5 / 8
レッスン2-名前を呼ぼうー
しおりを挟む
「先輩先輩、僕たち付き合って二週間は経つので、そろそろ名前呼びしてみたいんですが」
手を初めて繋いでから一週間後、大学のキャンパスにあるカフェで逢引? するのが俺たちの定番になっていた。
「名前……?」
「あ、先輩僕の下の名前もしかして知らないとか言います?」
「え、いや。ゆ……き。由貴だろう?」
「はい! 由貴です! 幸太先輩! へへ」
少し照れながらも嬉しそうに頬を緩める由貴。それにつられて俺も頬が緩んだ。
由貴といるとなんとも落ち着かない。
心がざわざわとささめくのだ。
俺は誤魔化すように咳払いをしてノートPCを開いた。
「幸太先輩、課題ですか?」
「そ。まぁ今回はちょっと資料集めとか大変だったけど、期日内になんとかなりそう」
首をこきこきとならしモニタを見ながら話す。
「肩もみましょうか?」
「へ?」
そっと俺の肩に触れられて思わずびくっとなった。
由貴が触れたところがやけに熱く感じた。
「――やめ「白井くーん」」
俺が止めろと言いきる前に可愛い女の子の声が由貴の名前を呼んだ。
声がした方を見ると、ふたりの女の子が立っていた。
ひとりの子は清楚で可愛い子で、もうひとりの子は付き添いという感じで。
俺の肩から離れていく大きな手。
俺の頭上からため息が聞こえた。
「――幸太先輩、すみません。ちょっと行ってきます」
「お、おぅ」
俺はモニタに視線を戻すと由貴の顔を見る事なく手を振った。
ちょっと寒いな……。
ズキン……。
*****
今まで由貴とは大学構内で一度も偶然会った事などなかったのに、最近やたらと見かける。
そしていつもこないだ声をかけてきた女の子のひとりと一緒にいた。
なんだ。早速『恋愛』してんじゃん。
もう偽ものなんていらないじゃん。
俺は逢引場所であるカフェには近づかないようになった。
手を初めて繋いでから一週間後、大学のキャンパスにあるカフェで逢引? するのが俺たちの定番になっていた。
「名前……?」
「あ、先輩僕の下の名前もしかして知らないとか言います?」
「え、いや。ゆ……き。由貴だろう?」
「はい! 由貴です! 幸太先輩! へへ」
少し照れながらも嬉しそうに頬を緩める由貴。それにつられて俺も頬が緩んだ。
由貴といるとなんとも落ち着かない。
心がざわざわとささめくのだ。
俺は誤魔化すように咳払いをしてノートPCを開いた。
「幸太先輩、課題ですか?」
「そ。まぁ今回はちょっと資料集めとか大変だったけど、期日内になんとかなりそう」
首をこきこきとならしモニタを見ながら話す。
「肩もみましょうか?」
「へ?」
そっと俺の肩に触れられて思わずびくっとなった。
由貴が触れたところがやけに熱く感じた。
「――やめ「白井くーん」」
俺が止めろと言いきる前に可愛い女の子の声が由貴の名前を呼んだ。
声がした方を見ると、ふたりの女の子が立っていた。
ひとりの子は清楚で可愛い子で、もうひとりの子は付き添いという感じで。
俺の肩から離れていく大きな手。
俺の頭上からため息が聞こえた。
「――幸太先輩、すみません。ちょっと行ってきます」
「お、おぅ」
俺はモニタに視線を戻すと由貴の顔を見る事なく手を振った。
ちょっと寒いな……。
ズキン……。
*****
今まで由貴とは大学構内で一度も偶然会った事などなかったのに、最近やたらと見かける。
そしていつもこないだ声をかけてきた女の子のひとりと一緒にいた。
なんだ。早速『恋愛』してんじゃん。
もう偽ものなんていらないじゃん。
俺は逢引場所であるカフェには近づかないようになった。
3
あなたにおすすめの小説
神父様に捧げるセレナーデ
石月煤子
BL
「ところで、そろそろ厳重に閉じられたその足を開いてくれるか」
「足を開くのですか?」
「股開かないと始められないだろうが」
「そ、そうですね、その通りです」
「魔物狩りの報酬はお前自身、そうだろう?」
「…………」
■俺様最強旅人×健気美人♂神父■
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる