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第5話氷の王子と妖精姫Ⅱ
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「ところで殿下、なんで氷の王子なの、ですか?」
メリッサは今までクロヴィスと喋っていて離れなかった疑問を口に出した。
彼はよく喋るし、表情もコロコロ変えるし微笑む。
メリッサは不思議でたまらなかった。
残念ながらメリッサは、その原因が自分であるとはこれっぽっちも思っていない。
「何故だと思う」
クロヴィスはめんどくさそうに言った。
メリッサは見当たる事がなくて首をかしげる。
「う~ん。分からないから聞いた、のです!だって、氷の王子様には見えな……ません、から」
「そうか。それは嬉しいな」
クロヴィスは自分でも本心かわからないような表情で答えた。少なくともメリッサにはそう見え、頭を悩ませる。
「あと、どうしてわたしが妖精姫って思った、のですか?」
「……その瞳は妖精の血をついでいると言われているからな」
それはメリッサには初耳の事だった。
父はもちろん、母だって一言もそんな事は言ってくれなかったし、本にも書いてあった覚えはない。
そこでメリッサは、クロヴィスの瞳を見てあることを思いついた。
「この目が?じゃあ、殿下の深い碧色の瞳は氷の王子なんですか?」
「いや、違う」
「じゃあ何で氷の王子なんですか?」
「それは何でだろうな。ところで妖精姫……この呼び方はまずいな。リサ?」
メリッサは再びバッと顔をクロヴィスの方に向けた。
メリッサは目をまんまるに見開いた。
「何で知っているんですか?」
「何でだろうな」
メリッサは困って顔を歪める。
クロヴィスが教えてくれないのは意地悪――?
それともメリッサのことをからかっているの――?
メリッサの頭の中には次々と疑問が浮かんできた。きっと母だったらこれに答えることが出来ただろうな、とメリッサは思った。
「……本当に氷……なる……?」
「―――!……覚えていた、のか……?」
おそるおそる呟いたメリッサの独り言に、クロヴィスは息を飲んだ。
メリッサはびっくりした。彼がこんなに驚くとは思っていなかったからだ。
それに、メリッサは覚えていたということに対して思い当たることがない。
いったい何なんだろう。そう聞きたいけど、クロヴィスはメリッサをじっと見つめていてとても聞き出せるような雰囲気ではない。
メリッサは怖くなって、慌てて口を開く。
「えっと、クロヴィスさま?あのね、リサ、魔道具のこともっと聞きたい!殿下が好き、なのでしょう!」
「何を聞きたい?」
「えっと……天使の歌声?ねえ、あれどうなっているの?魔石が光なのは知ってる……ですけど。あのね、王子様が作ったのでしょう?」
「何故知っているんだ?」
クロヴィスはびっくりしたようにメリッサの顔を見る。
天使の歌声とは、映像石もといい、光魔石が映像を映すのならば、光の魔石と風魔石の変化で音を記録するものである。しかしそれ以上にそれは音楽を聞くと自然と眠りにつき、記憶を思い出せるものであった。
眠りが浅い人はもちろん、まったりしたい人に人気の魔道具のことである。
メリッサはそれを気に入っていた。
母がよく使っていて、笑っていたからすごいな~と思う。それを使っている時の母は幸せそうだった。
「だって、ママがよく使っているの。あのね、複数の魔石が使われている、のです?光魔石と風だったよ!でもね、魔術式が簡単だったの!かんか……かんけつ?」
「そうだ。よく知っているというレベルでは無いように思えるが。ところでリサ。いや、ここは妖精姫。どうして魔術式までたどり着けた?」
クラヴィスは心底信じられないというように首を振る。
「だって、リサ。どうなっているのか分かるもん」
メリッサは別に何とも無いことなので、首をかしげながらいい切った。
(どうして、いちいち驚かれるのかなぁ?)
その時、クロヴィスの顔に浮かんでいたのは驚愕か納得か。
どちらにせよ、メリッサにはなぜそんな顔をされるのかが理解できない。
「ね、殿下。殿下だって分かる、ですよね?」
「君ほどはわからない」
感嘆の溜息をつきながらクロヴィスはいい切った。メリッサの翡翠色の瞳――角度によって光が当たるとエメラルドやペリドットのような澄んでいる瞳を見つめた。
メリッサはクロヴィスのタンザナイトのような瞳を見つめ返した。
綺麗で、澄んでいて。どこまでも偽りのないような瞳は、たしかに氷を感じさせなくもなかった。
でも、メリッサはその瞳をただ、ただ綺麗だと思った。
「だって、殿下そう見えるもん。あのね、キラキラしているの!」
メリッサはその瞳の光を見るのが面白くて、ついつい上ずったような声になる。
「それも君ほどではない。が、君は面白いな。リサ」
「ふふっ、殿下も面白い!ですよ?リサ、ここに来てもいい?そうしたら会えるの?」
メリッサはどうしてもクロヴィスに会いたかった。
彼は喋っていて面白いし、なんせ飽きないし、話が通じるし。
メリッサのそれを聞いて微笑んだ彼だったが、瞬時に眉間にシワを寄せる。
しばしためらったあと、彼は苦々しく口を開いた。
「……公爵夫人がどう言うかだな。俺としては会いた……何でもない」
バツが悪そうに目をそらすクロヴィス。
メリッサは母のことを思い出して悲しくて目に涙が浮かんだ。
「……ママ、ダメって言うのかな……リサ、殿下に会いたい……」
子供が大粒の涙を浮かべて泣き出す姿を見て慌てるクロヴィスを、メリッサはなおも涙を浮かべてクロヴィスを見る。
「俺も君に会いたいよ」
その一言を聞いて、メリッサは嬉しくなった。
母がメリッサに言うのと同じくらい。
メリッサは満面の笑顔を浮かべた。
「殿下~!どちらにいらっしゃるのですか?」
「リサ、どこに行ったのだ!?」
その二人を呼ぶ大声が聞こえると、自然にそちらの方に気が向く。
やがて二人は、二人を呼ぶ両者に連れて行かれた。
妖精の泉。それはメリッサにとってヒミツの場所となった。
(メリッサ。殿下とヒミツが出来たの!)
