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1章 旅立ちの一歩
プロローグ
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「森野さん今日飲みに行きませんか?」
「ごめんね、今日は同盟の作戦会議なの、わたし参謀だから」
わたしは森野琥珀(もりのこはく)25歳です。今誘ってくれたのは会社の後輩で、最近よく声を掛けてくれます、まぁいつも断ってるんですけどね。
「(だから言っただろ、もうあきらめろってあの人顔は良いんだけど、ネット廃人だから付き合い悪いんだ)」
「でも(仕事出来るじゃないですか、僕聞いてみたいですよ)」
少し離れて何か話してます、聞こえてますよ君たち・・・でも仕事の事を聞きたかったのか、少し可哀そうだったかな。
「でもわたし・・・廃人じゃないもん、みんなに言えないだけだもん」
そうなんです、わたしはあるeスポーツのチームで作戦を作る係をしています、正直自分でキャラを動かすのは得意じゃないんですよ、わたしはキャラを動かさないで頭を動かせば、7人位の会話を一度に聞いて指示出しが出来ます、それに作戦を考えるのも好きで、かなりの成績を納めてるんですよ。
「でも最近みんな伸び悩んでるんだよね、少し編成を変更して方針を変えたいんだけど、どうしようかしら」
今までは、その人たちの好きなスタイルで作戦を考えていました、でも見ていると分かるんだけど、自分に合ってないの、だから相手にそこを突かれ最近負けが続いてる、いままでやっていた事と、ほんとに得意な事が違うって伝えるのが早道だけど、それが一番大変なのよ、もうずいぶん前に分かってたんですけど、そのスタイルでいままでやってきたから言い出せないでいました、もっと上に行くには言わないとダメなのにです。
「ふざけるなよ森野!お前何様だよ!」
チームで借りているマンションの一室に来て、最初のミーティングで私はみんなに話したんですけど、やっぱり反対されています、でも上に行くには必要なんですよ。
「わたしはみんなを後ろから見てきました、絶対にこっちの方が向いてるんです遠藤さん、わたしの作戦で間違った事はなかったじゃないですか、今のスタイルにこだわらず、やってみましょうよ」
嫌な顔をされながらも説得したんですけど、どうやらダメみたいで半数が部屋を出て行ってしまいました。
「森野さん、あれじゃダメだよ」
「武部さん、最初は成績が落ちるかもしれませんが慣れてくれば変わります、相手の考えてることがより鮮明に分かるようになるんです、絶対こっちの方が」
「それは分かってるよ、でもさ俺たちには俺たちの戦い方があるんだ、このままでやって行こうよ」
武部さんがわたしの肩をたたいて部屋を出て行っちゃいました、そしてもう一人のメンバー大野さんも何も言わず部屋を出ましたね。
「最近うまくいかなくて、いきなり戦闘スタイルを変えようって言われたらそうなるよね、これは今日はもうダメかな~」
わたしの作った資料には、それぞれの欠点が並んでいます、それを見れば落ち込んだり、現実を受け入れられませんよね。
そう思ってわたしも部屋を出ました、このままじゃチームとしてやっていけなくなるかもしれませんね。
「遠藤さん怒ってたなぁ~・・・これが良く言う、性格の不一致って奴かな」
そう思いながらコンビニでお弁当とかを買い、マンションに戻る為の近道である小道に入ったの、でもそこでわたしは背中に痛みが走ったんです。
「お、お前がいけないんだ、お前が」
わたしがうつ伏せに倒れると、後ろでそんな声が聞こえました、あの声は遠藤さんかな、わたしが余計なお世話をしちゃったのね。
ごめんなさい遠藤さん。
「ふぉっふぉっふぉっ!そんな事はなかろう、そなたはみんなのためを思い提案した、立派な事じゃ」
「んえっ!?」
わたしは意識を無くしたと思った直後、急に視界がはっきりしました、うつ伏せだったのに、いつの間にか仰向けに寝ていましたよ、そしておじいさんがわたしの顔を覗き込んでいたんです。
「ふぉっふぉっふぉっ!そう驚くでない嬢ちゃんや、変な事はせんよ」
「いやいや、どうしたらこの状況で驚かないんですか・・・わたし、背中を刺されて死んじゃったかもしれないんですよ、それにあなた誰ですか、ここって何処ですか!」
わたしは体を起こしておじいさんに一度に言いました、白い服を着たおじいさんは長いお髭を触って笑っています。
周りは真っ白だし、どう見てもおかしい状況ですよねこれ。
「ふむ、この状況も知らんか、お主はラノベは見ない派じゃったか?」
「ラノベ?なんですかそれ?わたし、映画とかあまり見ないんですけど」
わたしがよく見るのは昔の映画です、それも最近は全然ですね、最近はシミュレーションゲームの動画を見ます、わたしならこうやって作戦を立てるとか、まぁゲームもそっち系が好きですね、相手の物資を削ったり、こちらの損害を減らして戦ったり、すごく楽しいのよ。
「そうかそうか、じゃがお主ならきっと出来るぞい」
「はい?何を言ってるんですかおじいさん」
「おおそうじゃった!?まずは自己紹介からじゃ、ワシの名前はジャエル・マキアウスという、そなたが今から行くトライデントテラーの神じゃ」
長いお髭を触りながらそう言ってきました、わたしは訳がわかりませんでしたよ。
自己紹介として名前を言うのは良いんだけど、神ってなに?どういうこと?
