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2章 戦争の第一歩
閑話 王都のあの人
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「はっ!たぁっ!やぁっ!」
私が敵国の調査をし始めて1か月と少ししたある日、こちらの王都で暇を持て余し、稽古にせいをだしている女性がいました。彼女の名前はビクトール、この時私は知らなかったのだけど、王家の名は成人していないと名乗れないらしいわ、彼女は槍の柄を地面に付け、息を整えた後、深いため息を付いたのよ。
「はぁ~つまらないわ、どうして戦争に参加できないのかしら、成人してないってだけじゃ納得出来ないわ」
メイドにタオルを受け取り愚痴を言っています、そしてメイドは危険とか、姫様は出る必要はないと話しているの、でも彼女は自分の技量を確かめたくて仕方ないみたい。学園で誰も相手にならないほどの実力を持ち、大人相手でも負けたことがない、だからどうしても戦場に出て戦いたい、それを夢見て槍を構えまた型の訓練を始めました。
「せめて相手がいればなぁ~」
槍を振り回し、あの時の事を思い出しています、自分の攻撃を防ぎ、武技まで使っても無傷だったのは彼女だけでした。この国最強と言われている、第1兵士団の団長ですら受けきれなかった攻撃だったの、中庭で手加減をしたとは言え、相手が立っていたことに驚き心が震えたのよ、そしてこうも思っているわ「もっと全力を出せる場所でやりたい」ってね、あの時は城の中庭だったから、騒ぐと兵士たちが止めてきて禁止にされちゃう、そして何より国王の耳に入ってしまう、彼女のおてんばは既に国王の耳に入っているけど、それは噂程度のものでした。
「ビクトール姫様!大変です!」
ビクトールがそろそろ稽古を止めようかと思い、最後のシメに武技を使おうと集中していると、遠くから専属メイドの声が掛かりました、ビクトールは集中を解きましたが怒っています。
「メリシア、タイミングが悪いわよ、せっかく闘気を溜めたのに発散できないじゃない、どうしてくれるのよ」
「ビクトール様、どうせイライラは解消されないでしょう、それよりも朗報ですよ」
メイドがある手紙をビクトールに渡し、差出人を見てビクトールは急ぎ手紙を開けました、それは国王直々の指令だったんです。ビクトールは国王に戦場に出たいと何度も進言していました、そしてその手紙はそれの答えが書いてあるんです。
「東の防衛部隊と合流し指揮をしろ?・・・どういう事かしら?」
内容を読んでガッカリ気味にメイドに質問しています、ビクトールは本国の部隊に参加できないのが分かって怒っているんです。
「贅沢を言わないでくださいビクトール様、戦場に出れるだけでも大成功ですよ、ここで功績を上げれば本軍にだって参戦できるかもです」
メイドがそう説得し、ビクトールが唸っています、本来戦争に参加すること自体が奇跡です。国王は何度も進言を聞き、一度戦場を知れば静かになると一度だけ許したんです。
「でも、東って言ったらアーオニド国でしょ、それも先にいる部隊と合流してから指示を仰げって、完全にわたくしをのけものにしてるじゃない」
「その方が良いかもですよビクトール様、向こうで責任者をしていたら戦えません、ビクトール様はその方に指揮を任せ、戦場に出ると言い張れます」
メイドの言葉にビクトールはすごく黒い笑顔をしました。やりたい放題できる、ビクトールが嬉しくないわけがなかったんです。
「分かってるじゃないメリシア、さすがわたくしの専属ね」
そう言われ、メイドは同じような笑みを浮かべました、彼女は小さな頃からずっとビクトールのメイドに就いていて、ビクトールの事を良く知っているんです、そしてビクトールの野望も知っています、ビクトールは大国に戦争を仕掛け、勝利したいと思っています。その第一歩が今踏み出された、そう言っているんです。
「これからですよビクトール様、ワタシは何処までも付いて行きます」
「ありがとメリシア、じゃあ早速部屋に戻って準備ね」
こうしてビクトールは、城を出る準備を始めました。
それから7日後、リリフォト村で私たちの作戦が始まった日、またしてもメリシアが慌ててビクトールの所に飛んできました、ビクトールは今回、お茶をしていて落ち着いています。
「どうしたのよメリシア、そんなに慌てて・・・まさかとは思うけど、敵が怖気づいて逃げたとか言わないわよね?」
ビクトールが笑いながらそう言うと、メリシアは頭を左右に振りました、この防衛線自体が極秘なのでそんな事はありません、ビクトールはそれを知っていながら冗談のつもりで言ったんです、そしてメリシアが落ち着いた所で本題です。
「ビクトール様が合流する部隊の詳細が分かりました」
「あらあらそんな事ね、弱くても構わないわ、わたくしがすべての敵を蹴散らせば済む事よ」
そう言い捨て、メリシアから情報を耳打ちしてもらい、ビクトールがギョッとしてメリシアを見ました。
「他種族だけの部隊!?」
