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第一章

身代わり濃姫(3)

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 那古野城に入った美夜みやは、斎藤道三さいとうどうさんの娘、帰蝶きちょうとして織田家の人たちに迎えられ、一通りの形式的な挨拶を交わした。
 美夜は特に気負うこともなく、各務野かがみのに教えられた口上を述べるだけだった。
 その場に当主である信長の父信秀のぶひでや、その妻たちの姿はあったが、肝心の信長の姿は見られなかった。
 不思議に思って、美夜は各務野に聞いてみる。
「信長……様は、さっきのご挨拶の時にいなかったようだけど、普通は花婿は後から出てくるものなの?」
 美夜のその問いかけに、各務野は苦り切った顔をしてしまう。
「いいえ。通常ですと、花婿である信長様もご一緒にあの場におられるはずなのですが……」
「そ、そう……何か事情があったのかしら?」
「そう……かもしれません。でも、婚儀の前にはご挨拶を済ませておく必要がありますから、じきにご挨拶に見えられるでしょう」
 織田家の信長以外の家族に挨拶を終えた美夜は、控えの間に案内され。準備してきた花嫁衣装に着替える。
 今日から三日間、二人の結婚を祝う宴が開かれるのだという。
 美夜は特にすることもないが、宴の席には常にいる必要があるとのことだった。
 着替えを終えた美夜は、控えの間で新郎が挨拶に訪れるのを待っていたが、いつまで経っても信長はやってこない。
 代わりにやってきたのは、信長の教育係という男だった。
「申し訳ありません。若は少し準備に時間がかかっておりまして。も、もうしばらくお待ちくださいませ」
 平手政秀ひらてまさひでと名乗る初老の男が、幾度も平身低頭して謝りに来た。
「遠路来ていただいた濃姫のうひめ様には、本当に申し訳なく……」
「いえ、あの、大丈夫です。覚悟してましたし……って、あ……」
 余計な一言を言ったなと思って思わず口に手を当てたが、遅かった。
 政秀は毛の少ない頭を必死に畳にこすりつけて、再び美夜に謝罪してくる。
「本当に……本当に申し訳ございません……!!」
 美夜は何だかこの男がとても気の毒に思えてきた。
 きっと、今回だけでなく、さまざまな場面で、若の代わりにこの人が誰かに頭を下げ続けているのだろう。
 それにしても、花嫁よりも支度に時間のかかる花婿なんて、元にいた世界でも聞いたことがない。
(まあ、大うつけって聞いてたし、想定の範囲内だわ。相手がどんなぼんくら男であろうが、兄様を人質に取られている私には断ることなんてできないもの)
 諦めたようにため息をつく美夜を見て、各務野も苦笑している。
「結婚式って、どこもこんなふうにばたばたするものなの?」
「普通はもう少し……まあ、相手は信長様ですから……」
 返答に困って各務野は言葉を濁してしまう。
「そうよね。まあ、気長に待つわ」
「ええ……それがよろしいかと」
 それからまたしばらく待ったが、なかなか新郎は現れなかった。
「それにしても、尾張の人たちは皆、私のことを帰蝶ではなく濃姫と呼ぶのね?」
「それはおそらく、帰蝶様が美濃の姫であるからでしょう。お名よりも、そのほうが尾張の者たちにはしっくりと来るのではないでしょうか?」
「そっか……なるほど。美濃の姫だから濃姫。そういうことだったんだ。けっこう安直な理由だったのね」
 濃姫という名は日本史の授業に出てきたのを覚えている。織田信長の正室、そして、斎藤道三の娘。かろうじてその程度の知識はある。
(それにしても……私の夫はいったいいつになったら現れるのかしら……)
 いい加減に待つことにも疲れ始め、欠伸を堪えるのも辛くなり始めた頃……。
 どすどすと乱暴に床を叩く足音が聞こえてきた。
 それと同時に、おそらく政秀のものであろう悲鳴のような声も。
