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第21章 私が訴えたいこと
固定観念、概念は、何と根強いものなのだろう
しおりを挟む小学生の頃の私にとって、「モナ・リザ」と「頬杖をつく女」は、世界中で知らない人がいない、
っていうくらい有名な作品という認識があった。
生きているうちに、私はこの二作品の本物を観たいと思っていた。
年齢を重ねるにつれ、私は「モナ・リザ」に関しては、認識を強めたが、頬杖をつく女に関しては、何の情報も得られないままだった。
過去で有名になるのか?
未来で有名になるのか?
はたまた私の感覚そのものが間違いだったのか?
いづれにせよ私は、フェルメールの「眠る女」に巡り会った。
眠る女という作品は、ファジィ(曖昧)が重要なテーマだった。眠っているか?眠っていないのか?それを推理するのに面白みを持ち、深みのある作品なのである。
はじめからタイトルを眠る女と断定されたなら、ファジィ(曖昧)に、全く意味を持たない。
普通に、頬杖をついている女性→
怠惰を示すポーズ、居眠りと解釈されてしまう。
一方、モナ・リザ(※真実はモナ・リザではないが)の最重要テーマは、
未来
聖母
受胎告知である。
ジョコンダ婦人の肖像画だと解釈されてしまったが為に、人々は、最も重要なことを見逃してしまったのだ。
絵画にとってタイトルは、本当に大切だと思い知った。
仮にある作者が描いた題名のない一作品があったとして、もしもその作者が亡くなった後の世の人が、全くピントずれの解釈をしたタイトルになった場合、その作者や作品が有名になればなるほど、世の中の人は、間違った固定観念を植え付けられる。
世の中の人達は、自分達が誤った認識を持たされていることなど知る由もなく、そのタイトルを持つその作品に酔いしれることになるのだ。
陶酔している間は、決して疑いを持たない。
固定観念や概念とは、
何と根強いものなのだろうか!
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