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第三章:雨の中で
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コッペパンのお店に着くと、すでに、
5~6組の客が列を作っていた。どうやら、
結構人気があるようだ。他にも、たい焼きの
お店と、お握り屋さんの移動販売車が来てい
るけれど、このお店の列が一番長い。
パタパタと、風に靡くのぼりを見れば、
「国産小麦100%のふわふわコッペ」と
書いてある。ちょっと離れていてよく見え
ないが、貼りだされているメニューには
30種類くらいのコッペパンが並んでいた。
(美味しそうだね)
二人で列に並びながら、相変わらず拙い
指文字で言った。彼女が頷く。そして、
鞄から携帯を取り出すと、相変わらず見事
な早打ちで、文字を打って見せた。
(このお店の本店が高校の近くにあって、
学校帰りに友達とよく食べたんです。ふわふわ
してて軽いから、2個は食べられますよ)
へぇ~、そうなんだ。僕は彼女の説明に
頷きながら、くぅ、とまた鳴ったお腹を擦った。
彼女が2つ食べられるなら、僕はきっと5つ
はいけるだろう。
(おススメは?)
そう尋ねると、彼女は人差し指を顎にあて、
少し考えた。カタカタと、文字を打ち、僕に
見せる。
(惣菜系なら風花牧場のハムチーズ、
甘い系ならシンプルな、きな粉あげパンも
美味しいですよ。黒蜜きな粉バージョンも
美味しいですけど)
どうやら、彼女はきな粉系がお好みらしい。
列に並びながらそんな会話をしていると、
やっと順番が来たので、僕はおススメの風花
牧場のハムチーズと、きな粉あげパンの他に、
タンドリーチキンサンドを2つと、シンプルな
タマゴサラダを注文した。
そして、彼女の白身魚のタルタルと黒蜜
きな粉の分も合わせて会計をする。
隣で財布を手にしながら、彼女はあわあわ
していたが、僕は笑って(ごちそうさせて)
と、指文字で伝えたのだった。
沢山のコッペパンが入ったビニール袋を
下げ、ベンチを探しながら、途中見つけた
自販機でアイスコーヒーとほうじ茶を買った。
芝生広場を一望できるベンチを見つけ、
腰かける。日陰となる木々は側になく、陽射
しは少し強く感じたけれど、サングラスを
しているし、適度な日光浴も必要だろう。
僕はさっそくビニール袋からタンドリー
チキンサンドを取り出すと、大きな口を開け
てかぶりついた。そして、彼女を向いた。
(美味しい!!)
片手にコッペパンを持ったまま、右手で
2回、頬を叩いて見せる。
ふわっふわのコッペパンに、食欲をそそる
スパイシーなカレー味のチキンがゴロゴロ
入っていて、軽いのにボリュームがある。
しゃきしゃきのレタスもやわらかなパンに
マッチしていて、絶品だった。彼女は、
あっという間に最後の一口を口に放り込んだ
僕を見て、嬉しそうに笑った。
5~6組の客が列を作っていた。どうやら、
結構人気があるようだ。他にも、たい焼きの
お店と、お握り屋さんの移動販売車が来てい
るけれど、このお店の列が一番長い。
パタパタと、風に靡くのぼりを見れば、
「国産小麦100%のふわふわコッペ」と
書いてある。ちょっと離れていてよく見え
ないが、貼りだされているメニューには
30種類くらいのコッペパンが並んでいた。
(美味しそうだね)
二人で列に並びながら、相変わらず拙い
指文字で言った。彼女が頷く。そして、
鞄から携帯を取り出すと、相変わらず見事
な早打ちで、文字を打って見せた。
(このお店の本店が高校の近くにあって、
学校帰りに友達とよく食べたんです。ふわふわ
してて軽いから、2個は食べられますよ)
へぇ~、そうなんだ。僕は彼女の説明に
頷きながら、くぅ、とまた鳴ったお腹を擦った。
彼女が2つ食べられるなら、僕はきっと5つ
はいけるだろう。
(おススメは?)
そう尋ねると、彼女は人差し指を顎にあて、
少し考えた。カタカタと、文字を打ち、僕に
見せる。
(惣菜系なら風花牧場のハムチーズ、
甘い系ならシンプルな、きな粉あげパンも
美味しいですよ。黒蜜きな粉バージョンも
美味しいですけど)
どうやら、彼女はきな粉系がお好みらしい。
列に並びながらそんな会話をしていると、
やっと順番が来たので、僕はおススメの風花
牧場のハムチーズと、きな粉あげパンの他に、
タンドリーチキンサンドを2つと、シンプルな
タマゴサラダを注文した。
そして、彼女の白身魚のタルタルと黒蜜
きな粉の分も合わせて会計をする。
隣で財布を手にしながら、彼女はあわあわ
していたが、僕は笑って(ごちそうさせて)
と、指文字で伝えたのだった。
沢山のコッペパンが入ったビニール袋を
下げ、ベンチを探しながら、途中見つけた
自販機でアイスコーヒーとほうじ茶を買った。
芝生広場を一望できるベンチを見つけ、
腰かける。日陰となる木々は側になく、陽射
しは少し強く感じたけれど、サングラスを
しているし、適度な日光浴も必要だろう。
僕はさっそくビニール袋からタンドリー
チキンサンドを取り出すと、大きな口を開け
てかぶりついた。そして、彼女を向いた。
(美味しい!!)
片手にコッペパンを持ったまま、右手で
2回、頬を叩いて見せる。
ふわっふわのコッペパンに、食欲をそそる
スパイシーなカレー味のチキンがゴロゴロ
入っていて、軽いのにボリュームがある。
しゃきしゃきのレタスもやわらかなパンに
マッチしていて、絶品だった。彼女は、
あっという間に最後の一口を口に放り込んだ
僕を見て、嬉しそうに笑った。
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