「そのままの意味じゃな」
「え!?・・・今わたし、声に出てましたか?」
出てないよね?だってわたし、作戦とかを考える時、頭の中でしかしないもん、ブツブツ言う事なんて無いわ。
「そうじゃな、さっきからおぬしは頭の中で状況を把握する為、かなり考えておるよ、ワシが億劫になる程じゃ、じゃからワシは心が読めるという事じゃな」
おじいさんがため息をつきながら言ってます。
じゃなってそんな、心を読むなんてそんなこと・・・本物なのかしら。
「疑ってる所悪いんじゃが時間がないんじゃ、話を進めねばならん。いいか良く聞くんじゃ!お主は背中を刺されて死んでしまった、これは分かるかのう」
「まぁ凄く痛かったし、意識も薄れていったから、なんとなくは・・・でも、それとこれとは別ですよね?ここは何処で、わたしはなんでいるんですか?」
わたしの答えに、お髭を触りながら何やら考え込んでいます、何をそんなに考えてるのよ。
「それがじゃなぁ、少々複雑でのぅ・・・ワシはお主を軍略家じゃと思い、ここに召還した、じゃがそうではないようなんじゃよなぁ」
「じゃよなぁって、当たり前ですっ!わたしが作戦を立てたりしているのは、あくまでゲームの話です」
「そうなんじゃ、丁度そう言った者を探している時に、命を無くした軍師と選択したら、そなたと数名が候補に上がったんじゃ、そしてそなたは選ばれた、どうしようかのう」
どうするってこっちが聞きたいわよ、生き返るって事は出来ないんでしょうか?リコールとか。
「それはむりじゃ、もう次の転生者を考えておるところなんじゃし、そもそもそなたの命は一度尽きておる、お主をどうするかという答えは・・・もう新たに生まれ変わるしかないのじゃよ」
「そうですか分かりました、じゃあそれでお願いします」
もう、私はあきらめてそう言いましたよ、だって死んじゃったんですよ、どうしようもないです。
「随分あっさりしておるのう、お主は」
「べつに、今までの生活に未練はありませんから、誰かと結婚とか考えた事もないし、それ程未練はないです、なにか夢がある歳でもないし、ゲームさえ出来れば」
そうゲームが出来て、毎日が楽しく暮らせればいいわよ。
そう思ったんだけど、どうやらわたしが生まれ変わる場所には、ゲームとかはなさそうです。
「すまんのう」
「その顔を見れば分かりますよ、でもそうすると、生まれ変わってもつまらなそうですね、このままなかった事にして、死んでいいかな」
「そういわんと・・・そうじゃなぁ、比較的安全で、のんびりとした場所を選ぼうかのう、そこでやりたいことを見つけるんじゃ」
そう言われても、わたしがしたいことってゲームなのよ、その中でも作戦を立てるのが好き。
「じゃから!そこの者たちの暮らしをその作戦で良くしてほしいんじゃ!うん、それがいいのう」
そう言っておじいさんが指を鳴らしました、そしてわたしの体が光出したんです。
「ちょっとおじいさん!?」
「お主には悪い事をしたからのう、スキルもそれ用に付けて置いた、楽しい事を見つけられることを願っておるぞ」
おじいさんがそう言ったと思ったら、わたしの意識が薄れて行きました、これからどうなっちゃうのよわたし。
「ごめんね、今日は同盟の作戦会議なの、わたし参謀だから」
わたしは森野琥珀(もりのこはく)25歳です。今誘ってくれたのは会社の後輩で、最近よく声を掛けてくれます、まぁいつも断ってるんですけどね。
「(だから言っただろ、もうあきらめろってあの人顔は良いんだけど、ネット廃人だから付き合い悪いんだ)」
「でも(仕事出来るじゃないですか、僕聞いてみたいですよ)」
少し離れて何か話してます、聞こえてますよ君たち・・・でも仕事の事を聞きたかったのか、少し可哀そうだったかな。
「でもわたし・・・廃人じゃないもん、みんなに言えないだけだもん」
そうなんです、わたしはあるeスポーツのチームで作戦を作る係をしています、正直自分でキャラを動かすのは得意じゃないんですよ、わたしはキャラを動かさないで頭を動かせば、7人位の会話を一度に聞いて指示出しが出来ます、それに作戦を考えるのも好きで、かなりの成績を納めてるんですよ。
