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第四十九話 体絶命と聖なる覚醒
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オルダス宰相の私室の奥、禁断の祭壇が置かれた隠し部屋。
剥き出しになった黒幕の悪意と、抜き身の短剣を構えてじりじりと迫り来る宰相本人を前に、レティシアとナタリアは絶体絶命の窮地に立たされていた。
部屋には逃げ場がなく、宰相の全身から発せられる圧倒的な闇のオーラは、レティシアの呼吸さえも困難にさせるほどだった。
ナタリアは恐怖に震えながらも、レティシアの前に立ちはだかり、必死に彼女を守ろうとしていた。
「フハハハ…! まさか聖女自らが、この我が聖域に迷い込んでくるとはな。これもまた運命か。クリストフ皇子の魂を完全に闇に染める前に、まずは貴様から血祭りにあげてやろう。聖女の清らかな血は、我が儀式をさらに強力なものにするだろうよ!」
オルダス宰相は、狂気に満ちた哄笑を響かせた。その瞳は赤黒く濁り、もはや人間の理性を失っているように見える。
彼が長年、この隠し部屋で禁断の魔術と闇の精霊との契約を繰り返し、その魂を少しずつ闇に売り渡してきた結果なのだろう。
彼の背後にある黒曜石の祭壇は、彼の邪悪な意志に呼応するかのように、不気味な紫色の光を明滅させ始めた。
「なぜこのような恐ろしいことを…! あなたは長年、皇帝陛下に忠誠を誓い、帝国に尽くしてきたはずでは…!?」
レティシアは、恐怖と混乱の中で、かろうじて言葉を絞り出した。
目の前の男が、かつて尊敬すべき帝国の重鎮であったとは、にわかには信じられなかった。
「忠誠? 帝国への貢献? フン、笑わせるな! あれは全て、この日のための偽りの姿よ! 我がヴァレンシュタイン家は、代々、この帝国を影から操る真の支配者となるべく、その機会を窺ってきたのだ! ルイードも、そしてその愚かな息子クリストフも、我が野望の駒に過ぎん!」
宰相は唾を飛ばしながら叫んだ。彼の顔は憎悪と野心に歪み、醜悪な本性を露わにしていた。
「クリストフ様を…そして帝国を、あなたのような邪悪な存在の好きにはさせません!」
レティシアは、恐怖を振り払い、強い意志を込めて言い放った。ナタリアもまた、震える声で叫ぶ。
「妃殿下をお守りするためなら、この命、惜しくはありません!」
「愚かな…小娘どもが!」
宰相は吐き捨てるように言うと、短剣を構え、一気に間合いを詰めてきた。
その動きは、老齢とは思えないほど素早く、殺気に満ちていた。ナタリアはレティシアを庇うように前に飛び出し、宰相の刃を受け止めようとした。
「ナタリア! 危ない!」
レティシアが叫んだ瞬間、ナタリアの腕が鋭い刃によって切り裂かれ、鮮血が飛び散った。
「きゃあっ!」
ナタリアは悲鳴を上げ、床に崩れ落ちる。
「ナタリア!!」
レティシアはナタリアに駆け寄ろうとしたが、宰相がその行く手を阻んだ。
「次は貴様の番だ、聖女よ! その美しい顔を、恐怖と絶望に染めてくれるわ!」
宰相の短剣が、レティシアの喉元めがけて突き出される。レティシアは反射的に目を閉じた。もはやこれまでか、と覚悟した瞬間だった。
彼女の全身から、眩いばかりの黄金色の光が、まるで内側から爆発するように迸ったのだ。
「なっ…!?」
オルダス宰相は、その予期せぬ強烈な光に目を焼かれ、思わず後ずさった。
光は隠し部屋全体を包み込み、祭壇から発せられていた不気味な紫色の光を打ち消していく。
レティシアの体は、まるで太陽のように輝き、その瞳は神々しいまでの慈愛と、そして邪悪を許さぬ強い怒りの光を宿していた。
彼女は、ナタリアを傷つけられた怒りと、クリストフを守りたいという強い想い、そして絶体絶命の状況の中で、聖女としての潜在能力を、無意識のうちに最大限に解放したのだ。
「これ以上…誰も傷つけさせはしません…!」
レティシアの声は、普段の穏やかなそれとは異なり、厳かで、有無を言わせぬ力強さに満ちていた。
彼女の全身から発せられる黄金色の光は、宰相の纏う闇のオーラを焼き払い、彼に激しい苦痛を与えているようだった。
