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5章戦
閑話 作戦参謀テンサルの敗北
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「姫様もう一度お願いします」
私の名前はテンサル・コルントラス
貴族の階級は子爵ですが、この国の作戦参謀を任されています、自分で言うのもなんですが、凄い事なんですよ。
そして今私は、この国の第一王女ベルティーナ様に呼ばれ、あることを告げられました。
「もう!ちゃんと聞いててください、あなたはこれから、女神マコッチ様に作戦参謀として指導をしてもらって来なさい」
聞き間違いではなかったです!?女神?そんな者が存在しているのですか。
しかも指導をしてくれるって、いったいどんな事を学べるんでしょう。
「姫様、私はあの魔法学園に在籍していたんですよ、あれより優れた指導とは思えませんが」
私は子爵家の長男として、恵まれた教育を受けました、そのおかげで今の地位にいるのです。
その学園で私は主席でした、努力もしましたが才能があったと思います。
それほどの教育を受けたのですよ私は、それ以上はないと思っています、今更指導と言われても困りますよ。
それに今はちょっとタイミングが悪いです。
「知っていますわ、ですが今後あの国と戦うには必要なことだと私は思います、その意味分かりますねテンサル」
そうですか、姫様もそう思っていたのですね。
実は北の国、トルトトル帝国が少し、不穏な動きをしているのです、私は作戦会議で提案したのですが一蹴されましたよ。
まぁ今は魔王軍が向かって来ているって事で大変みたいにですけど、準備の速度が明らかに早いです。
「そう言われては断れませんね、分かりました」
「では馬車を用意したので早速向かってください」
私は言われるがままに馬車に乗り、ある場所に着きました。
「ほんとにここなのか?」
着いたのは、あの最近噂の商会の店でした、何でも相当にすごい商品を扱っているとか。
「どうもお待ちしていましたワン、どうぞこちらですワン」
獣種がここを仕切っているのですか?珍しいですね・・・しかし躾がしっかりされています。
「ここですワン、くれぐれも失礼のないようにお願いしますワン」
獣種がそう言って店の方に帰って行きました、それは向こう次第ですよ、全然大した指導でなければすぐに帰ります。
私が扉を開けると獣人の子供と小さいトカゲ、それと人族の少女が座っていました。
凄くきれいな少女でした、目を奪われましたよ。
「初めまして、私はマコッチよ、こっちの二人はマリンとキュリーね」
「こ、これは失礼しました、私はテンサル・コルントラス子爵です、この度はご指導をして頂くとお聞きしています、よろしくお願いします女神様」
私が貴族として跪き礼をすると女神さまは驚いていました。
「もう!ベルティーナったら、女神様って言わないでって言ったのに・・・まあいいわ、あなたがどれほどの教育を受けているのか知りたいの、何か方法は無いかしら」
そう言われ私はある物を出しました。
「では、学園で作戦指揮候補生たちが使う、戦略盤を致しましょう」
「おおー!?こんなのがあるのね」
どうやらこの魔法盤を知らないようでした、と言う事は貴族関係者ではない方なのですね。
本当に女神様?・・・まさかですよね。
それから私は、軽くコマの動かし方を教えました、ほんとに簡単にですよ。
「フムフム、チェスみたいな感じだと思ったけど、兵種が少なくて魔力に指示を乗せて流せば勝手に動くのね、分ったわ、じゃあやりましょ」
「え!?もうわかったのですか!」
「ええもう十分よ」
私は相当な経験者で、このゲームで負けたことがありません、そんな者に少し教わっただけで挑戦するって・・・ああ私の実力が分かればいいと言う事ですね、分かりました。
「どうしたの?早くやりましょうよ」
私がウンウン頷いていると、マコッチ様が言ってきたので始めました、やはりと言うか定石の配列を作ってきません。
この戦略盤は魔法兵20個、弓兵20個、歩兵40個で構成されています。
それを大体5個か10個のコマに固め、それを点々と配置して終わりです、こんな配列始めて見ました。
「これは、期待できないかな」
私は独り言を呟いてマコッチ様を見ました、全然こっちを見ていません、盤上をずっと見ています。
見ても変わりませんよ?