「でも最近みんな伸び悩んでるんだよね、少し編成を変更して方針を変えたいんだけど、どうしようかしら」
今までは、その人たちの好きなスタイルで作戦を考えていました、でも見ていると分かるんだけど、自分に合ってないの、だから相手にそこを突かれ最近負けが続いてる、いままでやっていた事と、ほんとに得意な事が違うって伝えるのが早道だけど、それが一番大変なのよ、もうずいぶん前に分かってたんですけど、そのスタイルでいままでやってきたから言い出せないでいました、もっと上に行くには言わないとダメなのにです。
「ふざけるなよ森野!お前何様だよ!」
チームで借りているマンションの一室に来て、最初のミーティングで私はみんなに話したんですけど、やっぱり反対されています、でも上に行くには必要なんですよ。
「わたしはみんなを後ろから見てきました、絶対にこっちの方が向いてるんです遠藤さん、わたしの作戦で間違った事はなかったじゃないですか、今のスタイルにこだわらず、やってみましょうよ」
嫌な顔をされながらも説得したんですけど、どうやらダメみたいで半数が部屋を出て行ってしまいました。
「森野さん、あれじゃダメだよ」
「武部さん、最初は成績が落ちるかもしれませんが慣れてくれば変わります、相手の考えてることがより鮮明に分かるようになるんです、絶対こっちの方が」
「それは分かってるよ、でもさ俺たちには俺たちの戦い方があるんだ、このままでやって行こうよ」
武部さんがわたしの肩をたたいて部屋を出て行っちゃいました、そしてもう一人のメンバー大野さんも何も言わず部屋を出ましたね。
「最近うまくいかなくて、いきなり戦闘スタイルを変えようって言われたらそうなるよね、これは今日はもうダメかな~」
わたしの作った資料には、それぞれの欠点が並んでいます、それを見れば落ち込んだり、現実を受け入れられませんよね。
そう思ってわたしも部屋を出ました、このままじゃチームとしてやっていけなくなるかもしれませんね。
「遠藤さん怒ってたなぁ~・・・これが良く言う、性格の不一致って奴かな」
そう思いながらコンビニでお弁当とかを買い、マンションに戻る為の近道である小道に入ったの、でもそこでわたしは背中に痛みが走ったんです。
「お、お前がいけないんだ、お前が」
わたしがうつ伏せに倒れると、後ろでそんな声が聞こえました、あの声は遠藤さんかな、わたしが余計なお世話をしちゃったのね。
ごめんなさい遠藤さん。
「ふぉっふぉっふぉっ!そんな事はなかろう、そなたはみんなのためを思い提案した、立派な事じゃ」
「んえっ!?」
わたしは意識を無くしたと思った直後、急に視界がはっきりしました、うつ伏せだったのに、いつの間にか仰向けに寝ていましたよ、そしておじいさんがわたしの顔を覗き込んでいたんです。
「ふぉっふぉっふぉっ!そう驚くでない嬢ちゃんや、変な事はせんよ」
「いやいや、どうしたらこの状況で驚かないんですか・・・わたし、背中を刺されて死んじゃったかもしれないんですよ、それにあなた誰ですか、ここって何処ですか!」
わたしは体を起こしておじいさんに一度に言いました、白い服を着たおじいさんは長いお髭を触って笑っています。
周りは真っ白だし、どう見てもおかしい状況ですよねこれ。
「ふむ、この状況も知らんか、お主はラノベは見ない派じゃったか?」
「ラノベ?なんですかそれ?わたし、映画とかあまり見ないんですけど」
わたしがよく見るのは昔の映画です、それも最近は全然ですね、最近はシミュレーションゲームの動画を見ます、わたしならこうやって作戦を立てるとか、まぁゲームもそっち系が好きですね、相手の物資を削ったり、こちらの損害を減らして戦ったり、すごく楽しいのよ。
「そうかそうか、じゃがお主ならきっと出来るぞい」
「はい?何を言ってるんですかおじいさん」
「おおそうじゃった!?まずは自己紹介からじゃ、ワシの名前はジャエル・マキアウスという、そなたが今から行くトライデントテラーの神じゃ」
長いお髭を触りながらそう言ってきました、わたしは訳がわかりませんでしたよ。
自己紹介として名前を言うのは良いんだけど、神ってなに?どういうこと?
