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ゴブリンキング編
ゴブリンキングの暴走
『チカヅクナァッ!!』
「無駄ぁっ!!」
ゴブリンキングが右腕を振り払い、カトレアを弾き飛ばそうとするが彼女は「回避」のスキルを使用したレナのように体勢を屈めて腕を避け、魅了の能力によって意識が半ば失われたミラに向けて命令を降す。
「頭を刺して死んじゃえっ!!」
「っ……!!」
『オカアサッ……!?』
カトレアの魅了の虜になったミラは彼女の言葉に従おうと自分の握りしめている戦斧の絵を握りしめ、頭上に抱えた状態から両手を手放し、重力によって戦斧の刃がミラの頭にめり込もうとした瞬間、ゴブリンキングが咄嗟に戦斧の絵を左腕で掴む。
『ヤメロォッ!!』
「あうっ!?」
彼は自分の「母親」を守る為に今度こそカトレアに右足を突き出し、彼女を蹴り飛ばす。ゴブリンキングの怪力によってカトレアの肉体は吹き飛び、その隙にゴブリンキングはミラの意識を呼び覚まそうと話しかける。
『オカアサンッ!!モウダイジョ……』
「あぁああああああっ!?」
『グアッ!?』
「えっ!?」
カトレアから離れた事で魅了が解けると思い込んでいたゴブリンキングの頬にミラの拳が的中し、彼女は気が狂ったように戦斧をゴブリンキングから取り替えそうと手を伸ばし、半狂乱になりながらも肩から降りて戦斧の柄を掴み、無理やりに引き剥がそうとする。その光景にレナは驚愕するが、すぐに隣のアイリィが叫ぶ。
「……魅了された人間は一度命令されると、魅了を仕掛けた人物が離れても能力は解除されません。つまりあの人は自分の頭を刺さない限り、正気に戻る事は……」
「そんな……止められないの?」
「魅了を施した人物が能力を解除すればあるいは……ですけど、もう手遅れのようですね」
『ヤメロッ……ヤメテクレオカアサンッ!!』
「邪魔をするなぁああああっ!!」
必死に戦斧の刃の部分を両手で握りしめるゴブリンキングに対し、ドワーフ族のミラは自殺するために柄の部分を握りしめ、巨人族にも負けない膂力で引き抜こうとする。ゴブリンキングの指に刃が食い込み、血が滴り落ちるが彼は決して離そうとしない。
『ヤメテクレェッ……オマエタチィッ!!』
「ギィイイッ……!?」
ゴブリンキングは他のゴブリンナイトに命令を下してミラを停めようとするが、彼等は何が起きているのか理解出来ず、ミラは戦斧を手放してゴブリンナイトが所有していた帝国軍の槍に視線を向け、彼女は傍に居たゴブリンナイトに飛びかかり、槍を奪い取る。
『ヤメロォオオオオオオオオオッ!!』
「が、ふぅっ!?」
「あっ!?」
槍を頭部に突き出そうとしたミラにゴブリンキングは両手を伸ばし、彼女を止めようとしたが彼は自分の腕力が人間の比ではない怪力である事を忘れており、伸ばした腕がミラの頭部に叩きつけられ、彼女は首を異様な方向に曲げて地面に倒れこむ。その光景に全員が息を飲み、ゴブリンキングは自分のした行動に目を見開き、動かなくなった「母親」に手を伸ばす。
『オ、オガアサッ……!?』
人間のように動揺した表情を浮かべながらゴブリンキングはミラの身体を起き上げようとするが、触れて確かめる必要もなく、彼女は苦悶の表情を浮かべて絶命していた。あまりにも呆気ない彼女の最後に誰もが言葉を失い、一瞬の油断が彼女を死へと招いたとしか表現できない。
『ウ、ウゥウウウッ……!!』
「ギィイッ……?」
ゴブリンキングがその場で跪き、母親の遺体に涙を流し、大粒の涙を流しながら呻き声を上げる。その光景にゴブリンナイトが戸惑いの表情を浮かべながら近づき、一方でレナ達も目の前の光景に戦意が失われる。
「……可哀想」
「そう、だな……」
「ですけど……これで終わったんですかね?」
「分からん……だが、もうあいつは……」
母親を失った事でゴブリンキングは完全に戦意を失い、そんな彼の元にゴブリンナイトが心配そうに近づいてくるが、周囲から大量の足音が響き渡る。
「――見つけたぞ!!奴だ!!」
北門の破壊された防壁の上から男の声が響き渡り、全員が視線を向けると他の門の警備を行っていた兵士達が遂に駆け付けたらしく、防壁の上から弓矢を構える。更に街道からも大量の兵士が駆けつけ、北門に存在するゴブリンナイトとゴブリンキングに槍を構える。唐突に現れた兵士達にレナ達は驚くが、どうやら街中に出現したレッドゴブリンの討伐のために出向いていた兵士も戻り、ゴブリンキング達に武器を構える。
「君たちは……冒険者か?ここは我々に任せろ!!」
「おい、誰か避難させろ!!」
「あっ、いや……」
レナ達の元に兵士が駆けつけ、ゴブリンキングから守る為に彼等を安全な場所に避難させようとするが、一方で大量の兵士に囲まれたゴブリンキング達は周囲に視線を向け、武器を身構える。母親の遺体を左腕で抱き上げ、ゴブリンキングは兵士達に涙を流しながら視線を向け、悲しみの咆哮を放つ。
『……ウァアアアアアアアアッ!!』
「う、撃てぇっ!!」
「待って――!?」
ゴブリンキングの咆哮を威嚇行動と捉えた兵士が合図を行い、弓矢を構えた兵士達が次々と矢を射抜き、矢の雨を降り注がせる。
