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第25話 ずっと一緒に
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私は、イルディンとともに布団の中にいた。
不安でいっぱいな私が安心するために、イルディンに一緒に寝てくれるようにお願いしたからだ。
少し大人になった弟は、少し強張っているような気がする。流石に、この年になって姉と同衾するのは色々と恥ずかしいのかもしれない。
「イルディン、ごめんね。無理を言って……」
「いや、大丈夫だよ。ただ、こんな風に一緒に寝るのは小さな頃以来だから、少し緊張してしまって……でも、別に嫌とかそういう訳ではないんだ。むしろ、嬉しいと思っているよ。これも、懐かしいという感情なのかもしれないね」
「そうなのね……」
どうやら、イルディンは私と一緒に寝ることを嬉しいと思ってくれているようだ。
子供の頃は、二人で同じ布団で眠ることなど、いつものことだった。部屋は、元々それぞれ別だったが、大抵は同じ部屋で過ごして、同じ部屋で寝ていた。
あの時のことを思い出して、懐かしいと嬉しくなる気持ちはわかる。私も、同じような気持ちになっているからだ。
「あの頃は、本当にずっと一緒にいたわね……」
「そうだね。確かに、僕も姉さんと一緒にいた記憶しかないよ」
「あ、でも、別に大きくなってからも変わらないかしら? 一緒にいることが多いのは、そこまで変わっていなかったわね……」
「そうかもしれないね」
私達は、小さな頃からいつも一緒にいた。
そう思った私だったが、別にいつも一緒にいるのは、今も変わらなかった。
成長しても、私達はそれ程変わっていない。結局、いつも一緒にいるのだ。
「このまま、ずっと一緒にいられるといいのにね……」
「え?」
「でも、それは無理よね。イルディンはこの家を継ぐ。私は、多分どこかの貴族を婚約する。こんな風に一緒にいられるのも今の内だけよね……」
「姉さん……」
色々と思っている内に、私は自身の心にずっとあった思いを吐き出していた。
このまま、ずっとイルディンと一緒にいたい。それは、紛れもない私の願いだ。
だが、この願いが叶わないことはわかっている。イルディンはこのラガンデ家を継ぎ、私はどこかの貴族と婚約するだろう。そうなれば、私達は離れ離れだ。
いつまでも一緒にいることなどできるはずもない。だからこそ、今一緒にいる時間を大切にするべきなのだろう。
「……変なことを言ってしまったわね。もう寝ましょうか」
「あ、えっと……」
「お休み、イルディン……」
「お、お休み、姉さん」
私は話を切り上げて眠ることにした。
このまま、この話を続けていると、悲しい気持ちになってしまう。そんな気持ちを抱えていると、また眠れなくなるはずだ。それでは、ここまでしてきたことの意味がなくなる。
そのため、もう気持ちを切り替えるべきだと思った。幸い、眠気は来ている。隣に頼りになる弟がいるためか、事件に関する不安もない。恐らく、程なくして眠ることができるだろう。
不安でいっぱいな私が安心するために、イルディンに一緒に寝てくれるようにお願いしたからだ。
少し大人になった弟は、少し強張っているような気がする。流石に、この年になって姉と同衾するのは色々と恥ずかしいのかもしれない。
「イルディン、ごめんね。無理を言って……」
「いや、大丈夫だよ。ただ、こんな風に一緒に寝るのは小さな頃以来だから、少し緊張してしまって……でも、別に嫌とかそういう訳ではないんだ。むしろ、嬉しいと思っているよ。これも、懐かしいという感情なのかもしれないね」
「そうなのね……」
どうやら、イルディンは私と一緒に寝ることを嬉しいと思ってくれているようだ。
子供の頃は、二人で同じ布団で眠ることなど、いつものことだった。部屋は、元々それぞれ別だったが、大抵は同じ部屋で過ごして、同じ部屋で寝ていた。
あの時のことを思い出して、懐かしいと嬉しくなる気持ちはわかる。私も、同じような気持ちになっているからだ。
「あの頃は、本当にずっと一緒にいたわね……」
「そうだね。確かに、僕も姉さんと一緒にいた記憶しかないよ」
「あ、でも、別に大きくなってからも変わらないかしら? 一緒にいることが多いのは、そこまで変わっていなかったわね……」
「そうかもしれないね」
私達は、小さな頃からいつも一緒にいた。
そう思った私だったが、別にいつも一緒にいるのは、今も変わらなかった。
成長しても、私達はそれ程変わっていない。結局、いつも一緒にいるのだ。
「このまま、ずっと一緒にいられるといいのにね……」
「え?」
「でも、それは無理よね。イルディンはこの家を継ぐ。私は、多分どこかの貴族を婚約する。こんな風に一緒にいられるのも今の内だけよね……」
「姉さん……」
色々と思っている内に、私は自身の心にずっとあった思いを吐き出していた。
このまま、ずっとイルディンと一緒にいたい。それは、紛れもない私の願いだ。
だが、この願いが叶わないことはわかっている。イルディンはこのラガンデ家を継ぎ、私はどこかの貴族と婚約するだろう。そうなれば、私達は離れ離れだ。
いつまでも一緒にいることなどできるはずもない。だからこそ、今一緒にいる時間を大切にするべきなのだろう。
「……変なことを言ってしまったわね。もう寝ましょうか」
「あ、えっと……」
「お休み、イルディン……」
「お、お休み、姉さん」
私は話を切り上げて眠ることにした。
このまま、この話を続けていると、悲しい気持ちになってしまう。そんな気持ちを抱えていると、また眠れなくなるはずだ。それでは、ここまでしてきたことの意味がなくなる。
そのため、もう気持ちを切り替えるべきだと思った。幸い、眠気は来ている。隣に頼りになる弟がいるためか、事件に関する不安もない。恐らく、程なくして眠ることができるだろう。
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