イヤちゃうよ?困ってるだけ…。

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「るぅ…はながぼーっとし始めた。現実逃避してるで?」

「ホンマにぼーっとすると、聞こえないんやな?けい…予定通りに進めるで?」

「うん。とりあえずご飯準備しよか?
はな?はーな!ご飯食べよーや?」

「ん?ご飯?うん。ご飯な!食べるよ!お手伝いするで?何したらええ?」

「じゃあ、運んでくれる?るぅも手伝って?」

どんどんテーブルに運んで、いっぱいなった!
こんないっぱい食べれるんかな?って思ったけど

「「いただきまーす」」
って2人が食べ始めたら、どんどん無くなった。
「イタダキマス。」

「はな?食べてる?」

「うん。美味しいな。けいちゃんが作ってくれたん?」

「そうやで?るぅは、掃除担当。僕、片付けとか掃除苦手やねん。」

「世の中の主婦が羨ましがるで。女が家事するって思ってる男の人はまだまだいっぱいおるしな。」

「けい が片付けしたら余計散らかる。って花んとこの旦那さんもそんな人なんか?」

「旦那?昔にいたけど…何も出来ひんかったな。」

「死別?」

「ちゃう。離婚。子供は、それなりに可愛いけど優先順位が自分の人。あたしは子供が1番。なので、別れた。」

「そうなんや。子供らは、花がお母さんで幸せやな。僕…花の息子になりたかった。」

「ちゃうで?あの子らが息子やしあたしが幸せやねんで?世界一幸せやねん。3人で暮らしてて、クーラーが1台しか無いから同じ部屋でずっと寝てたんやで。顔触っても、おしり触っても何も言わんかった。可愛いーてしゃーないねん。あの子らが笑ってたらそれだけでええねん。他に何もいらん。」

「…やっぱり僕…花がいい」

「俺も、花がいい。」

「なんでやな?すぐ怒るし、家事苦手やし…ええとこ無いで?あ!ごちそうさまでした。お片付けするわ。」

3人で片付けして、ちょっと呑もうってなって…2人は缶ビールであたしは缶酎ハイ。コップなんかいらんで?洗いもん増えるやん!
「乾杯!」
って…ソファーに座ったんやけど…何で?
右にけいちゃん。
左にるぅちゃん。

あたしは、あんまりお酒強くないからチビチビ呑んでるのに…2人はペース早いしびっくりやわ!!
でも、久しぶりに誰かとご飯食べて家呑みして…なんやフワフワ気持ちええな~って

”にひひ”

って笑ってたのを2人が見てアイコンタクトしてんのに気づかんかった。

「あの…距離感って大事やん?…2人近くないかな?」

「そうか?僕らいつもこんな感じやんな?」

「そうや。もっと近いかもな。」

「そら、2人はもっと近くてもええと思うよ?あたしは…ほら…一応異性やん?おばちゃんやし?」

「花…僕らそんな若くないで?」

「花がおばちゃんやったら、俺らはおっちゃんやしな?」

「あんな…花?僕らは、2人とも男女どちらでも恋愛対象なんや。ほんで、"リバ"って言うてタチもネコもお互いできるねん。抱くことも、抱かれることもできる。」

「俺ら…学生時代に出会ってずっと1番の友達…親友やってん。お互いの気持ちが”親友”への気持ちじゃないのに気づく前は、お互い彼女もおったんやで?」

「僕は、結婚して子供もいてん。でも…なんかあかんかった。奥さんも子供も悪くないねん。逆に、ホンマに僕を大事にしてくれてたんや。でも…るぅじゃないとあかんかった。僕…花の旦那さんと同じやな。自分のこと優先したから…。花には、受け入れてもらえへんかも知らんな…僕。」

あ~ぁ~またそんなしょげてる。

「恵次桜…?おいで?」

ぽんってお膝叩いてみた。

「…え?…嘘やん?」
って言いながらポスンって
あたしのお腹に抱きつきながらお膝にきた。
ぎゅうって、あたしのぽにゅんぽにゅんの
お腹に顔スリスリしてる。
ん…………やっぱり可愛い。