「若! まだ行ってはなりませぬ! そのような格好を花嫁に見せるなど……」
 政秀が言い終わるか言い終わらないかのうちに、乱暴に部屋の襖が開け放たれた。
「あ……」
 思わず視線を向けたそこに、ふんどし姿の少年が立っていた。しかも、頭から足の先まで、泥だらけの格好だ。
「うっ、くさ……っ……」
 少年から漂ってくる何ともいえない臭いに、美夜は思わず顔をしかめ、鼻を手で覆った。
「久しいの。お濃」
「え……っと、まさか貴方が私の……?」
 おそるおそる聞くと、少年は泥だらけの顔を破顔させる。
「そうだ。俺がそなたの夫よ。一度顔を合わせているはずだがな」
「あ、そ、そうでしたね。失礼しました」
 そう言えば……信長は帰蝶の顔を知っていると道三は言っていた。うっかりそれを忘れていたことに慌てたが、美夜は何とか平静を装う。
「お顔が泥だらけですから、どなたか分かりませんでした」
 美夜がそう言いつくろって笑うと、信長も笑った。
「確かにそうだ。あの時は顔に泥などついてはなかったからな!」
(何というか……思ったより、ひどい……かも? これは先が思いやられそうだわ……)
 正直に言って、自分の身体を預けるわけだから、清潔な男のほうが良いに越したことはない。その上、顔が整っていればさらに救いがあるが、泥だらけの顔を見ただけでは、不細工なのかそれとも普通に見られる程度の顔なのかすら判断できない。
(泥だらけにふんどし一丁の姿で花嫁のところへ現れるなんて……やっぱり変わった人……)
「お濃! 土産を持ってきてやったぞ。探すのに苦労したがな。受け取れ!」
 そう言って、信長と思われる少年は、美夜に向かって竹で編んだカゴのようなものを投げてよこした。
 カゴはかなり重くて、たぷたぷと音がすることから察すると、どうやら水気のあるものがそこに入っているようだった。
(な、何なのかしら……ものすごい臭いがするけど……)
 カゴの中をのぞき込んでもよく見えない。カゴを逆さまにしてみると、そこから泥水と一緒にぬるぬるしたものが大量に流れ落ちた。
(な、なにこれ!? ミミズ!? 大量!?)
「ひっ!? いっ、いやああああ――っ!!!!」

 それから、いったいどのぐらいの時間が経ったのか分からない。
 目を覚ましたとき、美夜はせっかく着替えた花嫁衣装を脱がされ、襦袢姿で布団の中にいた。
「気がつかれましたか?」
 各務野が心配そうにのぞき込んでいる。
 美夜は慌てて布団の上に身体を起こした。
「ご、ごめんなさい……私……気を失って……?」
 そう問いかけると、各務野は苦笑しつつ頷いた。
「あれは仕方がありません。あのようなものを帰蝶様に……やはり信長様は変わった御方です」
「あのぬるぬるしたのは何だったの? やっぱりミ……ミミズ……?」
「いいえ、あえはミミズではなくドジョウです。信長様は帰蝶様のためにと、自ら泥田に飛び込んで取ってきてくださったらしいのですが……」
「ドジョウ……」
 ドジョウと聞いて美夜は少しだけほっとした。
 ドジョウなら、高級料理店などでも食べられている生き物だ。それなら何とか耐えられる。
 泥でよく見えなかったこともあったが、美夜には大量の巨大ミミズのように見えてしまったのだった。
「ドジョウだって分かってたら、卒倒することもなかったのに。もっとちゃんと確かめれば良かったわ。迷惑をかけてごめんなさい、各務野……」
「いいえ。帰蝶様がお謝りになる必要はございません。どう考えても、信長様に非がございます。花嫁に贈り物をしようというお心遣いは良いことですが、料理したドジョウならともかく、生きたドジョウをそのまま花嫁に手渡すなど、わたくしも聞いたこともございません」
 各務野の声は落ち着いてはいたが、信長に対して少し怒りのようなものも感じているように思える。
(まあ、侍女としては当然の感情よね。自分の仕える人がぞんざいに扱われたも同然だし……)
「あの……婚儀はどうなったのかしら?」