しばらくメリッサは嬉しくて家でもダンスを踊りだしかねない嬉しさだった。
そんなメリッサのことを、母は嬉しさと悲しさの混じった様子で見守っていた。
ところが数日後。
『天使を見たんだ』
という第二王子の発言により、メリッサはクローディアの婚約者に祭り上げられた。
祭り上げられたと言っても、決してメリッサの家が不釣り合いだった訳ではない。
でも、メリッサの母は最後まで反対した。その事で父と喧嘩をしたくらい。
メリッサは母がどうしてそこまで反対するのか不思議でたまらなかった。
今ならだいたい分かるような気がする。でも、それ以上に知らないことが多すぎた。
その時、母が必死でとても聞けるような状況でも無かったこともある。
(どうして、リサはダメなんだろう)
メリッサはただ一人で考え続けた。
そして数日後。
メリッサの母は目の前でいなくなった。
(どうして、どうして……。ママ……)
メリッサは止めなく流れる涙を母の顔に流し続けた。
そんなメリッサの頭を撫でながら母は言った。後悔と誇らしげな表情を混ぜて。
「ごめんなさい。リサ、メリッサ。貴女は、わたしにとって天使で、みんなにとっても天使で姫なの。ね、わたしの大切なメリッサ……」
メリッサはその後、その言葉を片時も忘れられた事は無かった。
* * *
(結局、わたしのほうが氷の機械人形になってしまったわね)
メリッサは自嘲した。
それでも、目の前の氷の王子と呼ばれた人に微笑む。
その時のメリッサは穏やかな顔をしていた。
メリッサは今までクロヴィスと喋っていて離れなかった疑問を口に出した。
彼はよく喋るし、表情もコロコロ変えるし微笑む。
メリッサは不思議でたまらなかった。
残念ながらメリッサは、その原因が自分であるとはこれっぽっちも思っていない。
「何故だと思う」
クロヴィスはめんどくさそうに言った。
メリッサは見当たる事がなくて首をかしげる。
「う~ん。分からないから聞いた、のです!だって、氷の王子様には見えな……ません、から」
「そうか。それは嬉しいな」
クロヴィスは自分でも本心かわからないような表情で答えた。少なくともメリッサにはそう見え、頭を悩ませる。
「あと、どうしてわたしが妖精姫って思った、のですか?」
「……その瞳は妖精の血をついでいると言われているからな」
それはメリッサには初耳の事だった。
父はもちろん、母だって一言もそんな事は言ってくれなかったし、本にも書いてあった覚えはない。
そこでメリッサは、クロヴィスの瞳を見てあることを思いついた。
「この目が?じゃあ、殿下の深い碧色の瞳は氷の王子なんですか?」
「いや、違う」
「じゃあ何で氷の王子なんですか?」
「それは何でだろうな。ところで妖精姫……この呼び方はまずいな。リサ?」
メリッサは再びバッと顔をクロヴィスの方に向けた。
メリッサは目をまんまるに見開いた。
「何で知っているんですか?」
「何でだろうな」
メリッサは困って顔を歪める。
クロヴィスが教えてくれないのは意地悪――?
それともメリッサのことをからかっているの――?
