元剣聖のスケルトンが追放された最弱美少女テイマーのテイムモンスターになって成り上がる

ゆる弥

文字の大きさ
25 / 69

25.今度こそ服屋で買い物

しおりを挟む
「では、今度こそ服屋に行きますわよ!?」

「そうだね! たのしみー! でもさ、リンスちゃん、試着はやめた方が良いかもね」

「そ、そうですわね。仕方がありませんわ」

 前回のことがあるからな。
 少しは注意してくれよ?

「我々もついていきますからな?」

「わかってますわ!」

 ダンテさんも馬車を引っ張りながらついていく。しっかりと見張るつもりなんだろう。俺も今回は目を離さない。

 どの街にも貴族用の店があるんだろうか?
 この街にも少しお高そうな服がショーウィンドウに飾られているのだ。

「わぁ! これ可愛い!」

 ふんわりした感じの服で肩にヒラヒラとしたフリルが付いている。

 へぇ。ミリアもこういう服が好きなのかぁ。

 普段のミリアの服は黒い布を被って皮鎧を付けているような形だ。服と言えるものはあまり来ていない気がする。

「素敵ですわね。ミリアにプレゼントしますわよ?」

「えぇー? そんなぁー。悪いよー」

 アイツ……悪いと思ってないな。
 あわよくば買ってもらう気してるぞ?

「悪くないですわ。私のことを救ってくれたんですもの、服なんて安いものですわ。ねぇ、ダンテ?」

「はっ! 左様でございます。お嬢様の命は何よりもかけがえのないもの。それを救って頂いたのですから、金額は関係ございません」

 流石は執事である。貴族がどれほど金を持っているかは俺には計り知れぬところではあるが。言う事が違うな。命は買えるものでは無い。その通りだな。命は1つしかない。

 俺は二回転生しているけども。

「な、なら、欲しいです!」

「いいですわよ。他にも何か欲しいのがないか中に入って見ますわよ!?」

「は、はいぃ」

 侍女も伴って三人で入っていく。
 俺は……なんだか娘達を連れてきたお父さんになった様な気持ちになるな。これは。

 それは、ダンテも同じようで端っこで二人で手を組んでたっているというスタイルで。一緒に買い物をすればいいのだろうけど。

 俺ローブとかしかきれないんだよね。
 引っかかる肉が無いんだもん。
 ほら、骨だから。

「これはなんですの!? ベリーが着ているのと似てますわねぇ。でも、こっちの方が可愛いですわ」

 チラッと視線を声がした方に向けるとリンスさんがメイド服を持ってはしゃいでいた。

 えっ!? なんでこの世界にあんなにフリフリのメイド服が!?
 やっぱり転移者とか転生者って居るんだろうな。俺以外にも。誰も、骨には転生しないだろうけどな。

 この世界の侍女はセーラー服みたいな感じの服を着ているんだ。メイド服ほどヒラヒラはしていない。それでも可愛いんだけどね。

 ベリーさんとか、見た目だけでいえば凄くタレ目で可愛らしいし、パープルの髪と同じ色のセーラー服に似た服がマッチしてていかすんだけど。

 けど、性格があれだからなぁ。
 褒めても「こんなゴミを褒めても仕方がありませんよ」とか言われるんだろうしな。

「わあぁぁ。なんか凄いフリフリでかわいぃー! リンスさん、これ買うのぉ? いいなぁ」

「こっちもありますわよ? これなんかピンクでミリアの髪の色と一緒だからいいんじゃありませんこと?」

「あっ! ホントだぁー! 凄く可愛いねぇ!」

 ミリア、それ着たのは骨も見てみたいぞ。
 想像しただけでも似合うのが目に見えている。
 それを、ねだるんだ。

「ミリアとわたくしでお揃いで買いましょうか?」

「いいのー? やったぁー!」

 よしっ! 
 思わずガッツポーズをしてしまった。

「ナイルさん、本当にミリアさんがお好きですねぇ。私達がお嬢様を想う様なものでしょうが」

 コクリと頷くが。
 ダンテさん、決めつけるのは良くないぜ? 俺はミリアとは、なれるなら恋人とかでも全然いいと思ってるんだ。

 これ、ミリアには聞こえないように念話を切ってるから聞こえてないんだ。
 ふっふっふっ。俺は移動中に編み出したのさ。コチラからも念話を切る方法を。

 実に簡単だったのだ。所詮はスキルなのだ。魔力のようなもので繋がっていた。だから、その繋がっている物を切った。

 ミリアはこっちから切れるようになったのをたぶん知らない。だから、俺とは繋がっていると思って居るだろう。

 不思議なことなんだけど、ミリアが俺に繋ぎたいと思うと再び勝手に繋がるみたいなんだ。だから、バレてない。

「ねぇ、ナイル? これどうかなぁ?」 

 さっきのメイド服を体にあてて俺の方を向いて聞いてきた。

 おう。いいと思うぞ。似合ってる。

 そう言うと俺はサムズアップして笑顔を見せる。

 骨だから笑えないや。

「いいですなぁ。仲がよろしくて。リンスお嬢様は私に似合うかと聞くことなんてまず、ないですからなぁ」

 まぁ、家族、それもおじいちゃんみたいなもんだろうからな。あんまりおじいちゃんに聞く孫とかいないと思うからなぁ。
 いや、いるかもしれないけど。相当仲が良くないと。そして、おじいちゃんもファッションに興味が無いと会話が成立しないよな。

 とりあえず、ダンテさんにもサムズアップでかえす。

「はははっ。頑張れということですかな。まぁ、聞いて欲しいと思うのは、爺のワガママですからなぁ。せいぜい嫌われないように頑張りますわい」

 良いように理解してくれたみたいでよかった。
 女性の買い物は長いと聞いていたが、たしかにこれは長期戦になりそうだ。

 それから俺とダンテさんは二時間立っていたのであった。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。 そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。 【第二章】 原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。 原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

処理中です...