「今は宴が執り行われています。信長様は出席なされておりますが、帰蝶様は具合がおよろしくなりましたら出てこられるようにと、当主の信秀様から言づてがありました」
「そう。じゃあ、できればもう婚儀に戻ったほうが良いのよね?」
「ご無理でないようでしたら。あのようなことがあった後なので、お疲れだとは思いますが……」
 気遣うように各務野は言ってくれる。きっと、本当は急いで婚儀の場に出る必要があるのかもしれない。
「分かったわ。もう一度着替えなくちゃね。手伝ってもらえる?」
「はい。かしこまりました」

 白い小袖に上着をはおり、その上に色とりどりの花の絵が描かれた豪奢なうちかけをはおる。
 十二単ほどではないにしろ、元の世界の衣服からは考えられないほどの重ね着だ。
(夏じゃなくて良かった……)
 美夜はしみじみとそう思う。
 途中、田植えを終えたばかりのような田んぼを見たので、今のこの世界の季節はおそらく初夏、もしくは春の終わり頃なのだろうと美夜は推測している。
 着替えを終えた美夜は、各務野とともに婚儀の宴が行われている広間へと向かう。
 各務野にどうすれば良いのか聞いてみたが、ただそこに座っているだけで良いらしい。
 それはそれで、長時間になると疲れてしまいそうだけど……婚儀も含めて兄の安全マージンとして美夜は耐えるしかない。
 美夜が広間に到着し、案内されて花婿の信長の隣に座ると、周囲の者たちからため息が漏れた。
「噂に聞いていたとおり、濃姫様はお美しい御方じゃ」
「若、しっかりと濃姫様をお守りせねばなりませぬぞ」
「若はとんだ破天荒者じゃが、幸せなお人じゃ。このように美しい花嫁をもらうことができたのですからな」
 お世辞か何だかよく分からないが、列席した者たちに言葉をかけられるたび、微笑み、軽く会釈をする。
 自分から声をかけることは必要ない、むしろなるべく口は聞かないほうが良いと各務野に聞いていたので、思わず返事をしそうになっても、そこはぐっと堪えた。
 信長は先ほどのあられもない格好からきちんとしたこぎれいな着物に着替え、泥も落とし、髪も結い直していた。
 ちらりと横目で見ると、見た目は悪くない……というよりも、妙な行動さえ取らなければ、年頃の女子たちが騒ぎ立てるであろうと思われるような美少年だ。
(兄様もこの年頃は綺麗な顔立ちの美少年だったけど……それにも劣らないぐらい……ううん、やっぱり兄様のほうが優しくて頭も良いし、落ち着いてるし。比べるのが間違っていたわね……)
 信長の年齢は美夜と同い年の十六なのだという。ただし、本物の帰蝶は美夜よりひとつ下だったので、間違っても同い年などと誰かに言ってはいけないのだ。
(私よりひとつ年下なだけの女の子が、この人と結婚したくないがために、自ら命を絶った……)
 そう考えると、この時代の人たちは、美夜よりもずっといろんなことを考えて生きているのかもしれないと思う。
 愛想笑いをするだけの宴は退屈で、美夜は時々隣の信長を眺めては、こんな子どもみたいな男の子が自分の夫になるのか……と、落胆したり、兄様のためだから仕方がないと自分を宥めたりして時間を潰した。

 一日目の宴から解放されたのは、夜もかなり遅くなってからだと思う。時計がないし、時間の呼び方が元の世界とは違うので、『子の刻を過ぎたところでございます』などと言われても、ぴんと来なかった。
 ただ、明日も早朝からさまざまな行事があるので、あまり眠る時間がないことなどを各務野から伝えられたので、けっこうな夜中なのだなと推察したに過ぎない。
「そう言えば、その……私は一人で寝ても大丈夫なのかな? 信長……様と一緒に寝なくちゃいけないってことはないの?」
 部屋を出ようとした各務野を呼び止めて思わず聞いたのは、新婚初日は『初夜』というものがあるだろうと美夜は覚悟していたからだった。
「信長様と初めてお床を共になさるのは、三日目の夜でございます。今日はお一人でごゆっくりお休みください」
 各務野のその言葉に、美夜は心底ほっとした。
