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結婚の日

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 あたたかな湯に浸かったあとは、真っ白なネグリジェを用意されていた。

 それをまた着せてもらう。

 ネグリジェなんて毎晩、身に着けているものであるが、今夜は少し違っていた。

 作り自体はそう変わらないが、特別上等なもの。

 フレイディからの贈り物だ。

「今夜は初夜だから、部屋に来ておくれ」と招かれたのだ。

 アマリアはそれを聞いたとき、不思議に思う気持ちと、警戒を同時に覚えた。

 だって結婚したとはいえ、契約なのだ。

 そういった行為はしないだろうと思っていた。

 なのに呼ばれるということは、なにかしらその類のことがあるということだろうか。

 それが警戒に繋がっているのであるが。

 アマリアとしては、契約での結婚で貞操を失くしてしまうのは気が進まなかった。

 契約が終われば夫婦関係はなくなるのだから、今度こそ、別の相手と本当の結婚をするのだと予想している。

 それならば、貞操は守っておいたほうが良いということになるだろう。

 だからフレイディが「部屋に来ておくれ」と招いてきたのを、不思議に思ったり、警戒を覚えたりしても、当然だ。

 それでも断るわけにはいかない。

 アマリアは「かしこまりました」と素直に受け、それでネグリジェを着て、ひと休みしたあと、約束の時間にフレイディの部屋へ訪ねていった。
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