗するためにレベルを上げて置きたいんです」
「そうなのですか?ですが、街の移動ならば商車に乗り込んだり、冒険者に護衛を頼めばいいのでは?」
「いや、実は私達も結構な人間に狙われているんですよ。流石に回復薬を売り過ぎたせいで色々な商人から目の敵にされていましてね。護身の為にもレベルを上げて力を身に付けて置きたいんです」
「……あまり感心する理由ではありませんが、分かりました。我々としてもレナ様の身に何か起きたら困りますから……ご協力しましょう」
「レナ、そういう話なら俺も協力する。魔物との戦闘なら俺は慣れている」
「え?いいの?」
「いいんじゃないですか?巨人族の方が一緒だと心強いですよ」
「……いざという時は私が回復する」
「それは心強いな……あ、でも同族が現れたらどうする?」
「この世は弱肉強食……その時は私は同族殺しの汚名を引き受ける」
「そんな大げさな……スライムなんて無害な魔物を誰も狩りませんよ」
「無害なの?」
「基本的に陸で飛び跳ねるか川の中で沈むだけの存在ですよ。倒しても経験値は殆ど入りませんし、それに愛玩動物として結構人気ありますよ」
「コトミン……お前は愛玩動物だったのか」
「……もっと可愛がっても良い」
一先ずは話を終えると、レナ達は黒猫亭に引き返す事にする。彼等の要求はミキの方が他のワルキューレ騎士団の団員たちと相談する必要があり、今日の所は引き返して後日に教会の使者が黒猫亭に訪れる事を約束する。その間にゴンゾウの方も教会が身元保証人を引き受け、正式に冒険者の登録を行う。
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