「そのままの意味じゃな」
「え!?・・・今わたし、声に出てましたか?」
出てないよね?だってわたし、作戦とかを考える時、頭の中でしかしないもん、ブツブツ言う事なんて無いわ。
「そうじゃな、さっきからおぬしは頭の中で状況を把握する為、かなり考えておるよ、ワシが億劫になる程じゃ、じゃからワシは心が読めるという事じゃな」
おじいさんがため息をつきながら言ってます。
じゃなってそんな、心を読むなんてそんなこと・・・本物なのかしら。
「疑ってる所悪いんじゃが時間がないんじゃ、話を進めねばならん。いいか良く聞くんじゃ!お主は背中を刺されて死んでしまった、これは分かるかのう」
「まぁ凄く痛かったし、意識も薄れていったから、なんとなくは・・・でも、それとこれとは別ですよね?ここは何処で、わたしはなんでいるんですか?」
わたしの答えに、お髭を触りながら何やら考え込んでいます、何をそんなに考えてるのよ。
「それがじゃなぁ、少々複雑でのぅ・・・ワシはお主を軍略家じゃと思い、ここに召還した、じゃがそうではないようなんじゃよなぁ」
「じゃよなぁって、当たり前ですっ!わたしが作戦を立てたりしているのは、あくまでゲームの話です」
「そうなんじゃ、丁度そう言った者を探している時に、命を無くした軍師と選択したら、そなたと数名が候補に上がったんじゃ、そしてそなたは選ばれた、どうしようかのう」
どうするってこっちが聞きたいわよ、生き返るって事は出来ないんでしょうか?リコールとか。
「それはむりじゃ、もう次の転生者を考えておるところなんじゃし、そもそもそなたの命は一度尽きておる、お主をどうするかという答えは・・・もう新たに生まれ変わるしかないのじゃよ」
「そうですか分かりました、じゃあそれでお願いします」
もう、私はあきらめてそう言いましたよ、だって死んじゃったんですよ、どうしようもないです。
「随分あっさりしておるのう、お主は」
「べつに、今までの生活に未練はありませんから、誰かと結婚とか考えた事もないし、それ程未練はないです、なにか夢がある歳でもないし、ゲームさえ出来れば」
そうゲームが出来て、毎日が楽しく暮らせればいいわよ。
そう思ったんだけど、どうやらわたしが生まれ変わる場所には、ゲームとかはなさそうです。
「すまんのう」
「その顔を見れば分かりますよ、でもそうすると、生まれ変わってもつまらなそうですね、このままなかった事にして、死んでいいかな」
「そういわんと・・・そうじゃなぁ、比較的安全で、のんびりとした場所を選ぼうかのう、そこでやりたいことを見つけるんじゃ」
そう言われても、わたしがしたいことってゲームなのよ、その中でも作戦を立てるのが好き。
「じゃから!そこの者たちの暮らしをその作戦で良くしてほしいんじゃ!うん、それがいいのう」
そう言っておじいさんが指を鳴らしました、そしてわたしの体が光出したんです。
「ちょっとおじいさん!?」
「お主には悪い事をしたからのう、スキルもそれ用に付けて置いた、楽しい事を見つけられることを願っておるぞ」
おじいさんがそう言ったと思ったら、わたしの意識が薄れて行きました、これからどうなっちゃうのよわたし。
応援ありがとうございます!
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