相棒は邪龍らしい。

渡邉 幻日

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2:二人旅

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「……どこかで買い物をして聞くか、いっそ冒険者ギルドで登録しがてら聞くかだな」
どちらもものを聞くときの定番の方法、そして場所だ。目的として敢えて言葉にする。 

ただ、外でなんだかんだと話し込んだからか、空は夕暮れと言うよりは夜に差し掛かってきているのが伺える。美しい紺色だ。星が綺麗に見えるから嫌いではない頃合いだが、健全な店は仕舞い始める頃合いと言えるだろう。
ギルドならこれからまた少し賑わうだろうけれど。 

「登録しちゃおっか? まあ、飲んだくれが増えそうな時間でもあるけど」
「構わん」
幸い街に入ってすぐの場所に、簡単な地図が貼られている看板が立っていた。年期の入ったモノのようで、どこかの店にピンが刺さっていたり、オススメ! と、赤丸と共に書き込まれていたりだ。現在地は西口門に当たるらしい。 

確かに周囲は飲み食い処からお土産屋、少し奥の方には雑貨屋が。一部店舗は店仕舞いをし始めているようだが、確かに商業地区と言えるようなものが多く立ち並んでいるのが伺える。 

地図の東西南北と現在地、実際の現在地とギルドの方角を確認した。
東に向かってほぼ真っ直ぐ、大きな通りがあるが、ここを通ればよっぽどの方向音痴だったり店に気をとられなければ冒険者ギルドにたどり着けるようだ。
あとは建物数件ごとに細い道が南北に曲がりくねりながら通っているらしい。 

地図上、冒険者ギルドは街のほぼ中央に、道に囲まれてぽつんとある。西の商業地区に商業ギルド、南の工業地区の中央通り寄りに鍛冶ギルドがあるようだ。
大通りは東西南北にしっかりとあって、門とも噛み合っているので、行き来はしやすい。 

他の街とのやり取りはこちらの西口門が対応し、北・東・南口門は採取や討伐で出ていく冒険者達が主に利用しているらしい。主に、なので勿論例外もある。しっかりとした持ち回りの予定を組み立てているので、例外案件もきちんと対応されているらしい。
ここ最近大きな事件もなく、過ごしやすい……そんな話が漏れ聞こえてくるから、やはりあまり例外的な利用はされていないのかもしれない。 

「ここは……錬金術ギルドは無さそう、だね。商業ギルドは入る?」
「そうだな……素材を見てみたい。入るかどうかはその後で良い」
「そうだね、確かに気になる」
門から中央に向けての道は分かりやすく、幅広く道が整えられていて、まだまだこの時間ならば活気に溢れているようだ。
俺たちは念話も探知も出来るからはぐれることはないし、そうなってもすぐ見付けられる自信はある。だがまあ、一応、ベリーとしっかり手を繋ぐことにした。 

何はともあれまずは冒険者ギルドでの登録だ。
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