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67. 目覚めるんです
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誰かが、泣いている気がします。
泣かないで。
大丈夫ですよ、私達は、闘えています、か
「……ら」
ぱかっと目を開けると、見知らぬ天井が見えました。
一瞬自分がどこにいて何をしているかがわからなくなります。
頭がぼーっとして、うまく働きません。
私、何をしていたんでしたっけ?
今は――ベッドに横たわっているようです。
誰かの声がします。
あれは――
「おと……さ、ま?」
少し頭を左側に傾けると、視界に見知った背中を見つけました。
医務の先生と話しているようでしたが、私の声を聞いて振り向きこちらへとやってきます。
「ルルーシア、目が覚めたのかい? どこか、辛いところは?」
お父様が、そばにあった椅子に座るなり痛しいものを見るかのように眉を寄せ私に聞いてきました。
辛い、ところ。
そういえば、お腹がひどく熱くなりました、か。
今は何も――思い出しました、私刺客の察知に間に合わなくて……。
「違和感は、ありますが、痛くはない、です」
「そうか。痛み止めは効いているようだな。何か飲むかい? 先生の許可はもらっているよ」
「では、お水が、欲しい、です」
「取ってこよう、待っていなさい」
そう言うと、お父様が席を立ち水を汲みに室内の水道へと向かいました。
先生にコップの場所を尋ねる声が聞こえます。
どれくらい、眠っていたのでしょうか?
部屋を見渡すと明かりがついていたので、夕方から夜のようですが、時間経過まではわかりません。
右手と左手にぐっと力を入れてみますがきちんと動きます。
両足にも力を入れてみますが、ちゃんと筋肉の張りが私に伝わってきました。
先生が、きちんと処置してくれたみたいです。
上体を起こしてみることにしました。
「うっ……」
「こら、ルルーシア。まだ動くなと先生が言っていたぞ」
「そう、なのですね。すみません」
運悪くお父様が帰ってきて注意されてしまいます。
「傷口は縫ってある、内臓は魔法で修復済みだよ。勿論自己治癒の邪魔にならない程度だが」
「……すぐ、動けますか?」
私のこの問いに、お父様ははじめ面食らって、ついで一回ほど大きく、ため息をつきました。
「……ふーっ。ルル? いいかい? 横っ腹に穴が、しかも、大きめのだよ? それが三つも空いたんだ。普通はすぐには動けないものだよ」
「だけど」
「だけど、じゃない。お前は私の可愛い娘なんだ。お転婆だけれど、命に変えても惜しくはない、娘なんだよ」
お父様はベッド脇にあった椅子に腰掛けながら、私にそう告げてくれ。
そして頭を撫で付けながら、続けます。
「コッツオは捕まえた。だがまた口封じだ。よほどしっかりとした組織とみえる……万全にしなくては危ない。後はわかるね?」
「……はい、わかりましたお父様」
撫でる手が心地よくて、まだ疲れがあったのか返事をすると、私はまた夢の世界へと落ちていったのでした。
泣かないで。
大丈夫ですよ、私達は、闘えています、か
「……ら」
ぱかっと目を開けると、見知らぬ天井が見えました。
一瞬自分がどこにいて何をしているかがわからなくなります。
頭がぼーっとして、うまく働きません。
私、何をしていたんでしたっけ?
今は――ベッドに横たわっているようです。
誰かの声がします。
あれは――
「おと……さ、ま?」
少し頭を左側に傾けると、視界に見知った背中を見つけました。
医務の先生と話しているようでしたが、私の声を聞いて振り向きこちらへとやってきます。
「ルルーシア、目が覚めたのかい? どこか、辛いところは?」
お父様が、そばにあった椅子に座るなり痛しいものを見るかのように眉を寄せ私に聞いてきました。
辛い、ところ。
そういえば、お腹がひどく熱くなりました、か。
今は何も――思い出しました、私刺客の察知に間に合わなくて……。
「違和感は、ありますが、痛くはない、です」
「そうか。痛み止めは効いているようだな。何か飲むかい? 先生の許可はもらっているよ」
「では、お水が、欲しい、です」
「取ってこよう、待っていなさい」
そう言うと、お父様が席を立ち水を汲みに室内の水道へと向かいました。
先生にコップの場所を尋ねる声が聞こえます。
どれくらい、眠っていたのでしょうか?
部屋を見渡すと明かりがついていたので、夕方から夜のようですが、時間経過まではわかりません。
右手と左手にぐっと力を入れてみますがきちんと動きます。
両足にも力を入れてみますが、ちゃんと筋肉の張りが私に伝わってきました。
先生が、きちんと処置してくれたみたいです。
上体を起こしてみることにしました。
「うっ……」
「こら、ルルーシア。まだ動くなと先生が言っていたぞ」
「そう、なのですね。すみません」
運悪くお父様が帰ってきて注意されてしまいます。
「傷口は縫ってある、内臓は魔法で修復済みだよ。勿論自己治癒の邪魔にならない程度だが」
「……すぐ、動けますか?」
私のこの問いに、お父様ははじめ面食らって、ついで一回ほど大きく、ため息をつきました。
「……ふーっ。ルル? いいかい? 横っ腹に穴が、しかも、大きめのだよ? それが三つも空いたんだ。普通はすぐには動けないものだよ」
「だけど」
「だけど、じゃない。お前は私の可愛い娘なんだ。お転婆だけれど、命に変えても惜しくはない、娘なんだよ」
お父様はベッド脇にあった椅子に腰掛けながら、私にそう告げてくれ。
そして頭を撫で付けながら、続けます。
「コッツオは捕まえた。だがまた口封じだ。よほどしっかりとした組織とみえる……万全にしなくては危ない。後はわかるね?」
「……はい、わかりましたお父様」
撫でる手が心地よくて、まだ疲れがあったのか返事をすると、私はまた夢の世界へと落ちていったのでした。
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