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17 ただいま〜♡

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 「あれぇ?」


 ソフィアが従兄弟と隊長達を引き連れて廃棄ダンジョンの入口に戻ってきた。

 眼の前で見張りに残っていた兵士達が真っ裸(パンツは履いてる)の男達を縄で縛っているのを見て驚いた。


 「何かあったのかしら?」


 彼女らの元に副隊長の階級章の付いた制服を着た中年男性が駆けつける。


 「賊をひっ捕らえましたッ!」

 「「「賊?」」」


 首を傾げるソフィア達。

 副隊長の後ろから悠々と片手を上げて歩いてくる袴姿のプラチナブロンドの王子様。


 「ソフィー、アジェス」

 「あ、シル。来てたんだね」

 「よーう殿下。ああ、だからコイツら真っ裸なのか」



 ウンウンと頷くアジェスとソフィアに向かって


 「で? ベヒモスはどこだ?」


 事も無げにそう言う王太子。


 「ここだよ」


 ソフィアが青黒2色に塗り分けられた彼女の片手に収まるサイズのモン◯ターボールをポケットから取り出した。

 どうやら捕獲後に色が変わる仕様らしい。


 「流石だな」


 片眉を上げるシルファにニンマリ笑うソフィア。


 「青黒は中に対象物が入ってる証拠。赤白は空っぽのサインなの」


 確かに分かりやすいから安全かも知れない。



×××



 ――ダンジョン内、数分前に遡る。


 象のように大きなベヒモスの足元に赤白ツートンカラーのボールがコロリと転がったのを見た小隊長一行はソフィア以外は顔色が真っ青になった。


 「大丈夫だって。イケるイケるッ」


 ソフィア1人だけがマウンドに残った星◯雄馬のように、仁王立ちでベヒモスに向かい指を指して堂々としていた。

 一方、額に何かが当たったのは分かったのか一瞬だけ赤かった目が急に黒くなって首を傾げたベヒモスだったが、前足の先に転がるボールを見つけて踏み潰そうと片足を上げようとした・・・ が、その瞬間ボールの周りに金色の転移魔法陣が展開されたのである。

 かくして、全員が見守る中ベヒモスの姿は一瞬で搔き消え地面から30センチほど浮き上がっていたボールの色が変化してポトリと落ちた。


 「上手く行ったわねッ!」


 ニコニコ笑いながら残ったボールを拾いに歩いていくソフィア。

 彼女が手に持ったのは青と黒の2色に白い帯模様が入ったボールであった・・・



×××



 「って言うわけで、この中に入ってるよっ」


 ニコニコ笑顔で見上げてくる婚約者はたいへん愛らしく、押えた鼻から赤いモノがツツーっと流れるのをこらえる為にそっと胸元から手ぬぐいを取り出した王太子。


 呆れ返った目でアジェスが彼を見ていたがソレはガン無視するシルファ王子なのであった・・・


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