「うん!そう言った配列が基本なのね、じゃあそろそろ攻めるけどいいかしら?」
「え!?ええどうぞご自由に」
私の防御配列が完成するとマコッチ様が言ってきました、なんで出来上がったのが分かったのでしょう。
「じゃあ行くわよ」
それからはもう凄かったです、急にバラバラだった兵士が固まったり、またバラバラになったりと、もう何が何だか分かりませんでしたよ。
そして結果は分かりますよね。
「ま、負けました」
「うんありがとね、これであなたの参謀としての実力が大体分かったわ」
惨敗でした、私が兵士を固めた場所にマコッチ様が作っていた、5つのコマ歩兵が3つくっ付き、槍のような陣形を組み攻めてきました。
突撃して来ただけなので、定石通り弓と魔法で対応しようとしたら、魔法が私のコマの前に降ってきたんです。
当たらなかったから被害は出なかったのですが、歩兵の突撃が防げず私の防御陣の真ん中を通過していき、陣形は崩壊です。
その後は分散させて攻めてきた他のコマによって、どんどん倒されました。
こちらが攻めようとしたら、魔法兵と弓兵のコマが遠くから撃ってきて動けなくなり、そこをまた歩兵で攻められもう散々です。
「信じられない!?あなたはこれをやったことがあるんだ、そうでしょ!」
「やったことなんてないわ、まあ近い物は散々やったけど、これは初めてよ、それにあなたは守る事を一つで考えてるのよ、それじゃ私には勝てないわ」
守りの陣形なのですから、守りだけを考えるのは当たり前でしょう、他に何があると言うのですか?
「あのねテンサル、守っていても攻めるのよ、これから教えるのはそんな感じのことなの」
「はぁ~分かりました、よろしくお願いします」
それから数日マコッチ様に指導をしてもらいました。
それは私の生涯で最高の物でした、こんな事を教えて貰えるなど今でも信じられません、マコッチ様は戦略と戦術と言っていました。
これからはマコッチ様を師匠と呼ばせてもらい、一生を尽くさせてもらいます。
私の名前はテンサル・コルントラス
貴族の階級は子爵ですが、この国の作戦参謀を任されています、自分で言うのもなんですが、凄い事なんですよ。
そして今私は、この国の第一王女ベルティーナ様に呼ばれ、あることを告げられました。
「もう!ちゃんと聞いててください、あなたはこれから、女神マコッチ様に作戦参謀として指導をしてもらって来なさい」
聞き間違いではなかったです!?女神?そんな者が存在しているのですか。
しかも指導をしてくれるって、いったいどんな事を学べるんでしょう。
「姫様、私はあの魔法学園に在籍していたんですよ、あれより優れた指導とは思えませんが」
私は子爵家の長男として、恵まれた教育を受けました、そのおかげで今の地位にいるのです。
その学園で私は主席でした、努力もしましたが才能があったと思います。
それほどの教育を受けたのですよ私は、それ以上はないと思っています、今更指導と言われても困りますよ。
それに今はちょっとタイミングが悪いです。
「知っていますわ、ですが今後あの国と戦うには必要なことだと私は思います、その意味分かりますねテンサル」
そうですか、姫様もそう思っていたのですね。
実は北の国、トルトトル帝国が少し、不穏な動きをしているのです、私は作戦会議で提案したのですが一蹴されましたよ。
まぁ今は魔王軍が向かって来ているって事で大変みたいにですけど、準備の速度が明らかに早いです。
「そう言われては断れませんね、分かりました」
「では馬車を用意したので早速向かってください」
私は言われるがままに馬車に乗り、ある場所に着きました。
「ほんとにここなのか?」
着いたのは、あの最近噂の商会の店でした、何でも相当にすごい商品を扱っているとか。
「どうもお待ちしていましたワン、どうぞこちらですワン」
獣種がここを仕切っているのですか?珍しいですね・・・しかし躾がしっかりされています。
「ここですワン、くれぐれも失礼のないようにお願いしますワン」
獣種がそう言って店の方に帰って行きました、それは向こう次第ですよ、全然大した指導でなければすぐに帰ります。
