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第六章
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しおりを挟む一旦部屋に戻って考えることにした。
「どうしよ…」
紹介ができるような兄なら苦労しないのだが、本人が今は興味無いと言っているのでどうしようも無い。
「ただいま戻りました」
一緒に帰ってくるはずだったのだが、ガイさんに呼び止められ話していたリーシェが戻ってきた。
長引きそうだったので先に戻ってきたのだが、意外にも早かった。
「おかえり、リーシェ。どうだった?」
「色々と言われたのですが…まず、殿下からガイさんへ、そしてお嬢様へと伝言です」
「何?」
「そのまま伝えますね。"本当なら今日会いに行きたかったのですが緊急な案件が入り、そうも行かなくなってしまいました…申し訳無いです"とのことです」
「あぁ…緊急案件?」
「それについては詳しく教えてもらえませんでした…」
「そう。きっと本当に大切なことなんでしょうね」
「それと…ジュゼッペ様について聞かれたのですが」
「え…なんて?」
「最近どうかと……」
「仲がということかしら?……気にしてくれてるのね」
「そうですね」
そういえば、赤月が昨日また明日って言ってたっけな。
「それよりも!ジュゼッペ様の恋の件よ…どうしましょうリーシェ」
「どうしようも何も…」
「どうしようもないわよね」
「はい…」
打つ手無しだ。
ジュゼッペ様に諦めろとも言えないし、兄様に恋に興味を持てとも言えない。
「……とりあえず、明日もジュゼッペ様の所行って様子見るくらいよね」
「そうですね」
ともかく今は見守るしかできないけど…。
色んな意味で良い方向にことが進んでくれますように…!
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