「ぐ…うぉおお…! この光は…まさか、これほどまでの聖なる力を…!?」
宰相は顔を覆い、苦悶の声を上げる。
彼の体からは、黒い煙のようなものが立ち上り、徐々にその勢いを失っていくのが見えた。
レティシアは、負傷したナタリアを抱きかかえ、宰相を睨みつけた。
彼女の瞳からは、もはや恐怖の色は消え失せ、聖女としての使命感と、愛する人々を守るための揺るぎない決意だけが燃えていた。
「あなたの邪悪な企みは、私が必ず阻止します。クリストフ様も、この帝国も、あなたの好きにはさせません!」
黄金色の光は、さらにその輝きを増し、部屋全体を浄化していくようだった。
祭壇に並べられていた不気味な道具は次々とひび割れ、壁に貼られた呪符は燃え上がり、床の魔法陣もその効力を失っていく。
オルダス宰相は、その圧倒的な聖なる力の前に、なすすべもなく後退し、壁際に追い詰められていた。彼の顔には、焦りと、そして初めて見せる恐怖の色が浮かんでいた。
「おのれ…聖女め…! だが、これで終わりだと思うなよ…! 我が計画は、まだ始まったばかりだ…!」
宰相は、最後の力を振り絞るように叫ぶと、隠し通路の奥へと姿を消そうとした。
しかし、レティシアはその逃亡を許さなかった。彼女は片手を宰相に向け、強く念じた。
「逃がしません!」
黄金色の光の奔流が、宰相の足元に絡みつき、彼の動きを封じ込める。
それは、物理的な拘束ではなく、彼の魂そのものを縛り付けるような、聖なる力の鎖だった。
「ぐ…動けん…! まさか、これほどの力を、この若さで…!」
宰相は床に膝をつき、驚愕と絶望の表情でレティシアを見上げた。
その時、隠し通路の入り口の方から、複数の足音が聞こえてきた。
「妃殿下! ご無事ですか!?」
現れたのは、レティシアの異変を察知し、駆けつけた皇宮の衛兵たち、そして皇帝ルイード本人だった。
皇帝は、隠し部屋の惨状と、床に膝をつくオルダス宰相の姿を見て、全てを悟ったように顔を険しく歪ませた。
「オルダス…貴様だったのか…!」
皇帝の声には、長年の信頼を裏切られた怒りと、深い悲しみが込められていた。
レティシアは、衛兵たちに宰相の身柄を確保するよう指示すると、ナタリアの元へ駆け寄り、その腕の傷に手を当て、治癒の光を注いだ。ナタリアの傷はみるみるうちに癒えていき、彼女は涙ながらにレティシアに感謝した。
「妃殿下…ありがとうございます…私…」
「ナタリア、よく頑張ってくれました。もう大丈夫よ」
レティシアは優しく微笑んだ。
皇帝ルイードは、拘束されたオルダス宰相の前に立ち、静かに、しかし重々しく問いかけた。
「オルダス、なぜだ…なぜこのような真似をした? 長年、朕に仕え、帝国のために尽くしてきたお前が…」
宰相は、もはや抵抗する気力も失ったのか、力なく首を垂れたまま、低い声で呟いた。
「全ては…ヴァレンシュタイン家の悲願のため…そして、我が一族に伝わる、古の契約を果たすためよ…」
「古の契約…?」
皇帝が眉をひそめたその時、宰相は不気味な笑みを浮かべ、最後の言葉を吐き出した。
「フフフ…これで終わりではない…我が魂は、既に大いなる闇と一つ…クリストフ皇子は、いずれ必ず…必ずや…!」
その言葉を最後に、オルダス宰相はぐったりと意識を失った。
彼の体からは、完全に闇のオーラが消え失せ、ただの老人のように見えた。
レティシアは、宰相の最後の言葉に、不吉なものを感じずにはいられなかった。
黒幕の首魁は捕らえた。
しかし、戦いはまだ終わっていないのかもしれない。
宰相が言った「古の契約」とは一体何なのか。そして、クリストフの身に、まだ何か危険が迫っているのだろうか。
皇帝は、衛兵たちに宰相を厳重に地下牢へ移送するよう命じ、レティシアに向き直った。
「レティシア、そなたの勇気と力に、改めて感謝する。そなたがいなければ、我々は取り返しのつかない事態に陥っていたやもしれん」
「陛下…」
「しかし、オルダスの最後の言葉が気になる。まだ何か、我々の知らぬ脅威が潜んでいるのかもしれん。クリストフが戻るまで、厳戒態勢を敷き、徹底的に調査を進めねばならん」
レティシアも、皇帝と同じ思いだった。
