【外伝】「深淵のサラ」 Episode-δ 人魚の遺産 〜深海500メートルから届いた、80年前の招待状〜
1942年、沖縄・伊良部島。海女の比嘉洋子は「海神の愛し子」と呼ばれる卓越した潜水能力の持ち主だった。しかし戦火は彼女を南洋・ラバウルへと追いやり、さらにニューカレドニア・アール島へと流れ着かせる。そこで出会ったのが、伝説の海女アンを母に持つ少女マリ・テヴァリエだった。海を愛する二人の魂は、時を超える絆で結ばれる。
時は流れ2024年。東京大学大学院生・田中恵理菜は、深海調査で発見された19世紀の銀製髪留め「エパングル」に現代のビキニが絡みついた謎の遺物を分析していた。そこに現れたのは、驚異的な潜水能力を持つ「現代の人魚」サラ・テヴァリエと、伝説の興行師エドワード・黒崎。エパングルは代々テヴァリエ家に伝わる宝物だった。
偶然か運命か——恵理菜の曽祖母は、かつてアール島でマリと共に海を泳いだ比嘉洋子だった。80年の時を経て、血脈が再び交錯する。
南太平洋の楽園を舞台に、戦争が刻んだ傷、受け継がれる潜水能力、そして80年前の因縁が牙を剥く。海が繋ぐ女たちの物語が、いま静かに、しかし激しく動き始める
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