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4章陰で

閑話 ラクロナイトの苦悩

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ラクロナイトでござる。


拙者たちは王都に着き、また同じ屋敷を借りたでごさる。

セントバたちは王都の店と屋敷に別れたでござる、護衛もあるでござるからな。

ちなみに屋敷に残ったのはウサミたちウサギ型モンスターでござる。

なんでも話し合いで耳の良い者で固めたそうでござるが、本当でござるかな?アレン殿がケイナ殿に甘いだけではござらんか?

まぁウサミたちもかなりの強さでござるから問題ないでござるが、侵入者を捕縛するなら主君が新たに召喚した、暗殺ピエロたちの方が適任でござるよ、森の中でもかなりの手際でござった。



そんな事を考えながら拙者はいつものようにガランネ殿と手合わせをしているでござる。


「ガランネ殿いくでござるよ『旋風斬』」


「おう!すげぇ武技だな、『岩翔襲撃』」


ガランネ殿が地面を剣で叩き、地面が盛り上がって壁のようになり拙者の遠距離武技が当たり相殺されたでござる。



「やるでござるな」


「あはは、行くぞラクロナイト」


それからは武技を使う隙が無く、切り合いになったでござる、しかし拙者の方が早いのでござるよ。



「くぅ~やられた」


「まだまだでござるなガランネ殿」


ガランネ殿の懐に入り剣を当てたでござる、当てるだけなのでダメージはないでござるよ。



「武技は互角なんだがなぁ、やっぱ体の小ささかな?」


「それもあるでござるが、スキルでござろうな、拙者はスピードアップがレベル3でござるよ」


まあ他にもあるでござるが言わないでおくでござる。


「な!?それでか、あたしも欲しいな」


「教えてもいいでござるよ」


「ほんとか!?」


拙者がそう言ったらすごい笑顔で喜んでいたでござる、拙者は胸のあたりがチクチクもやもやしたでござるよ、最近ずっとこうなのでござる。



「ん!どうしたラクロナイト?」


「いや、どうも最近ガランネ殿の笑顔を見ると胸のあたりが変なのでござるよ、病気にはならないはずなのでござるが、なんでござろうな?」


主君に聞くのもいいのでござるが、何分不具合があるわけではないので、放置しているでござるよ。


「・・・なぁラクロナ」


「いましたわねラクロ!さあ今日もわたくしと一緒に行きましょう」


ガランネ殿が言い終わる前にベルティーナさまが来たでござる、今回も頻繁に来ているでござるが、隣でアレン殿がため息をついてるでござるよ。

きっと会議の話合いが出来ていないのでござろうな。


「ベルティーナさま今日は何処に行くでござるか?」


屋敷を出て少しして行き先を聞いたでござる、次に来た時は料理を教えてほしいと言われていたでござるから、おそらくベルティーナさまの屋敷だと思うでござる、護衛の二人もいないでござるから、きっとそうでござるよ。

ふっふっふ、準備は万全でござるよ、マジックバッグにも十分材料を入れてるでござるし、出来上がった物も入ってるでござる。



「そうね、西地区の教会に行きたいの付いてきてくれる?」


「きょ、教会でござるか?いいでござるが次に来たときは料理をすると言ってなかったでござるか?」


「い、いいじゃない気が変わったのよ!さあ行きましょ」


拙者の計画が全部無くなったでござるよ、まあマジックバッグに入っていれば腐らないでござるから、また今度にするでござる。


「ここよ、さあ入りましょ」


着いた教会はすごくボロボロでござった、それにさっきから後ろに気配がしているでござる、少し殺気も混じっているでござるかな?


「ラクロ、早く入りましょうよ」


「今行くでござるよ」


中に入ると子供たちが姫様を囲んだでござる。


「姫様だー!今日は何して遊ぶ~?」


「今日はお外で遊ぶって言ってたじゃないの、ねぇ姫様」


「違うよ、部屋で絵本を読んでくれるって言ってたんだよ」


なかなか人気者でござるな、こんな一面もあったでござるか、意外でござるよ。


「今日は私の騎士がみんなに剣を教えてくれるわよー」


「「「「きしー?」」」」


ベルティーナさまが拙者を指さして来て、子供たちの視線が来たでござる、いつ姫の騎士になったでござるか⁉︎


「えー小っちゃい」


「私より少し大きいくらいだよ、ほんとに騎士なの?」


「剣を教えてくれるの!」


他の子も同じようなことを一斉に言って来ているでござるよ。


「順番よみんな、さあラクロ頑張って」


「ぎょ、御意でござる」


拙者はしょうがなく子供たちに剣技を教えたでござる。


「とうっ、やぁ」


「はぁっ」


「なかなか筋がいいでござるよ、そこはもっと手の力を抜くでござる」


子供たちに教えているとベルティーナさまが言ってきたでござるよ。


「ラクロは教え方が上手ね」


「そうでござるか?ガランネ殿よりも扱いやすいでござるよ」


「そ、そうなの・・・ねぇガランネさんとはどんな関係なのかしら?」


ベルティーナさまがちょっと気まずそうに言ってきたでござるが、そもそもガランネ殿とは護衛仲間なだけでござる、そうそのはずでござるが。


「それがわからないでござるよ、護衛仲間なのはそうなのでござるが、最近どうも違う気がするでござる」


「そうなの・・・じゃあもし、あなたの主君がわたくしに付いてくることを許して、ガランネさんと離れたらどうするの?」


そう言われて拙者は考えたでござる、そうしたら胸の奥が苦しくなったでござる、しかし主君からの命令は絶対でござるよ。


「当然主君の命令を貫くでござる」


「そうなのね・・・分ったわ、じゃあ何が何でもあなたの主君に会わないとね」


「どうでござろうな?まあ頑張ってくだされ姫様」


最後ベルティーナさまが怒っていたようでござるが、それを見て拙者は少し胸が苦しくなったでござる、いったい何なのでござるかなこれは。

姫様を屋敷に送り、拙者は背後の気配の持ち主の所に行ったでござる。


「拙者に用でござるかな?それとも姫様が標的でござるか?」


「はぁ~さすがだな、気づいていたのかラクロナイト」


建物の陰から出てきたのは、何と⁉︎ガランネ殿でござった。


「どうしてガランネ殿が!もしかして姫様を狙っているでござるか?」


「はぁ~そんなわけないだろうが、あたしが来たのはラクロナイトが心配だからだ」


「拙者でござるか?しかし拙者は平気でござるよ、ガランネ殿なら拙者の強さを知っているでござろう」


おかしなことを言っているでござるよ、ガランネ殿なら知っていることでござるのに、それに何故だか困った顔をしているでござる、困るのはこっちでござるよ。


「そっちじゃねぇよ!まだ気づかないんだな自分の気持ちに・・・まあその内わかるか、さあ帰ろうぜ」


拙者はその言葉とガランネ殿の顔を見て胸が苦しくなったでござる、解らないでござるよガランネ殿。
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