オルダス宰相は捕らえたが、彼の背後にある「大いなる闇」の正体はまだ不明だ。
そして、その闇が、今まさに戦場で戦っているクリストフに、何らかの影響を及ぼす可能性も否定できない。
彼女の中で、新たな不安と、愛する人を守り抜くという強い決意が、再び燃え上がっていた。戦いは、まだ終わってはいないのだ。
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部屋には逃げ場がなく、宰相の全身から発せられる圧倒的な闇のオーラは、レティシアの呼吸さえも困難にさせるほどだった。
ナタリアは恐怖に震えながらも、レティシアの前に立ちはだかり、必死に彼女を守ろうとしていた。
「フハハハ…! まさか聖女自らが、この我が聖域に迷い込んでくるとはな。これもまた運命か。クリストフ皇子の魂を完全に闇に染める前に、まずは貴様から血祭りにあげてやろう。聖女の清らかな血は、我が儀式をさらに強力なものにするだろうよ!」
オルダス宰相は、狂気に満ちた哄笑を響かせた。その瞳は赤黒く濁り、もはや人間の理性を失っているように見える。
彼が長年、この隠し部屋で禁断の魔術と闇の精霊との契約を繰り返し、その魂を少しずつ闇に売り渡してきた結果なのだろう。
彼の背後にある黒曜石の祭壇は、彼の邪悪な意志に呼応するかのように、不気味な紫色の光を明滅させ始めた。
「なぜこのような恐ろしいことを…! あなたは長年、皇帝陛下に忠誠を誓い、帝国に尽くしてきたはずでは…!?」
レティシアは、恐怖と混乱の中で、かろうじて言葉を絞り出した。
目の前の男が、かつて尊敬すべき帝国の重鎮であったとは、にわかには信じられなかった。
「忠誠? 帝国への貢献? フン、笑わせるな! あれは全て、この日のための偽りの姿よ! 我がヴァレンシュタイン家は、代々、この帝国を影から操る真の支配者となるべく、その機会を窺ってきたのだ! ルイードも、そしてその愚かな息子クリストフも、我が野望の駒に過ぎん!」
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「愚かな…小娘どもが!」
宰相は吐き捨てるように言うと、短剣を構え、一気に間合いを詰めてきた。
その動きは、老齢とは思えないほど素早く、殺気に満ちていた。ナタリアはレティシアを庇うように前に飛び出し、宰相の刃を受け止めようとした。
「ナタリア! 危ない!」
レティシアが叫んだ瞬間、ナタリアの腕が鋭い刃によって切り裂かれ、鮮血が飛び散った。
「きゃあっ!」
ナタリアは悲鳴を上げ、床に崩れ落ちる。
「ナタリア!!」
レティシアはナタリアに駆け寄ろうとしたが、宰相がその行く手を阻んだ。
「次は貴様の番だ、聖女よ! その美しい顔を、恐怖と絶望に染めてくれるわ!」
宰相の短剣が、レティシアの喉元めがけて突き出される。レティシアは反射的に目を閉じた。もはやこれまでか、と覚悟した瞬間だった。
彼女の全身から、眩いばかりの黄金色の光が、まるで内側から爆発するように迸ったのだ。
「なっ…!?」
オルダス宰相は、その予期せぬ強烈な光に目を焼かれ、思わず後ずさった。
光は隠し部屋全体を包み込み、祭壇から発せられていた不気味な紫色の光を打ち消していく。
レティシアの体は、まるで太陽のように輝き、その瞳は神々しいまでの慈愛と、そして邪悪を許さぬ強い怒りの光を宿していた。
彼女は、ナタリアを傷つけられた怒りと、クリストフを守りたいという強い想い、そして絶体絶命の状況の中で、聖女としての潜在能力を、無意識のうちに最大限に解放したのだ。
「これ以上…誰も傷つけさせはしません…!」
レティシアの声は、普段の穏やかなそれとは異なり、厳かで、有無を言わせぬ力強さに満ちていた。
彼女の全身から発せられる黄金色の光は、宰相の纏う闇のオーラを焼き払い、彼に激しい苦痛を与えているようだった。
「ぐ…うぉおお…! この光は…まさか、これほどまでの聖なる力を…!?」
宰相は顔を覆い、苦悶の声を上げる。
彼の体からは、黒い煙のようなものが立ち上り、徐々にその勢いを失っていくのが見えた。
レティシアは、負傷したナタリアを抱きかかえ、宰相を睨みつけた。