メリッサの頭の中には次々と疑問が浮かんできた。きっと母だったらこれに答えることが出来ただろうな、とメリッサは思った。
「……本当に氷……なる……?」
「―――!……覚えていた、のか……?」
おそるおそる呟いたメリッサの独り言に、クロヴィスは息を飲んだ。
メリッサはびっくりした。彼がこんなに驚くとは思っていなかったからだ。
それに、メリッサは覚えていたということに対して思い当たることがない。
いったい何なんだろう。そう聞きたいけど、クロヴィスはメリッサをじっと見つめていてとても聞き出せるような雰囲気ではない。
メリッサは怖くなって、慌てて口を開く。
「えっと、クロヴィスさま?あのね、リサ、魔道具のこともっと聞きたい!殿下が好き、なのでしょう!」
「何を聞きたい?」
「えっと……天使の歌声?ねえ、あれどうなっているの?魔石が光なのは知ってる……ですけど。あのね、王子様が作ったのでしょう?」
「何故知っているんだ?」
クロヴィスはびっくりしたようにメリッサの顔を見る。
天使の歌声とは、映像石もといい、光魔石が映像を映すのならば、光の魔石と風魔石の変化で音を記録するものである。しかしそれ以上にそれは音楽を聞くと自然と眠りにつき、記憶を思い出せるものであった。
眠りが浅い人はもちろん、まったりしたい人に人気の魔道具のことである。
メリッサはそれを気に入っていた。
母がよく使っていて、笑っていたからすごいな~と思う。それを使っている時の母は幸せそうだった。
「だって、ママがよく使っているの。あのね、複数の魔石が使われている、のです?光魔石と風だったよ!でもね、魔術式が簡単だったの!かんか……かんけつ?」
「そうだ。よく知っているというレベルでは無いように思えるが。ところでリサ。いや、ここは妖精姫。どうして魔術式までたどり着けた?」
クラヴィスは心底信じられないというように首を振る。
「だって、リサ。どうなっているのか分かるもん」
メリッサは別に何とも無いことなので、首をかしげながらいい切った。
(どうして、いちいち驚かれるのかなぁ?)
その時、クロヴィスの顔に浮かんでいたのは驚愕か納得か。
どちらにせよ、メリッサにはなぜそんな顔をされるのかが理解できない。
「ね、殿下。殿下だって分かる、ですよね?」
「君ほどはわからない」
感嘆の溜息をつきながらクロヴィスはいい切った。メリッサの翡翠色の瞳――角度によって光が当たるとエメラルドやペリドットのような澄んでいる瞳を見つめた。
メリッサはクロヴィスのタンザナイトのような瞳を見つめ返した。
綺麗で、澄んでいて。どこまでも偽りのないような瞳は、たしかに氷を感じさせなくもなかった。
でも、メリッサはその瞳をただ、ただ綺麗だと思った。
「だって、殿下そう見えるもん。あのね、キラキラしているの!」
メリッサはその瞳の光を見るのが面白くて、ついつい上ずったような声になる。
「それも君ほどではない。が、君は面白いな。リサ」
「ふふっ、殿下も面白い!ですよ?リサ、ここに来てもいい?そうしたら会えるの?」
メリッサはどうしてもクロヴィスに会いたかった。
彼は喋っていて面白いし、なんせ飽きないし、話が通じるし。
メリッサのそれを聞いて微笑んだ彼だったが、瞬時に眉間にシワを寄せる。
しばしためらったあと、彼は苦々しく口を開いた。
「……公爵夫人がどう言うかだな。俺としては会いた……何でもない」
バツが悪そうに目をそらすクロヴィス。
メリッサは母のことを思い出して悲しくて目に涙が浮かんだ。
「……ママ、ダメって言うのかな……リサ、殿下に会いたい……」
子供が大粒の涙を浮かべて泣き出す姿を見て慌てるクロヴィスを、メリッサはなおも涙を浮かべてクロヴィスを見る。
「俺も君に会いたいよ」
その一言を聞いて、メリッサは嬉しくなった。
母がメリッサに言うのと同じくらい。
メリッサは満面の笑顔を浮かべた。
「殿下~!どちらにいらっしゃるのですか?」
「リサ、どこに行ったのだ!?」
その二人を呼ぶ大声が聞こえると、自然にそちらの方に気が向く。
やがて二人は、二人を呼ぶ両者に連れて行かれた。
妖精の泉。それはメリッサにとってヒミツの場所となった。
(メリッサ。殿下とヒミツが出来たの!)
しばらくメリッサは嬉しくて家でもダンスを踊りだしかねない嬉しさだった。
そんなメリッサのことを、母は嬉しさと悲しさの混じった様子で見守っていた。
ところが数日後。
『天使を見たんだ』
という第二王子の発言により、メリッサはクローディアの婚約者に祭り上げられた。
祭り上げられたと言っても、決してメリッサの家が不釣り合いだった訳ではない。
でも、メリッサの母は最後まで反対した。その事で父と喧嘩をしたくらい。
メリッサは母がどうしてそこまで反対するのか不思議でたまらなかった。
今ならだいたい分かるような気がする。でも、それ以上に知らないことが多すぎた。
その時、母が必死でとても聞けるような状況でも無かったこともある。
(どうして、リサはダメなんだろう)
メリッサはただ一人で考え続けた。
そして数日後。
メリッサの母は目の前でいなくなった。
(どうして、どうして……。ママ……)
メリッサは止めなく流れる涙を母の顔に流し続けた。
そんなメリッサの頭を撫でながら母は言った。後悔と誇らしげな表情を混ぜて。
「ごめんなさい。リサ、メリッサ。貴女は、わたしにとって天使で、みんなにとっても天使で姫なの。ね、わたしの大切なメリッサ……」
メリッサはその後、その言葉を片時も忘れられた事は無かった。
* * *
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