チートな魔力を持て余す転生者のオレが召喚した勇者はロリなロボット生命体⁈ 宇宙魔族を撃退したら幼馴染とラブラブになれたので結果オーライです!

天田れおぽん

文字の大きさ
4 / 33

お仕事

しおりを挟む
 オレの職場は王城内にある。

 魔法使いたちが大量にたむろしている魔法塔とは方向違いだ。

 アニカと職場が同じだったら毎日のように会えるし、たまに帰る自宅も同じだから、そっちの方が良かったかな? とも思ったりするけれど。

 毎日のように顔を合わせていたらドキドキしすぎて心臓がもたないし、彼女の側に近付いた同僚を片っ端から呪いかねないので、これで良かったんだろうな。

 恋する男は危険なのだ。

 本来なら転移魔法で出勤できるのだが、本日は徒歩です。

 全て魔法に頼ると運動不足になって、本来のパフォーマンスを引き出せなくなるからだ。

 自宅から王城の門辺りまでで三十分、そこから職場までは十五分ほどかかるが歩くのは苦にならない。

 問題はそこではない。

 チロチロとコチラを窺ってくる視線がツライ。

 整ったオレの美貌にウットリしながら見つめてくる者もいれば、魔法使いとしての立場を表すマントをキラキラした瞳で見つめてくる者もいる。

 自宅の周辺はまだいい。

 コミュ障のオレでも、挨拶くらいは返せる。

 ただちょっと憧れの眼差しを向けられたりした時に、中身はコミュ障のだらしない男でスミマセンと謝りたい気分になるだけだ。

 これが王城に近くなればなるほど様相が変わってくる。

 魔法使い同士はもちろん、騎士とか兵士といった武に秀でた者たちが嫉妬混じりの視線を投げてよこすのがツライ。

 オレは何の実績もないのよ。

 魔力量が多くて、魔法に秀でているだけで、実績なんて欠片もないのよ。

 たまぁーに、イベントで花火とか飛ばしたりとか派手なパフォーマンスを披露しているだけなのだ。

 それなのに重用されてスンマセン。

 調子には乗ってないんで。立場はわきまえてるんで。スンマセン、許してください。

 こう、意味もなく謝りたい気分になる。

 それが王城の門をくぐると、また雰囲気変わります。

 王城の中で働いている者は身分の高い場合も多い。

 使用人といっても、王城勤めともなると平民でなかったりするのだ。

 貴族位のある家で育ったなら礼儀作法も教えられたであろうに、不躾な視線は逆に増える。

 オレは平民の生まれだ。

 だからって困ることはなかったのだが、王城勤めの優秀な魔法使いになってしまうと変わることもある。

 貴族からしたら、平民であるオレに気遣いなと不要というだろう。

 なまじ優秀な魔法使いとして有名だから注目は集まる。

 そしてオレは無駄に見た目が良い。

 見た目のよい平民なんて、貴族からしたら遠慮なく何かしても良い存在だ。

 魔法使えて良かったよ、オレ。

 無力な見た目の良いだけの男だったら、空き部屋にでも引っ張り込まれていたかもな。

 派手なイベント用の魔法だけでなく攻撃魔法も使えることをみんな知っているから、貴族から変なことをされたことはないけれど。

 老若男女問わず、チラチラジロジロと見られるのは居心地が悪い。

 認識阻害の魔道具でも使いたいところだけれど、王城内では特別な許可がない限りは使えない。

 面倒だから明日は転移魔法陣を使うことにすると決める。

 運動不足は別のところで解消しよう。

 そんなことを考えながら、オレは自分に割り当てられた部屋へと入った。

 職場である部屋は、基本的には待機室だ。

 これといって仕事を割り当てられてはいないオレは、待機することが主な仕事となっている。

 暇なんで、警備用魔道具の配置なんかをチェックする仕事もしているが、そっちはオマケだ。

 緊急時対応のために温存されている魔法使い、という立場が与えられている。

 とはいえ、緊急の事態なんて滅多に起こらない。

 いや、起こったら困る。

 なので、諸外国への牽制の意味で駆り出されたりするのだ。

 イベントでの派手なパフォーマンスも、我が国には強い魔法使いがいますよ、というアピールのひとつ。

 だからイベントでの派手な演出とか外交上有益と思われる場に駆り出されるのは断れない。

 苦手なんだけどね、人の多い場所とか。

 コミュ障だから外交そのものには役に立たないし。

 いっそ裏方で会場設営とか力仕事しますよ、って気持ちになるんだけど、周りが遠慮してそういう作業には参加させてもらえない。

 コミュ強者なら遠慮なんてモノともせず強引に参加するんだろうけど、オレには無理。

 それは日常的な作業についても同じだ。

 だからオレは待機室で椅子に座り、終業時刻までの手持ち無沙汰を誤魔化すために魔術書とか読んじゃったりしながら一日を終える日々を送っている。

 今日もそんな感じで一日が終わるんじゃないかな? と思っていたんだが。

 オレが待機室に入る所を見計らっていたかのように呼び出しがかかった。

 行き先は神殿だ。

 悪い予感しかしないのだが?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...