「そう、ありがとう。ちょっと安心した。おやすみなさい」
「はい。おやすみなさいませ」
 各務野が静かに襖を閉めると、疲労がどっとこみ上げてきて、美夜は朝まで目を覚ますことなく眠り続けたのだった。

 翌日は早朝から着替えを済ませて支度をし、領地内の各所への挨拶回りだった。
 信長と一緒にあちらこちらへ引っ張り回され、喋ることも許されず、愛想笑いだけを続けることの疲労が限界に達しそうになったとき、少し休憩を取ろうという話になった。
 美夜は正直、助かったと思った。
「お濃、こちらへ来い」
 信長に呼ばれ、各務野に視線を向けると、言うとおりにしなさいと言うように、各務野が頷く。
 信長の傍に行くと、彼は川を眺めていた。
「何でございましょうか?」
 各務野を見習って、いちおう丁寧に問うてみる。
「鮎が泳いでいる」
「鮎?」
 信長の横に並んで美夜も川をのぞき込んでみた。
 確かに、何匹かの魚の影が、川の流れの中に見て取れた。それが鮎なのかどうかは、美夜には判断できないけれども。
「お魚がお好きなんですか?」
「肥えた良い鮎がおれば、今日の夕餉に料理させてそなたに食わせようと思うたのだ。しかし、小ぶりのものばかりだな」
「な、なるほど……」
(昨日はドジョウ、そして今日は鮎。信長は私のことをそんなに食いしん坊だと思っているのかしら……)
 そんなことを考えていると、隣の信長が美夜の顔をのぞき込んでくる。
「疲れたか?」
「いいえ。大丈夫でございます」
 いちおう、気を遣ってくれたのかなと美夜は意外に思った。
 乱暴で破天荒なだけと思っていたけど、そういう気遣いもできるのなら、少し救いはあるかもしれない。
「お濃。俺と初めて会うた日のこと、覚えておるか?」
 それを聞かれるとかなり困るのだけど……と思いつつ、一応申し訳なさそうに美夜は答える。
「申し訳ありません。何となくお会いしたような記憶はあるのですが……」
「ふむ、そうか……」
 少し残念そうな顔をする信長に、多少の罪悪感を感じる。
 信長が見た帰蝶は、自分とは別人の帰蝶なのだ。
 そして、その帰蝶はもうこの世にはいない。
「しかしそなた、少し雰囲気が変わったな」
 別人であることに気づかれたのだろうかと思い、美夜は心臓が跳ね上がりそうになる。
「そ、そうでございましょうか?」
「ああ。前に会うた時よりも、さらに美しゅうなった」
「え……ぁ……あの、ありがとう……ございます……」
 美しいなどと面と向かって言われると、顔が熱くなってしまう。
 とりあえず、別人であることには気づかれていないようで、美夜は心の中で安堵した。
「そうやって、恥ずかしがっている顔も良い」
「か、からかわないでください……っ……」
 思わず素の自分に戻ってしまいそうになって、美夜は咳き込むふりをして何とか落ち着きを取り戻そうとした。
「信長様はお人が悪いです」
「そうよ。知らぬのか? 俺は大うつけなのだぞ?」
「ご、ご自分でそのように言うものではありません」
「皆、そう言っておるぞ」
「ですが、たとえ何人がそう言おうとも、ご自分で大うつけなどと言うのは感心しません。せめてご自分でだけは否定されてみてはいかがですか?」
 美夜がそう言うと、信長は顔をくしゃくしゃにして笑い出してしまった。
「な、何がおかしいのですか?」
「いや……そのように言う者が初めてだったからな。お濃、そなたも俺と同じぐらい、変わっておるな」
「の、信長様と一緒に……いえ、何でもありません……」
 信長と一緒にされては困る……そう言いかけて慌てて言葉を濁したが、その様子がおかしかったのか、信長はまだ笑い続けている。
(な、何だか調子が狂うわ……もっと本当に馬鹿なのかと思ったけど……そういうわけでもなさそうな気もするし……ううん、でもやっぱりただの馬鹿なのかも……)
「お濃……」
 呼ばれて顔を上げると、信長の顔が自分の顔の間近にあった。
 それがどんどん近づいてきて、気がつくと唇が重なっていた。
(キス……してる……?)
