異世界召喚に巻き込まれたのでダンジョンマスターにしてもらいました

12章学園大会

309話 戦技比べ

僕の名前はディル・ディグド


ディグド家の4男でディグド流剣術を教わっていたけど、はっきり言って好きじゃないです。


何かにつけて兄さんたちと比べられてしまうから・・・だから僕はヴェル様が僕に声を掛けてくれた時戸惑いました。

そしてもっと驚いたのがネスティです。


ネスティ
「ディルお前！剣に力がないぞ、もっと自信持てよ！お前は強いんだからな」


僕が強い？初めて言われました。

いつも兄さんより弱いだの、兄さんならこうしただのと言われてきましたからね。

それからです、兄さんたちの事を気にしなくなったのは・・・まあケイイチさんたちの訓練でそれどころではなかったともいいます、それに


ネスティ
「いくぞディル『虎口斬』」

ディル
「なんのー『斬空刃』」


戦技同士がぶつかり打ち消し合いました。


ネスティ
「やるじゃないかディル、前の力が入ってなかった時とは大違いだ」

ディル
「そうかな」

ネスティ
「そうさ、倒しがいがあっていいぜ『岩斬破』」


僕たちはしばらく戦技を撃ち合い、とうとう


ディル
「くっおぉぉーー」


僕は飛ばされてしまいました。


ネスティ
「いよっしゃーー！勝ったー」


僕は悔しかったですがとても楽しかったです、剣を使っていてこんな気持ちになったのは初めてです。




ディル
「はぁーー『ショックウェーブ』」

対戦相手
「ぎゃー！」


対戦相手を軽めの戦技で台から落とし勝利していきました。


司会者イカシ
「ディル選手またも一撃だぁー」

解説者セッカイ
「あれほどの戦技を一瞬で放つとは、相当練習したのでしょうね」


僕は予選を全て一撃で勝ち上がり、決勝にまで来ましたよ。


ディル
「ネスティに勝てないのに決勝なんて、なんか変な感じだよ」

ネスティ
「そうか？ケイイチさんたちがいるだろ凄い奴は」


僕たちはヒクウテイのいつもの特設訓練場で座って話しています。


ディル
「あの人達は別でしょ、どう頑張ったって勝てないよ」

ネスティ
「そうだけどよー目標は高い方が燃えるだろ」


ネスティは強いんだね、僕にはまねできないや。


ネスティ
「それにライバルは強い方がいい」


僕の方をじっと見て言ってきました、僕はそんなことを考えた事はなかったよ。

だってネスティには一度も勝ったことないもん。


ネスティ
「明日負けんなよな、負けたら承知しねぇーぞ」


握った拳を突き出して来て言ってきたので僕はすぐにまねをして拳を合わせました。


ディル
「もちろん、優勝してネスティにも勝って見せるよ」

ネスティ
「おう！待ってるぜ」


そして僕は今、決勝の舞台に立っています。


ディル
「ライバルか」

司会者ヘミル
「それでは始めてくださーい」

対戦相手
「いくよ『スラッシュウェーブ』」


弱そうな戦技の刃が飛んできています、速度も遅いです、ネスティに比べて。


ディル
「だぁー『飛翔裂刃』」


戦技の刃が二つ下から飛び出し相手の戦技が消し飛び、その勢いのまま相手に当たってしまい、相手の選手が上空に吹っ飛びました。


相手選手
「きゃあぁー」

ディル
「あ！やり過ぎた」


会場ではダメージは受けませんが僕は急ぎ相手選手が落ちてくる場所に行きキャッチしました。


相手選手
「うぅぅ」

ディル
「ごめん平気？」

相手選手
「は、はは、はい、平気です」


相手の子を下ろしたのですが相手選手の様子が変でした。


相手選手
「あ、ありがとうございました」

ディル
「僕こそ力を入れ過ぎてごめんね、楽しかったよ」


僕たちは握手をして司会の人が僕が優勝したことを告げてくれました、そこまでは良かったのですが


相手選手
「私パラマって言います、あのディルさま、ぜひ私を嫁に・・・いえ、弟子にしてください」


今嫁って言わなかった？


ディル
「ごめんね弟子は取ってないから、それに僕だってまだ弟子を取るほど強くないんだよ」

パラマ
「そこを何とか傍においてください」

ディル
「ごめん無理だからー」


そう言って逃げてきました。



しかし表彰式に出た時捕まり、弟子に無理やりさせられました。


ネスティ
「羨ましいぞディル」

ディル
「僕は嬉しくないよー」


大会が終わったらこっちに来るそうです、教える事なんてないんだけど、ケイイチさんに聞いてみましょう。