「はい・・・恐らくこれは、姫様に戦場の過酷さを味わってもらうための試練です」
メリシアが更に言っています、味方のいない敵だらけの場所でも戦えるのか試しているとか、清潔じゃない戦場を味わえと言われた感じです。ビクトールはそれを聞いて小さく笑っています、そして勢いよく立ち上がり、天井に向けて手を掲げたんです。
「いいじゃない上等よ!障害は険しければ険しい程燃えるってものよ」
「で、ですがそれだけではないのです、どうやら敵国は1領しか参加しないようです」
ビクトールはハードルが下がり、がっかりして椅子に座り直したました、せっかく気分が上がったのに急降下です。
「それじゃ多くても2000ね、それでこちらの数は?」
「それが・・・1000いるかどうかという話です」
ビクトールはお茶を飲んでいたので、盛大に吹きだしました、メリシアがテーブルを拭いてくれていますがせき込んでいます。そして落ち付きを取り戻してメリシアに言ったの。
「それって、勝てないわよね?」
「普通はそうです、強固な砦に籠城でもしない限り、まず勝てません」
この世界の戦争は数の勝負です、多ければそれだけ打撃を与えられると思われています。ですがふたりは、またあの黒い笑顔をしています。
「それじゃあ、わたくしが参戦して勝てれば」
「そうですよ姫様、全部姫様の手柄と言う事になります、これはかなり良いと思います」
ふたりは静かに笑い合っていました、そしてそこに参加させてくれる国王に感謝したんです。
「それで、わたくしの踏み台になる指揮官は誰なのです?一応聞いておくわ」
「はい、なんでも男爵になったばかりの女性で、自治領も戦場の近くだから任されたとか言われてました、名前はたしかメリーナ、メリーナ・バーストン男爵です」
その名前を聞き、ビクトールはまたお茶を吹き出しました、メリシアが何事かと思いながらビクトールの顔を拭き、理由を話して貰ったの、その顔色はとても悪いわ。
「それじゃあ、姫様の1人勝ちにはならないかもですよ、どうするのですか?」
「まぁ落ち着きなさいメリシア、強い者を懐に入れる良い機会よ、これでわたくし専属の部隊が作れるわ、学園のお飾り騎士団なんて目じゃないわ・・・うふふ、楽しくなってきたわね」
「まったく呑気ですね、どうせ手合わせが出来るとか、余計なことも考えてるんでしょうけど、姫様そんな余裕はないと思いますよ、戦場なのですからね」
ビクトールの不敵な笑みを見て、メリシアは助言をしました、しかしビクトールは聞いていません。それを見てメリシアは思いました、自分がしっかりしなくてはっと、そして時が経ち砦に出発したんです。
私が敵国の調査をし始めて1か月と少ししたある日、こちらの王都で暇を持て余し、稽古にせいをだしている女性がいました。彼女の名前はビクトール、この時私は知らなかったのだけど、王家の名は成人していないと名乗れないらしいわ、彼女は槍の柄を地面に付け、息を整えた後、深いため息を付いたのよ。
「はぁ~つまらないわ、どうして戦争に参加できないのかしら、成人してないってだけじゃ納得出来ないわ」
メイドにタオルを受け取り愚痴を言っています、そしてメイドは危険とか、姫様は出る必要はないと話しているの、でも彼女は自分の技量を確かめたくて仕方ないみたい。学園で誰も相手にならないほどの実力を持ち、大人相手でも負けたことがない、だからどうしても戦場に出て戦いたい、それを夢見て槍を構えまた型の訓練を始めました。
「せめて相手がいればなぁ~」
槍を振り回し、あの時の事を思い出しています、自分の攻撃を防ぎ、武技まで使っても無傷だったのは彼女だけでした。この国最強と言われている、第1兵士団の団長ですら受けきれなかった攻撃だったの、中庭で手加減をしたとは言え、相手が立っていたことに驚き心が震えたのよ、そしてこうも思っているわ「もっと全力を出せる場所でやりたい」ってね、あの時は城の中庭だったから、騒ぐと兵士たちが止めてきて禁止にされちゃう、そして何より国王の耳に入ってしまう、彼女のおてんばは既に国王の耳に入っているけど、それは噂程度のものでした。
「ビクトール姫様!大変です!」
ビクトールがそろそろ稽古を止めようかと思い、最後のシメに武技を使おうと集中していると、遠くから専属メイドの声が掛かりました、ビクトールは集中を解きましたが怒っています。
「メリシア、タイミングが悪いわよ、せっかく闘気を溜めたのに発散できないじゃない、どうしてくれるのよ」
「ビクトール様、どうせイライラは解消されないでしょう、それよりも朗報ですよ」
メイドがある手紙をビクトールに渡し、差出人を見てビクトールは急ぎ手紙を開けました、それは国王直々の指令だったんです。ビクトールは国王に戦場に出たいと何度も進言していました、そしてその手紙はそれの答えが書いてあるんです。
「東の防衛部隊と合流し指揮をしろ?・・・どういう事かしら?」
内容を読んでガッカリ気味にメイドに質問しています、ビクトールは本国の部隊に参加できないのが分かって怒っているんです。
