こんなとこじゃイヤ!

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城下

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「城下に行ってみるか?」

「行きたいっ!でも、行っても大丈夫なの?」

「大丈夫だ。変装していくからな」


 図書館での一件から数日後、レオが城下をお忍びで案内してくれることになった。


「バレないかな?」

「俺の顔は遠くからしか見たことないだろうから大丈夫だ」


 私達は街の人と同じような格好をして城下に来ていた。


「でも、オーラが隠しきれてない」

「ん?何かいったか?」

「な、何でもないよ!」

「?そうか」

「あっ!あそこで何してるのかな」

「行ってみるか」

「うん!」


 私達は人が沢山集まっているところに行った。

 近づいてみるとそこでは、炎を使った技や手品など、サーカスみたいなことをやっていた。


「わぁ!凄い!始めてみた!」

「そうなのか」


 しばらく見ていると、腹がすいてきた。


「そろそろお昼だな。あそこの店で買って食べるか」

「うん!お腹が減っていたから楽しみ」


 私達は出店みたいなお店でご飯と飲み物を買った。


「これ、タコスみたい」

「タコスて何だ?」

「私のいた日本とは、別の国の食べ物だよ」

「そうなのか、これはポイスという食べ物だ」

「そうなんだ」

「口に付いてるぞ」

「えっ!どこ!?」

「反対だ」


 すると、レオが私の口元を舐めた。


「なっ!こ、こんなとこでしないでよ!誰かに見られてるかもしれないじゃない」

「大丈夫だ。誰も見てない」


 そう言うと、レオは私の唇にキスをしてきた。


「~~っ!」

「可愛い。顔赤くなってるぞ」

「~~言わないでよ」


 ポイスを食べ終わて、レオが私の手を引いて立たせてくれた。


「甘いものでも食べるか?」

「うん!」

「食べたいものあるか?」

「ん~アイスクリームが食べたい」

「じゃあ行くか。あっちの方にあったはずだ」


 レオはそう言って、私の手を引いて歩き出した。


「レオ?手繋いだまま歩くの?」

「ん?嫌か?」

「嫌じゃないけど…」

「なら大丈夫だな」


 すると、レオは手を絡ませて繋ぎなおした。


「私が恥ずかしがるの分かっててやってるでしょ」

「そうだったらどうする」

「!もう」

「ははっ。桜は可愛いな。ほら、着いたぞ」


 お店は花などが飾られていて可愛い外装だった。


「可愛いお店だね」

「桜が好きそうだなと思ってここにしたんだ」

「そうなんだ!ありがとう」

「ほら、アイス選ぶんだろ」

「そうだった。どれにしようかな」

「オススメはアリアの味らしいぞ」

「アリアて何?」

「果物だよ」


「試食してみます?」


 すると、店員さんが聞いてくれた。


「お願いします!」

「旦那さんはどうします?」

「俺はいい」

「分かりました。ちょっと待っててくださいね」


「旦那さんて、言われたな」

「もうっ!」

「じゃあ、桜は奥さんだな」

「!」

「顔赤くなってるぞ」

「言わないでよ~!」


「どうぞ。これ試食ですよ」

「あ、ありがとうございます」


 アリアは、苺と似たような味がした。


「おいしい!私これにする。アリアのアイス一つください」

「はい。値段は、5マルクです。ありがとうございました」


「レオありがとう!レオは買わなくて良かったの?」

「ああ。大丈夫だ。桜、アイス垂れてきてるぞ」

「わぁ!」


 私は急いで食べたが、手にまでアイスが垂れてきていた。 


「手にまでアイス垂れてた。どうしよう」


 すると、レオが私の手首を掴み、私の手を一舐めした。


「んっ!」

「甘いな」


 レオは私の指に舌を絡めながら舐め始めた。


「ぁっん…、レオっ…」

「桜、エロい顔してる」

「んっ、ダメっ…」


 レオは私の手を舐めることを止め、私の手首を掴んだまま歩き出した。


「向こうに水道があるからそこで手を洗おう」

「う、うん」


 私が水道で手を洗い終えると、レオが私の手を握り締め、歩き出した。


「レオ。この後は、どこに行くの?」

「着いてからのお楽しみだ」



 しばらく歩き続けると、お花畑についたよ。


「わぁ!綺麗!」

「だろ?此処は俺が小さい頃、城を抜け出してよく来てたとこなんだ」

「そうなんだ。連れてきてくれてありがとう!」

「最近、勉強で疲れてそうだったから、連れてきて良かったよ」

「レオ、本当にありがとう!」


 すると、レオが真剣な声色で私の名前を呼んだ。


「…桜、好きだ」

「な、何?どうしたの?!」

「俺と生涯を供にしてほしい。だから、結婚して王妃になってくれないか」

「…結婚!?」

「ああ。王妃になるには今以上に勉強をしなくてはいけなくなると思うが、結婚してほしい」

「でも、どこの誰か分からない私を王妃にするの、周りの人達が反対するんじゃない?」

「それは、大丈夫だ。俺の親、前国王は恋愛結婚だったからそういうのは許容されている。それに、異世界から来た人は国で保護しなくてはならないから、結婚ということで保護する事にすればいい」

「そうなんだ」

「俺と結婚するのがいやなのか」

「い、嫌じゃないよ!」

「じゃあ、してくれるか」

「うん!」

「ありがとう。愛してるよ、桜」

「私も愛してるよ、レオ」


 私達はそう言って、抱き合い、流れるようにキスをした。







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