 すでにファーストキスは大好きな兄と済ませたはずなのに、美夜は大いに動揺していた。
 しかし、信長はそんな美夜の様子に構うことなく、唇を強く押しつけ、舌を出して美夜の唇や歯をなぞるようにする。
 美夜が兄に対してしたものとは、別物の激しい接吻だった。
「ん、ふ……やっ、ん……っ……!」
 兄以外の男を、こんなに身近で感じたのは初めてだった。
 信長のキスは次第に激しさを増していき、開いた美夜の唇を割って、舌を口腔にまでねじ込んでくる。
「ん、ぅっ、ふ……んっ、く……ぁっ……やっ……」
 反射的に逃げだそうと美夜はもがいたが、その華奢な身体に似合わず、信長は恐ろしいほどの力で美夜を抱き寄せる。
「ん、やっ、ん、の……んっ、ぁ……っ……!」
 息をするのも苦しいほどに、口の中を信長の舌が這い回る。
「やっ……やめてください……!!」
 やっとの思いで、美夜は信長の身体を突き飛ばすようにして離れた。
「何を嫌がる。俺とそなたは夫婦めおとではないか」
 信長が怪訝そうなのも無理はない。確かにここへやって来たときから、美夜は信長の妻となった。だからキスのひとつやふたつ……そしてそれ以上のことが行われても、拒む権利はない。今のは美夜が悪かったのだ。
「そ、そうですね……申し訳……ありません……」
 息を喘がせながら美夜が謝罪すると、信長が怪訝そうに首をかしげた。
「そなた……泣いておるのか?」
「え……」
 信長の言葉に、美夜は驚いた。
 頬を熱いものが伝っている。
 信長が指摘したとおり、どうやら自分は泣いてしまっているらしい。
 瞳から、熱いもの溢れだしてしまい、止まらなくなってしまう。
「ご、ごめんなさい……私……っ……」
 必死に涙を拭っても、次から次に新たな水滴が溢れだしてくる。
「何がそんなに悲しいのだ?」
「わ、分かりません……っ……」
 自分でも、覚悟を決めていたはずなのに、今さらどうして涙が出るのか理解できなかった。
 こんなことにならないために、ファーストキスだって兄と済ませてきたのだ。
 キス以上のものだって、信長に捧げる覚悟でここまで来たのに。
 でも、頭で想像していたものと、実際に身をもって経験するのとでは、まったく感覚が違う。
 何か自分の大切なものが奪われ、二度と戻って来ないような気がしてして……。
 涙が出るばかりでなく、身体も震え始めてしまう。
(お願い兄様、私を助けて……!)
「お濃……?」
 心の中の叫びは、信長にまでは聞こえないはずだが。
 信長は奇妙なものでも見るように、美夜を見つめている。
「ご、ごめんなさい……っ……!!」
 美夜はそう告げると、信長に背を向け、逃げるように駆けだした。
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