「贅沢を言わないでくださいビクトール様、戦場に出れるだけでも大成功ですよ、ここで功績を上げれば本軍にだって参戦できるかもです」
メイドがそう説得し、ビクトールが唸っています、本来戦争に参加すること自体が奇跡です。国王は何度も進言を聞き、一度戦場を知れば静かになると一度だけ許したんです。
「でも、東って言ったらアーオニド国でしょ、それも先にいる部隊と合流してから指示を仰げって、完全にわたくしをのけものにしてるじゃない」
「その方が良いかもですよビクトール様、向こうで責任者をしていたら戦えません、ビクトール様はその方に指揮を任せ、戦場に出ると言い張れます」
メイドの言葉にビクトールはすごく黒い笑顔をしました。やりたい放題できる、ビクトールが嬉しくないわけがなかったんです。
「分かってるじゃないメリシア、さすがわたくしの専属ね」
そう言われ、メイドは同じような笑みを浮かべました、彼女は小さな頃からずっとビクトールのメイドに就いていて、ビクトールの事を良く知っているんです、そしてビクトールの野望も知っています、ビクトールは大国に戦争を仕掛け、勝利したいと思っています。その第一歩が今踏み出された、そう言っているんです。
「これからですよビクトール様、ワタシは何処までも付いて行きます」
「ありがとメリシア、じゃあ早速部屋に戻って準備ね」
こうしてビクトールは、城を出る準備を始めました。
それから7日後、リリフォト村で私たちの作戦が始まった日、またしてもメリシアが慌ててビクトールの所に飛んできました、ビクトールは今回、お茶をしていて落ち着いています。
「どうしたのよメリシア、そんなに慌てて・・・まさかとは思うけど、敵が怖気づいて逃げたとか言わないわよね?」
ビクトールが笑いながらそう言うと、メリシアは頭を左右に振りました、この防衛線自体が極秘なのでそんな事はありません、ビクトールはそれを知っていながら冗談のつもりで言ったんです、そしてメリシアが落ち着いた所で本題です。
「ビクトール様が合流する部隊の詳細が分かりました」
「あらあらそんな事ね、弱くても構わないわ、わたくしがすべての敵を蹴散らせば済む事よ」
そう言い捨て、メリシアから情報を耳打ちしてもらい、ビクトールがギョッとしてメリシアを見ました。
「他種族だけの部隊!?」
「はい・・・恐らくこれは、姫様に戦場の過酷さを味わってもらうための試練です」
メリシアが更に言っています、味方のいない敵だらけの場所でも戦えるのか試しているとか、清潔じゃない戦場を味わえと言われた感じです。ビクトールはそれを聞いて小さく笑っています、そして勢いよく立ち上がり、天井に向けて手を掲げたんです。
「いいじゃない上等よ!障害は険しければ険しい程燃えるってものよ」
「で、ですがそれだけではないのです、どうやら敵国は1領しか参加しないようです」
ビクトールはハードルが下がり、がっかりして椅子に座り直したました、せっかく気分が上がったのに急降下です。
「それじゃ多くても2000ね、それでこちらの数は?」
「それが・・・1000いるかどうかという話です」
ビクトールはお茶を飲んでいたので、盛大に吹きだしました、メリシアがテーブルを拭いてくれていますがせき込んでいます。そして落ち付きを取り戻してメリシアに言ったの。
「それって、勝てないわよね?」
「普通はそうです、強固な砦に籠城でもしない限り、まず勝てません」
この世界の戦争は数の勝負です、多ければそれだけ打撃を与えられると思われています。ですがふたりは、またあの黒い笑顔をしています。
「それじゃあ、わたくしが参戦して勝てれば」
「そうですよ姫様、全部姫様の手柄と言う事になります、これはかなり良いと思います」
ふたりは静かに笑い合っていました、そしてそこに参加させてくれる国王に感謝したんです。
「それで、わたくしの踏み台になる指揮官は誰なのです?一応聞いておくわ」
「はい、なんでも男爵になったばかりの女性で、自治領も戦場の近くだから任されたとか言われてました、名前はたしかメリーナ、メリーナ・バーストン男爵です」
その名前を聞き、ビクトールはまたお茶を吹き出しました、メリシアが何事かと思いながらビクトールの顔を拭き、理由を話して貰ったの、その顔色はとても悪いわ。
「それじゃあ、姫様の1人勝ちにはならないかもですよ、どうするのですか?」
「まぁ落ち着きなさいメリシア、強い者を懐に入れる良い機会よ、これでわたくし専属の部隊が作れるわ、学園のお飾り騎士団なんて目じゃないわ・・・うふふ、楽しくなってきたわね」
「まったく呑気ですね、どうせ手合わせが出来るとか、余計なことも考えてるんでしょうけど、姫様そんな余裕はないと思いますよ、戦場なのですからね」
ビクトールの不敵な笑みを見て、メリシアは助言をしました、しかしビクトールは聞いていません。それを見てメリシアは思いました、自分がしっかりしなくてはっと、そして時が経ち砦に出発したんです。
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