Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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一番怖いのは爺。

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 シモンは途端に侍女さん達のアイドルになった。お風呂に誰が入れるのか、お着替えを用意するのは誰か、着替えさせるのは?シモンの部屋に一緒に居るのは?とうとう決まらなくてイチャイチャしてた僕達のところになだれ込んできた。

「ノエル様!シモン様のお世話担当の指名をお願いします!」

「くじ引きで良くない?」

 皆信用してるから誰でも大丈夫だよと言うと、1人1人からアピールが始まった。横に一列に並んだと思ったら右端から

「私は弟妹合わせて4人の面倒を見ていた経験がございます!」
「私は城下でナニーを養成する学校に行っておりました!」
「私は街の母親支援で赤ちゃんのお風呂を担当しておりました!」
「私は今も医師の手伝いをしております!」
「私は…………シモン様を目を離さず見てられます!」

 ……熱意が凄い。
皆がシモンに夢中になってるのを良いことに長椅子に座るアーノルドに全身の力を抜いて抱き込まれ、アーノルドの腰に自分からも腕を伸ばして絡みついてアーノルドに顔を撫でられながらキスされて……もう凄いイチャイチャぶりだったところにこの熱意。
……なんだか全力でイチャイチャしていてゴメンナサイと謝りたくなった。

 とりあえずお風呂に入れてくれる人だけ指名してその後は僕と休むから返してとお願いしておく。おそらくその頃になるとミルクだしね。
 そして僕もアーノルドに手伝ってもらいながらお風呂……なんでかアーノルドは絶対に譲らなかった。
お風呂では僕の傷を見つける度に不機嫌になっていくし大きな痣を見た時は明らかに怒っていた。

 ……でもこの後、思いっきりの雷が爺から落ちた。

「ノエル様!!なんですかこの服は!!」

 アーノルドに水気を拭いてもらって水分補給用のお茶を渡してもらってと甲斐甲斐しいお世話の中、爺が僕の着ていた服を持って騒いでいる。

「それ僕がリメイクしたの。便利なんだよ。」

 服がどうしたのかとのぞき込んでくるアーノルドと怒り狂う爺に服の説明をした。

「この両方の胸ポケットの部分を一度切って、別布を裏に当てて補強した上でもう一度取り付けたの。こうして……ボタンを開けると、ほらミルクあげるの楽でしょう?」

 服を体に充てて胸ポケットの上ボタンを外すとペロッと胸の部分だけが捲れて授乳が簡単なんです!と言うとアーノルドは真っ赤になって下を向いてしまった。

「ノエル様!!」

 爺は怒ってます。なぜに?
洋服を切ったけどちゃんと着れるようにリメイクしたしムダにはしていない。横から見えないように工夫してあるからその点も大丈夫。見苦しいところも無いと思うけど……。

「爺……ノエルは本気でわかっていない……。」

 まだ真っ赤なままのアーノルドが爺に「ムダだ」と言った。

「ノエル……その……シモンに…与える時、どうやって与えていたの?」

 アーノルドがいつになくモゴモゴとくぐもった感じで聞いて来る。
 ……シモンに与える?何を??
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