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二人の蜜月
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しかしこのお互い持っている認識のずれは、おそらく奇妙に噛み合っていた。
多分、もっと恋に詳しい者から見れば、駆け引きの類と捉えられるかもしれない。
フレイディからはともかく、アマリアにとってそんな認識は欠片もなかったのだけど。
ただ、気持ちに素直に従っているにすぎない。
そのようなフレイディとアマリアの様子は、周りから見ても少し変わったと思われたらしい。
義祖母のジェシカは「仲睦まじくてなによりね」とあたたかく見守ってくれるし、やはり頻繁に実家帰省をしてくるフィオナも同じであった。
「本当の夫婦になったようなものね」と言ってくれて、アマリアはくすぐったく思いつつも、「ありがとうございます」と、功労者ともいえるフィオナに厚く御礼を言った。
周りから見ても、夫婦らしくなった。
その点は喜ばしく、幸せなことだ。
でもアマリアがあの日、朝の庭で話をしたとき確認したように、契約の結婚であるのは変わっていない。
よって、この生活はいつか終わることになる。
いや、『いつか』どころか、約一年という予定だ。
つまり、あと二ヵ月ほどの予定であった。
それを考えると寂しくなってしまう気持ちはあるけれど、最初からそう決まっていたことだ。
仕方がない。
アマリアのその思考は割り切りが良すぎたし、フレイディがもしその思考を知っていたなら、盛大に肩を落としたと思われる。
けれど幸い、フレイディはアマリアの思考など読めない。
ただ、夫婦関係に恋仲が加わった幸せな蜜月を味わっていたようだった。
多分、もっと恋に詳しい者から見れば、駆け引きの類と捉えられるかもしれない。
フレイディからはともかく、アマリアにとってそんな認識は欠片もなかったのだけど。
ただ、気持ちに素直に従っているにすぎない。
そのようなフレイディとアマリアの様子は、周りから見ても少し変わったと思われたらしい。
義祖母のジェシカは「仲睦まじくてなによりね」とあたたかく見守ってくれるし、やはり頻繁に実家帰省をしてくるフィオナも同じであった。
「本当の夫婦になったようなものね」と言ってくれて、アマリアはくすぐったく思いつつも、「ありがとうございます」と、功労者ともいえるフィオナに厚く御礼を言った。
周りから見ても、夫婦らしくなった。
その点は喜ばしく、幸せなことだ。
でもアマリアがあの日、朝の庭で話をしたとき確認したように、契約の結婚であるのは変わっていない。
よって、この生活はいつか終わることになる。
いや、『いつか』どころか、約一年という予定だ。
つまり、あと二ヵ月ほどの予定であった。
それを考えると寂しくなってしまう気持ちはあるけれど、最初からそう決まっていたことだ。
仕方がない。
アマリアのその思考は割り切りが良すぎたし、フレイディがもしその思考を知っていたなら、盛大に肩を落としたと思われる。
けれど幸い、フレイディはアマリアの思考など読めない。
ただ、夫婦関係に恋仲が加わった幸せな蜜月を味わっていたようだった。
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