「可愛いぃ…」

ってあたしのポツリと零れた言葉に

「「「え?」」」

2人だけじゃなくて、あたしもびっくりしたわ。

「ん…とな、けいちゃん?旦那とか、他の人とかと何で比べるん?けいちゃんはけいちゃんだけしか居らへんねから、比べようがないで?あたし…自分の子供だけが可愛いねん。だから、けいちゃんが子供と離れてきたって聞いても「そうなんや」くらいしか思ってないねん。会ったこともない人より、この先も接点の無い人のことより…るぅちゃんも一緒に沈んでしまいそうなくらい自分に重い鎖つけてるけいちゃんが大事。」

ぎゅうって抱きついてる けいちゃんの頭を撫でてると…

るぅちゃんがぶーたれた顔して言うた。

「花…狡ッ…また…けい だけやん。狡い…。俺ら2人とも花が好きや。
しゃーから、けい だけは狡い。俺…ヤキモチめっちゃやくで?」

「え?」

ちょっと?
このイケメン2人何言うてはるの?
狡い?
ヤキモチ?
さっき、なんや言うてたな?
リバ?
抱く?抱かれる?
男女どちらでも恋愛対象?
女も対象?

「えぇぇぇぇぇぇ?
あたし?
どこにそんな要素が?
こんな平凡顔のモブ中のモブやん?
2人とも…大丈夫?」

「花…僕らのこと嫌い?イヤ?花の恋愛対象には、僕らは入らへん?」

「俺らのこと、無理やっても今まで通りの関係でいて欲しいねん。花に会えへんなるのは耐えられそうにない…2人で沼に落ちてしまうわ…。」

「僕…やっと沼から出れたけど、、、」

2人のイケメンがしょんぼりしてる。
何か…あたし言わなあかんよな?
何て言うたらええんやろ?
嫌いちゃうよ?
2人といたら、楽しいし
嬉しいし…ほっこりするし
ん?
絆されてる?
よく考えて?
でも、ホンマに居心地いいんやもん。

「ん…と、2人のこと嫌ちゃうよ?
でもな…今…いっぱいいっぱいで困ってる。
でも…るぅちゃんとけいちゃんが
しょんぼりしてるんは嫌や。
沼に落ちてくのもイヤや。
会えへんなるのもイヤや。」

「好きか嫌いかしかないやん?俺らはどっち?」

「花?僕らどっち?」

え?
二択?
二択しかないの?
左のイケメンとお腹のイケメンがまた一段と近くなってきた。
視線が突き刺さる。

「……………キ?」

「ん?」
「何て?」

2人揃ってまた近くなって

あたしの心臓…ヤバいで?
久しぶりにこんなドキドキしてるわ
絶対、心臓動き過ぎやし!
落ち着いて…あたしの心臓!

「…キ」

「「キ?」」

「スキ…かも?」

「「花!」」

2人にぎゅうぎゅうと抱きしめられる。

「苦しいから!ちょっと緩めて?」

イケメン2人は、ニコニコと笑ってる…。
なんか、無性にもっと触りたくなって…
2人の頭ワシワシ撫でて…
ほっぺや顎を触って髭をジョリジョリ…。

久しぶりの感触で嬉しくてふにゃりと
笑ってた。
息子ら…元気かな…笑ってるかな…
泣いてへんかな…。

なんて、呑気なこと考えてぼーっとしてたら

視界が急に変わった!

え?なに?え?

びっくりして声も出えへんやん。

「捕まえた。俺のや。」

「あー!るぅ!僕のやしな。」

「怖いから!高いし?下ろしてよ?んでどこに行くん?帰りたい!!」

クスクス笑ったまま嬉しそうに歩いて
リビングから出て行った。

困るー!困ってるー!
なんでやー!!
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