彼女の瞳からは、もはや恐怖の色は消え失せ、聖女としての使命感と、愛する人々を守るための揺るぎない決意だけが燃えていた。
「あなたの邪悪な企みは、私が必ず阻止します。クリストフ様も、この帝国も、あなたの好きにはさせません!」
黄金色の光は、さらにその輝きを増し、部屋全体を浄化していくようだった。
祭壇に並べられていた不気味な道具は次々とひび割れ、壁に貼られた呪符は燃え上がり、床の魔法陣もその効力を失っていく。
オルダス宰相は、その圧倒的な聖なる力の前に、なすすべもなく後退し、壁際に追い詰められていた。彼の顔には、焦りと、そして初めて見せる恐怖の色が浮かんでいた。
「おのれ…聖女め…! だが、これで終わりだと思うなよ…! 我が計画は、まだ始まったばかりだ…!」
宰相は、最後の力を振り絞るように叫ぶと、隠し通路の奥へと姿を消そうとした。
しかし、レティシアはその逃亡を許さなかった。彼女は片手を宰相に向け、強く念じた。
「逃がしません!」
黄金色の光の奔流が、宰相の足元に絡みつき、彼の動きを封じ込める。
それは、物理的な拘束ではなく、彼の魂そのものを縛り付けるような、聖なる力の鎖だった。
「ぐ…動けん…! まさか、これほどの力を、この若さで…!」
宰相は床に膝をつき、驚愕と絶望の表情でレティシアを見上げた。
その時、隠し通路の入り口の方から、複数の足音が聞こえてきた。
「妃殿下! ご無事ですか!?」
現れたのは、レティシアの異変を察知し、駆けつけた皇宮の衛兵たち、そして皇帝ルイード本人だった。
皇帝は、隠し部屋の惨状と、床に膝をつくオルダス宰相の姿を見て、全てを悟ったように顔を険しく歪ませた。
「オルダス…貴様だったのか…!」
皇帝の声には、長年の信頼を裏切られた怒りと、深い悲しみが込められていた。
レティシアは、衛兵たちに宰相の身柄を確保するよう指示すると、ナタリアの元へ駆け寄り、その腕の傷に手を当て、治癒の光を注いだ。ナタリアの傷はみるみるうちに癒えていき、彼女は涙ながらにレティシアに感謝した。
「妃殿下…ありがとうございます…私…」
「ナタリア、よく頑張ってくれました。もう大丈夫よ」
レティシアは優しく微笑んだ。
皇帝ルイードは、拘束されたオルダス宰相の前に立ち、静かに、しかし重々しく問いかけた。
「オルダス、なぜだ…なぜこのような真似をした? 長年、朕に仕え、帝国のために尽くしてきたお前が…」
宰相は、もはや抵抗する気力も失ったのか、力なく首を垂れたまま、低い声で呟いた。
「全ては…ヴァレンシュタイン家の悲願のため…そして、我が一族に伝わる、古の契約を果たすためよ…」
「古の契約…?」
皇帝が眉をひそめたその時、宰相は不気味な笑みを浮かべ、最後の言葉を吐き出した。
「フフフ…これで終わりではない…我が魂は、既に大いなる闇と一つ…クリストフ皇子は、いずれ必ず…必ずや…!」
その言葉を最後に、オルダス宰相はぐったりと意識を失った。
彼の体からは、完全に闇のオーラが消え失せ、ただの老人のように見えた。
レティシアは、宰相の最後の言葉に、不吉なものを感じずにはいられなかった。
黒幕の首魁は捕らえた。
しかし、戦いはまだ終わっていないのかもしれない。
宰相が言った「古の契約」とは一体何なのか。そして、クリストフの身に、まだ何か危険が迫っているのだろうか。
皇帝は、衛兵たちに宰相を厳重に地下牢へ移送するよう命じ、レティシアに向き直った。
「レティシア、そなたの勇気と力に、改めて感謝する。そなたがいなければ、我々は取り返しのつかない事態に陥っていたやもしれん」
「陛下…」
「しかし、オルダスの最後の言葉が気になる。まだ何か、我々の知らぬ脅威が潜んでいるのかもしれん。クリストフが戻るまで、厳戒態勢を敷き、徹底的に調査を進めねばならん」
レティシアも、皇帝と同じ思いだった。
オルダス宰相は捕らえたが、彼の背後にある「大いなる闇」の正体はまだ不明だ。
そして、その闇が、今まさに戦場で戦っているクリストフに、何らかの影響を及ぼす可能性も否定できない。
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