「無駄ぁっ!!」
ゴブリンキングが右腕を振り払い、カトレアを弾き飛ばそうとするが彼女は「回避」のスキルを使用したレナのように体勢を屈めて腕を避け、魅了の能力によって意識が半ば失われたミラに向けて命令を降す。
「頭を刺して死んじゃえっ!!」
「っ……!!」
『オカアサッ……!?』
カトレアの魅了の虜になったミラは彼女の言葉に従おうと自分の握りしめている戦斧の絵を握りしめ、頭上に抱えた状態から両手を手放し、重力によって戦斧の刃がミラの頭にめり込もうとした瞬間、ゴブリンキングが咄嗟に戦斧の絵を左腕で掴む。
『ヤメロォッ!!』
「あうっ!?」
彼は自分の「母親」を守る為に今度こそカトレアに右足を突き出し、彼女を蹴り飛ばす。ゴブリンキングの怪力によってカトレアの肉体は吹き飛び、その隙にゴブリンキングはミラの意識を呼び覚まそうと話しかける。
『オカアサンッ!!モウダイジョ……』
「あぁああああああっ!?」
『グアッ!?』
「えっ!?」
カトレアから離れた事で魅了が解けると思い込んでいたゴブリンキングの頬にミラの拳が的中し、彼女は気が狂ったように戦斧をゴブリンキングから取り替えそうと手を伸ばし、半狂乱になりながらも肩から降りて戦斧の柄を掴み、無理やりに引き剥がそうとする。その光景にレナは驚愕するが、すぐに隣のアイリィが叫ぶ。
「……魅了された人間は一度命令されると、魅了を仕掛けた人物が離れても能力は解除されません。つまりあの人は自分の頭を刺さない限り、正気に戻る事は……」
「そんな……止められないの?」
「魅了を施した人物が能力を解除すればあるいは……ですけど、もう手遅れのようですね」
『ヤメロッ……ヤメテクレオカアサンッ!!』
「邪魔をするなぁああああっ!!」
必死に戦斧の刃の部分を両手で握りしめるゴブリンキングに対し、ドワーフ族のミラは自殺するために柄の部分を握りしめ、巨人族にも負けない膂力で引き抜こうとする。ゴブリンキングの指に刃が食い込み、血が滴り落ちるが彼は決して離そうとしない。
『ヤメテクレェッ……オマエタチィッ!!』
「ギィイイッ……!?」
ゴブリンキングは他のゴブリンナイトに命令を下してミラを停めようとするが、彼等は何が起きているのか理解出来ず、ミラは戦斧を手放してゴブリンナイトが所有していた帝国軍の槍に視線を向け、彼女は傍に居たゴブリンナイトに飛びかかり、槍を奪い取る。
『ヤメロォオオオオオオオオオッ!!』
「が、ふぅっ!?」
「あっ!?」
槍を頭部に突き出そうとしたミラにゴブリンキングは両手を伸ばし、彼女を止めようとしたが彼は自分の腕力が人間の比ではない怪力である事を忘れており、伸ばした腕がミラの頭部に叩きつけられ、彼女は首を異様な方向に曲げて地面に倒れこむ。その光景に全員が息を飲み、ゴブリンキングは自分のした行動に目を見開き、動かなくなった「母親」に手を伸ばす。
『オ、オガアサッ……!?』
人間のように動揺した表情を浮かべながらゴブリンキングはミラの身体を起き上げようとするが、触れて確かめる必要もなく、彼女は苦悶の表情を浮かべて絶命していた。あまりにも呆気ない彼女の最後に誰もが言葉を失い、一瞬の油断が彼女を死へと招いたとしか表現できない。
『ウ、ウゥウウウッ……!!』
「ギィイッ……?」
ゴブリンキングがその場で跪き、母親の遺体に涙を流し、大粒の涙を流しながら呻き声を上げる。その光景にゴブリンナイトが戸惑いの表情を浮かべながら近づき、一方でレナ達も目の前の光景に戦意が失われる。
「……可哀想」
「そう、だな……」
「ですけど……これで終わったんですかね?」
「分からん……だが、もうあいつは……」
母親を失った事でゴブリンキングは完全に戦意を失い、そんな彼の元にゴブリンナイトが心配そうに近づいてくるが、周囲から大量の足音が響き渡る。
「――見つけたぞ!!奴だ!!」
北門の破壊された防壁の上から男の声が響き渡り、全員が視線を向けると他の門の警備を行っていた兵士達が遂に駆け付けたらしく、防壁の上から弓矢を構える。更に街道からも大量の兵士が駆けつけ、北門に存在するゴブリンナイトとゴブリンキングに槍を構える。唐突に現れた兵士達にレナ達は驚くが、どうやら街中に出現したレッドゴブリンの討伐のために出向いていた兵士も戻り、ゴブリンキング達に武器を構える。
「君たちは……冒険者か?ここは我々に任せろ!!」
「おい、誰か避難させろ!!」
「あっ、いや……」
レナ達の元に兵士が駆けつけ、ゴブリンキングから守る為に彼等を安全な場所に避難させようとするが、一方で大量の兵士に囲まれたゴブリンキング達は周囲に視線を向け、武器を身構える。母親の遺体を左腕で抱き上げ、ゴブリンキングは兵士達に涙を流しながら視線を向け、悲しみの咆哮を放つ。
『……ウァアアアアアアアアッ!!』
「う、撃てぇっ!!」
「待って――!?」
ゴブリンキングの咆哮を威嚇行動と捉えた兵士が合図を行い、弓矢を構えた兵士達が次々と矢を射抜き、矢の雨を降り注がせる。
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