62 / 93
帰り道
2
しおりを挟む
「そうだと言っている。……先日は難所を書いてて疲れた。そのとき世話になったからな。礼のつもりだったのに」
秋木の言葉、最後は少し小さくなった。
俺は何故かそれにどきっとしてしまう。
そうだ、これはお礼だったのだ。
秋木が俺に礼をしたいと思ってくれたのだ。
それだけは嬉しい、かな。
俺は単純にも思ってしまった。
ほだされているようなものだ。
「それは……ありがとうございます」
「言葉を濁らすなよ」
お礼を言ったのに、ツッコまれてしまった。
そのあとは、なんとなく雑談になった。
秋木から「試験はどうだったんだ」と聞かれて、俺は「まぁまぁでした」と答えたが、次の「そろそろ夏休みなんだろう」には驚いた。
どうして話してもいないのに知っているのか。
でも秋木はしれっと言った。
「大学のスケジュールなんてどこもそう変わらん。夏休みになっただろうと思ったから予約したんだしな」
なるほど。
確かにそういうものだろう。
秋木が大学を出ていないようには見えないし、よくわかっているということだ。
秋木の言葉、最後は少し小さくなった。
俺は何故かそれにどきっとしてしまう。
そうだ、これはお礼だったのだ。
秋木が俺に礼をしたいと思ってくれたのだ。
それだけは嬉しい、かな。
俺は単純にも思ってしまった。
ほだされているようなものだ。
「それは……ありがとうございます」
「言葉を濁らすなよ」
お礼を言ったのに、ツッコまれてしまった。
そのあとは、なんとなく雑談になった。
秋木から「試験はどうだったんだ」と聞かれて、俺は「まぁまぁでした」と答えたが、次の「そろそろ夏休みなんだろう」には驚いた。
どうして話してもいないのに知っているのか。
でも秋木はしれっと言った。
「大学のスケジュールなんてどこもそう変わらん。夏休みになっただろうと思ったから予約したんだしな」
なるほど。
確かにそういうものだろう。
秋木が大学を出ていないようには見えないし、よくわかっているということだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
29
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる