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第五十六話 カルロスの告白と古の盟約
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カルロス・ディーンの口から発せられた「私の家系が長年追い続けてきた、最も危険で、忌まわしい謎の一つ」という言葉は、クリストフとレティシアに新たな衝撃を与えた。
彼がただの商人ではないことは薄々感づいていたが、まさかこれほどまでに帝国の深奥に関わる秘密を追っていたとは、想像もしていなかった。
彼の表情はいつになく真剣で、その瞳の奥には、長年にわたる苦悩と、何かを成し遂げようとする強い意志のようなものが隠されているように見えた。
「ディーン殿、あなたの家系が『黒曜の円卓』とザルゴスの契約を追っていたとは、一体どういうことなのですか? あなたは、一体何をご存知なのですか?」
クリストフは、身を乗り出すようにして問い詰めた。
謁見の間には、三人以外の人影はなく、重苦しいほどの静寂が漂っている。
カルロスは、しばらくの間、窓の外に広がる帝都の景色を眺めていたが、やがて意を決したように、ゆっくりと口を開いた。
「…お話しする前に、一つだけお約束いただきたいことがございます。これから私がお話しすることは、我が一族に代々伝わる極秘の伝承であり、その内容は、ヴァリス帝国の根幹を揺るがしかねないほど重大なものです。どうか、この話を聞いた後も、冷静さを失わず、そして決して他言なさらぬと」
その言葉には、尋常ではない重みがあった。
クリストフとレティシアは顔を見合わせ、そして同時に頷いた。
「約束しよう。ディーン殿、あなたの言葉を、我々は真摯に受け止める」
クリストフの力強い返答に、カルロスは安堵したように息をつき、そして衝撃的な告白を始めた。
「私のディーン家は、表向きはただの豪商の一族として知られておりますが、その裏では、数世紀にわたり、ある使命を密かに受け継いでまいりました。それは、かつてヴァリス帝国建国の際に、初代皇帝と、光の精霊王ルシア、そして…ある闇の勢力との間で交わされたとされる『古の盟約』の監視と、その均衡を守ることでございます」
「古の盟約…? 光の精霊王だけでなく、闇の勢力とも…?」
レティシアは息を飲んだ。
光の精霊王ルシアは、聖女である彼女に力を与える存在だ。
そのルシアが、闇の勢力と盟約を結んでいたなど、にわかには信じがたい話だった。
「はい。ヴァリス帝国建国は、歴史の正史では光の力による輝かしい偉業として語られておりますが、その裏では、建国の英雄たちが、強大な闇の力を持つ存在…その筆頭が“虚無喰らい”ザルゴスでしたが…彼らと、ある種の不可侵条約、あるいは力の均衡を保つための盟約を結んでいたという伝承が、我が一族には残されております。それは、あまりにも危険な真実ゆえに、歴史の闇に葬り去られたのです」
カルロスの言葉は、レティシアが古文書で見た、初代皇帝が「影の力」を利用したという記述と奇妙に符合していた。
「その盟約とは、具体的にどのようなものだったのですか?」
クリストフが問いかける。
「盟約の詳細は、完全には伝わっておりません。しかし、その核心は、光と闇の勢力が互いの領域を侵さず、世界の均衡を保つこと。そして、万が一、その均衡が破られ、どちらかの力が暴走しようとした際には、盟約の監視者である我がディーン家が、それを阻止する役割を担う、というものだったと聞いております。そして、その盟約の証として、光と闇、双方の力が込められたとされる、いくつかの古代遺物が存在するとも…」
「では、ヴァレンシュタイン家とザルゴスの契約は、その『古の盟約』を破る行為だったということですか?」
レティシアが尋ねると、カルロスは重々しく頷いた。
「左様です。ヴァレンシュタイン家は、ザルゴスとの個人的な契約によって、盟約によって封じられていたはずの闇の力を解放し、世界の均衡を破壊しようとしたのです。そして、『黒曜の円卓』は、その背後で糸を引き、ザルゴスの力を利用して、彼らの歪んだ理想郷を築こうと画策していた…私はそう考えております。彼らは、盟約の存在を知りながら、それを意図的に無視し、あるいは破壊しようとしたのです」
「なぜ、あなたのディーン家が、そのような重大な使命を…?」
クリストフの疑問はもっともだった。
一介の商家が、帝国の存亡に関わる盟約の監視者であるなど、通常では考えられない。
カルロスは、僅かに寂しげな表情を浮かべた。
「…我がディーン家の先祖は、ヴァリス帝国建国の英雄の一人でありながら、その盟約の危険性を深く憂い、表舞台から姿を消し、影から世界の均衡を見守る道を選んだと伝え聞いております。以来、我々は莫大な富を築き、世界中に情報網を張り巡らせることで、盟約の破綻に繋がるような闇の動きを監視し続けてきたのです。オルダス宰相の不審な動きに気づいたのも、そのためでした」
彼の告白は、あまりにも壮大で、にわかには信じがたいものだったが、その言葉には嘘偽りのない真実の響きがあった。
レティシアは、彼から発せられる気配に、以前感じた複雑さの理由を理解した気がした。彼は、光でも闇でもない、その狭間で世界の均衡を守ろうとする、孤独な監視者だったのだ。
「では、ディーン殿。あなたは、『黒曜の円卓』の現在の活動拠点や、彼らが何を企んでいるのか、何かご存知なのでは?」
クリストフが核心に迫る。
カルロスは再び深いため息をつき、そして、さらに衝撃的な事実を告げた。
「…『黒曜の円卓』は、単にザルゴスの力を利用するだけでなく、もっと恐ろしい計画を進めている可能性があります。それは、古の盟約そのものを破壊し、光と闇の境界を曖昧にし、世界を混沌に陥れることによって、彼らが信奉する『原初の神』とでも言うべき存在を、この世に降臨させようとしているのかもしれません」
「原初の神…?」
「はい。それは、光も闇も超越した、絶対的な混沌の力を持つとされる、伝説上の存在です。もし、そのようなものが現れれば、この世界は…」
カルロスの言葉は、想像を絶する破滅的な未来を暗示していた。
「『黒曜の円卓』の現在の指導者は、表向きは帝国の高名な学者でありながら、裏では禁断の魔術研究に手を染めている、アルベリッヒ・フォン・クロイツという男である可能性が高いと、私は睨んでおります。彼は、オルダス宰相に知識と力を与え、ザルゴスとの契約を唆した張本人かもしれません。そして、彼の目的は、ザルゴスの力を利用して、かの『原初の神』を降臨させるための、大規模な儀式を行うこと…」
「その儀式の場所は…?」
レティシアが息を詰まらせながら尋ねる。
カルロスは、一枚の古い羊皮紙の地図を取り出し、テーブルの上に広げた。
それは、ヴァリス帝国の古代遺跡の場所を示した地図だった。
そして、彼はその中の一点を指差した。
「ここです。帝都の地下深くに眠る、初代皇帝が築いたとされる禁断の聖域…あるいは、闇の祭壇。ヴァレンシュタイン家の古文書にも、その場所を示唆する記述があったはずです。そして、その場所は、かつてザルゴスが封印された場所とも言われています。『黒曜の円卓』は、そこで最終的な儀式を行おうとしているのではないでしょうか。そして、その儀式には、おそらく…強力な聖なる力を持つ存在、すなわち、聖女である妃殿下の力が必要不可欠となるはずです」
レティシアは、背筋に冷たいものが走るのを感じた。
黒幕の真の狙いは、クリストフだけでなく、自分自身にも向けられていたのだ。
彼らは、自分の聖なる力を、世界を破滅させるための儀式の贄として利用しようとしているのかもしれない。
「ディーン殿、あなたの情報に感謝する。我々は直ちに、その地下聖域の調査を開始する。そして、アルベリッヒという男と、『黒曜の円卓』の企みを阻止しなければならない」
クリストフは、決然とした表情で言った。
「殿下、お供いたします。この戦いは、もはや我がディーン家の使命でもあります。そして…私には、彼らを止めなければならない、個人的な理由もあるのです」
カルロスの瞳の奥に、深い悲しみと、そしてそれを乗り越えようとする強い決意の光が宿った。彼の過去に、一体何があったのだろうか。
帝国の運命を左右する、最後の戦いが始まろうとしていた。敵は、想像以上に強大で、その目的は計り知れないほど邪悪だった。
しかし、クリストフとレティシアには、信頼できる仲間と、そして何よりも互いを支え合う愛があった。
その愛の力こそが、迫り来る混沌と破滅の脅威から、世界を救う唯一の希望となるのかもしれなかった。
三人の視線が、固く交わされた。
彼がただの商人ではないことは薄々感づいていたが、まさかこれほどまでに帝国の深奥に関わる秘密を追っていたとは、想像もしていなかった。
彼の表情はいつになく真剣で、その瞳の奥には、長年にわたる苦悩と、何かを成し遂げようとする強い意志のようなものが隠されているように見えた。
「ディーン殿、あなたの家系が『黒曜の円卓』とザルゴスの契約を追っていたとは、一体どういうことなのですか? あなたは、一体何をご存知なのですか?」
クリストフは、身を乗り出すようにして問い詰めた。
謁見の間には、三人以外の人影はなく、重苦しいほどの静寂が漂っている。
カルロスは、しばらくの間、窓の外に広がる帝都の景色を眺めていたが、やがて意を決したように、ゆっくりと口を開いた。
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その言葉には、尋常ではない重みがあった。
クリストフとレティシアは顔を見合わせ、そして同時に頷いた。
「約束しよう。ディーン殿、あなたの言葉を、我々は真摯に受け止める」
クリストフの力強い返答に、カルロスは安堵したように息をつき、そして衝撃的な告白を始めた。
「私のディーン家は、表向きはただの豪商の一族として知られておりますが、その裏では、数世紀にわたり、ある使命を密かに受け継いでまいりました。それは、かつてヴァリス帝国建国の際に、初代皇帝と、光の精霊王ルシア、そして…ある闇の勢力との間で交わされたとされる『古の盟約』の監視と、その均衡を守ることでございます」
「古の盟約…? 光の精霊王だけでなく、闇の勢力とも…?」
レティシアは息を飲んだ。
光の精霊王ルシアは、聖女である彼女に力を与える存在だ。
そのルシアが、闇の勢力と盟約を結んでいたなど、にわかには信じがたい話だった。
「はい。ヴァリス帝国建国は、歴史の正史では光の力による輝かしい偉業として語られておりますが、その裏では、建国の英雄たちが、強大な闇の力を持つ存在…その筆頭が“虚無喰らい”ザルゴスでしたが…彼らと、ある種の不可侵条約、あるいは力の均衡を保つための盟約を結んでいたという伝承が、我が一族には残されております。それは、あまりにも危険な真実ゆえに、歴史の闇に葬り去られたのです」
カルロスの言葉は、レティシアが古文書で見た、初代皇帝が「影の力」を利用したという記述と奇妙に符合していた。
「その盟約とは、具体的にどのようなものだったのですか?」
クリストフが問いかける。
「盟約の詳細は、完全には伝わっておりません。しかし、その核心は、光と闇の勢力が互いの領域を侵さず、世界の均衡を保つこと。そして、万が一、その均衡が破られ、どちらかの力が暴走しようとした際には、盟約の監視者である我がディーン家が、それを阻止する役割を担う、というものだったと聞いております。そして、その盟約の証として、光と闇、双方の力が込められたとされる、いくつかの古代遺物が存在するとも…」
「では、ヴァレンシュタイン家とザルゴスの契約は、その『古の盟約』を破る行為だったということですか?」
レティシアが尋ねると、カルロスは重々しく頷いた。
「左様です。ヴァレンシュタイン家は、ザルゴスとの個人的な契約によって、盟約によって封じられていたはずの闇の力を解放し、世界の均衡を破壊しようとしたのです。そして、『黒曜の円卓』は、その背後で糸を引き、ザルゴスの力を利用して、彼らの歪んだ理想郷を築こうと画策していた…私はそう考えております。彼らは、盟約の存在を知りながら、それを意図的に無視し、あるいは破壊しようとしたのです」
「なぜ、あなたのディーン家が、そのような重大な使命を…?」
クリストフの疑問はもっともだった。
一介の商家が、帝国の存亡に関わる盟約の監視者であるなど、通常では考えられない。
カルロスは、僅かに寂しげな表情を浮かべた。
「…我がディーン家の先祖は、ヴァリス帝国建国の英雄の一人でありながら、その盟約の危険性を深く憂い、表舞台から姿を消し、影から世界の均衡を見守る道を選んだと伝え聞いております。以来、我々は莫大な富を築き、世界中に情報網を張り巡らせることで、盟約の破綻に繋がるような闇の動きを監視し続けてきたのです。オルダス宰相の不審な動きに気づいたのも、そのためでした」
彼の告白は、あまりにも壮大で、にわかには信じがたいものだったが、その言葉には嘘偽りのない真実の響きがあった。
レティシアは、彼から発せられる気配に、以前感じた複雑さの理由を理解した気がした。彼は、光でも闇でもない、その狭間で世界の均衡を守ろうとする、孤独な監視者だったのだ。
「では、ディーン殿。あなたは、『黒曜の円卓』の現在の活動拠点や、彼らが何を企んでいるのか、何かご存知なのでは?」
クリストフが核心に迫る。
カルロスは再び深いため息をつき、そして、さらに衝撃的な事実を告げた。
「…『黒曜の円卓』は、単にザルゴスの力を利用するだけでなく、もっと恐ろしい計画を進めている可能性があります。それは、古の盟約そのものを破壊し、光と闇の境界を曖昧にし、世界を混沌に陥れることによって、彼らが信奉する『原初の神』とでも言うべき存在を、この世に降臨させようとしているのかもしれません」
「原初の神…?」
「はい。それは、光も闇も超越した、絶対的な混沌の力を持つとされる、伝説上の存在です。もし、そのようなものが現れれば、この世界は…」
カルロスの言葉は、想像を絶する破滅的な未来を暗示していた。
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レティシアが息を詰まらせながら尋ねる。
カルロスは、一枚の古い羊皮紙の地図を取り出し、テーブルの上に広げた。
それは、ヴァリス帝国の古代遺跡の場所を示した地図だった。
そして、彼はその中の一点を指差した。
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レティシアは、背筋に冷たいものが走るのを感じた。
黒幕の真の狙いは、クリストフだけでなく、自分自身にも向けられていたのだ。
彼らは、自分の聖なる力を、世界を破滅させるための儀式の贄として利用しようとしているのかもしれない。
「ディーン殿、あなたの情報に感謝する。我々は直ちに、その地下聖域の調査を開始する。そして、アルベリッヒという男と、『黒曜の円卓』の企みを阻止しなければならない」
クリストフは、決然とした表情で言った。
「殿下、お供いたします。この戦いは、もはや我がディーン家の使命でもあります。そして…私には、彼らを止めなければならない、個人的な理由もあるのです」
カルロスの瞳の奥に、深い悲しみと、そしてそれを乗り越えようとする強い決意の光が宿った。彼の過去に、一体何があったのだろうか。
帝国の運命を左右する、最後の戦いが始まろうとしていた。敵は、想像以上に強大で、その目的は計り知れないほど邪悪だった。
しかし、クリストフとレティシアには、信頼できる仲間と、そして何よりも互いを支え合う愛があった。
その愛の力こそが、迫り来る混沌と破滅の脅威から、世界を救う唯一の希望となるのかもしれなかった。
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