私が扉を開けると獣人の子供と小さいトカゲ、それと人族の少女が座っていました。
凄くきれいな少女でした、目を奪われましたよ。
「初めまして、私はマコッチよ、こっちの二人はマリンとキュリーね」
「こ、これは失礼しました、私はテンサル・コルントラス子爵です、この度はご指導をして頂くとお聞きしています、よろしくお願いします女神様」
私が貴族として跪き礼をすると女神さまは驚いていました。
「もう!ベルティーナったら、女神様って言わないでって言ったのに・・・まあいいわ、あなたがどれほどの教育を受けているのか知りたいの、何か方法は無いかしら」
そう言われ私はある物を出しました。
「では、学園で作戦指揮候補生たちが使う、戦略盤を致しましょう」
「おおー!?こんなのがあるのね」
どうやらこの魔法盤を知らないようでした、と言う事は貴族関係者ではない方なのですね。
本当に女神様?・・・まさかですよね。
それから私は、軽くコマの動かし方を教えました、ほんとに簡単にですよ。
「フムフム、チェスみたいな感じだと思ったけど、兵種が少なくて魔力に指示を乗せて流せば勝手に動くのね、分ったわ、じゃあやりましょ」
「え!?もうわかったのですか!」
「ええもう十分よ」
私は相当な経験者で、このゲームで負けたことがありません、そんな者に少し教わっただけで挑戦するって・・・ああ私の実力が分かればいいと言う事ですね、分かりました。
「どうしたの?早くやりましょうよ」
私がウンウン頷いていると、マコッチ様が言ってきたので始めました、やはりと言うか定石の配列を作ってきません。
この戦略盤は魔法兵20個、弓兵20個、歩兵40個で構成されています。
それを大体5個か10個のコマに固め、それを点々と配置して終わりです、こんな配列始めて見ました。
「これは、期待できないかな」
私は独り言を呟いてマコッチ様を見ました、全然こっちを見ていません、盤上をずっと見ています。
見ても変わりませんよ?
「うん!そう言った配列が基本なのね、じゃあそろそろ攻めるけどいいかしら?」
「え!?ええどうぞご自由に」
私の防御配列が完成するとマコッチ様が言ってきました、なんで出来上がったのが分かったのでしょう。
「じゃあ行くわよ」
それからはもう凄かったです、急にバラバラだった兵士が固まったり、またバラバラになったりと、もう何が何だか分かりませんでしたよ。
そして結果は分かりますよね。
「ま、負けました」
「うんありがとね、これであなたの参謀としての実力が大体分かったわ」
惨敗でした、私が兵士を固めた場所にマコッチ様が作っていた、5つのコマ歩兵が3つくっ付き、槍のような陣形を組み攻めてきました。
突撃して来ただけなので、定石通り弓と魔法で対応しようとしたら、魔法が私のコマの前に降ってきたんです。
当たらなかったから被害は出なかったのですが、歩兵の突撃が防げず私の防御陣の真ん中を通過していき、陣形は崩壊です。
その後は分散させて攻めてきた他のコマによって、どんどん倒されました。
こちらが攻めようとしたら、魔法兵と弓兵のコマが遠くから撃ってきて動けなくなり、そこをまた歩兵で攻められもう散々です。
「信じられない!?あなたはこれをやったことがあるんだ、そうでしょ!」
「やったことなんてないわ、まあ近い物は散々やったけど、これは初めてよ、それにあなたは守る事を一つで考えてるのよ、それじゃ私には勝てないわ」
守りの陣形なのですから、守りだけを考えるのは当たり前でしょう、他に何があると言うのですか?
「あのねテンサル、守っていても攻めるのよ、これから教えるのはそんな感じのことなの」
「はぁ~分かりました、よろしくお願いします」
それから数日マコッチ様に指導をしてもらいました。
それは私の生涯で最高の物でした、こんな事を教えて貰えるなど今でも信じられません、マコッチ様は戦略と戦術と言っていました。
これからはマコッチ様を師匠と呼ばせてもらい、一生を尽くさせてもらいます。
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