やる気が出る3つの DADA

Jack Seisex

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同姓同名✕同性愛同盟⇔無政府主義者✕無精子過ぎさ

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「ジャブジャブジャブジャブジャブ……」
 三島の攻撃は、続いている。
 ここは、三島太郎の邸宅である。

 あと一歩で、別の世界へ移動できたのだが、油断しているうちに、ボクシンググローブを嵌めた三島太郎に掴まってしまった。
「ジャブジャブジャブジャブジャブ」
 三島は、兄貴が動かなくなるまで、ジャブを止めるつもりはないようだ。 
「兄貴」
 倉橋は言った。
「ジュ、ジュニア」
 兄貴は血塗れになっている。
 兄貴はホログラムなので、痛みを感じない。よって三島の攻撃を受け続けても、絶命することは永久に無い。
 かといって、ホログラムの粒子はリアルに存在するので、攻撃によるダメージは蓄積されていく。  
 兄貴の顔は、三島のジャブで徐々に怪物のような状態になっていった。 
 それは異様で、まさに異様な光景だった。

 そのうち、
「ままま、待ってくれ。三島先生っ」
 倉橋が叫んだ。
 さすがに、一卵性双生児の兄貴が、酷い目にあっているのを、このまま黙って見ていることはできそうには無かった。
「何だい、倉橋くん」
 三島が、こっちを見る。
「そろそろ、止めましょうよ、ジャブ」
「なぜ?」
「弱い者イジメは、ダメ、ぜったい」
 倉橋が言い切る。

「だって、弱く無いだろ、コイツ」
 三島が、ケタケタと笑った。
「とにかく、止めましょ」
「そうか……」
 三島は、ジャブを打ち続けながら、考えている。
「分かった。じゃ、条件がある」
「何です?」
 予想もつかない。
「君は、知ってるか分からないが……実は……」
「え」
 倉橋は、嫌な予感がしてて、たまらくなった。


 すると
「俺は、同性愛者なんだ」
「俺は、同性愛者なんだ」
「俺は、同性愛者なんだ」
 三島の声がリフレインして聞こえた

「で、ジヤブやめる交換条件に、俺とベッドインしよう。この家の寝室で……」
 三島は言った。

 倉橋は、ぶるぶる震え始めた。
 今まで見た、どんなホラー映画よりも怖かった。
「今の時代、同性愛をネタにした小説は良くない。ヘタに茶化したら、ネットが炎上する」
 倉橋が言った。
「関係ない」
「関係ない?」
「うん…茶化さなければ、いいんだ。真剣に同性愛すればいいんだ」
 三島が言った。
 三島の目は、興奮のあまり血走っているようにみえた。
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