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大好きな親友
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しおりを挟む「そういう話、私は苦手。ごめんね、相談にはそれないや」
と私は言う。
花菜野はそれでも、
「サイズが合わない。大きい」
とか、
「時間かけすぎ、耐えられない」
とか聞かせてくるのだった。
「花菜野、私は彼氏いないから、聞いてるの苦しい。経験もないし。だから、別の話しよう?」
と誘導する。
「緋々来として、気持ちいい子っているのかな?」
と花菜野がふとこぼした言葉に、私は顔がポッと熱くなり、身体の芯が引きしぼられる思いがした。
このとき、驚いた顔をした花菜野と目があったから、私は気まずくて、目をそらす。私はその、気持ちよかった子なのだ。
その日から、花菜野はその話をしなくなった。経験がない私が照れてしまって話にならない、と思ったのかもしれない。
私はホッとした。この頃は、緋々来と会うと喧嘩になっていたから、その理由が花菜野にもれていないのかは、気になっていたけれど。緋々来は予行演習の話はしっかりと秘密にしているみたいだ。
この頃、私は花菜野と将来の話をする。
私が、
「実家を出たい」
と言えば、
「私も家を出たいな」
と花菜野も言う。
花菜野は一人娘だったし、両親からとても大事に育てられているようだった。門限も厳しく、進学先の選択肢も狭いらしい。
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