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6章不穏

102話 諦めてほしい

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「良かったわねテンサル」


「はい、師匠がいなければ戦争が大きくなっていました、ありがとうございます」


ジェミルゴス王国の使者が来た時、色々文句を言ってきたそうです、そして兵士を返したり領土をお金に換算したりすれば元は取れるだろうと、遠回しに説明して帰って貰ったみたい。


「でもねテンサル、相手はまだあきらめてないわよ」


「え!?・・・ま、まさか!?」


「そうなの、どうしても戦争を大きくしたいのね、だから他の種族に使者を出してるわ」


私が言っていた通り、助けを求める使者を色々な種族の国に送り始めました、そして自分たちは損害が出たから兵士は出せないって武器等を出すだけにするみたい、早速準備をしてるわ。


「そ、そんな・・・ではどうすればいいのですか師匠!」


「それはこっちが先に他の国に説明するのよ」


私たちは全然悪くないの、なるべく死者を出さないようにしたし、ジェミルゴス王国に領土もあげたわ、それなのにそれ以上を要求してきたの、これはジェミルゴス王国が悪い事になるはずよ。



「で、ですが、今から国に戻って話し合いをして使者を送ったのでは遅すぎます、仮に師匠の転移で国に戻っても会議で決まるのは時間がかかりますよ」


まあそうなのよね、ジェミルゴス王国が使者を送り始めたのがあの戦いのすぐ後なの、だからどんなに早くても間に合わないわ。

そう今から始めたらね。


「大丈夫よテンサル、ジェミルゴス王国から一番近い他種族の国にはすでに話を付けてあるの、今話が付いてないのはさらに遠くの国だけよ」


遠くの国には伝書ハトが行ったんだけど、すぐに了承を貰ったんだよね、あの国が今までしてきたことがいけなかったのかな?

あれならジェミルゴス王国の使者が行っても信じて貰えなかったかもねって思うくらいスムーズに進んだわ、お礼に色々提供したけど。


「さ、さすが師匠です!感謝してもしたりないです、もう一生あなたについていきますよ私は」


「ちょっと、大げさよテンサル!それにこれが終わっても次があるのよ」


「え!それはどういうことですか?」


まだ確定ではないんだけど、あの魔王が負けそうなの、まあ私たちにやられたんだから兵力差があったのね、もう少しで決着がつくわ。


「だから同じ種族で戦ってる時じゃないの」


「なるほど、ではそれに備えて準備をしたいのですね師匠は」


いやもうしてるんだよね、着実に兵器は出来ています、それはもうここで出していいの?って物や少し進んだ物までです。


「ま、まあテンサルたちが要だからしっかりね」


「はい!お任せください、師匠の一番弟子として絶対に負けません」


テンサルが部屋を出たので私たちも転移しました。


『お帰りー』


「ただいまスイちゃん・・・ああ~つまんない、どうしてこうも予想通りに動くのかしらあの人たち」


まあ戦争で兵士の死傷者の保証とかは考えませんでしたけど、それ以外はホント手段として下の下ですよね。

それに自分たちを助けてくれる国がいると思って送ったのに、他の国はそれほど親しみが無かったのがまた哀れね。

全部の国じゃないのがまた問題だけど、それは向こうの話し合いが終わってからね、ジェミルゴス王国をずっと注意していれば問題ないわ。


『それはマコッチだからだよ、他の人じゃそうはならないって』


「まあね、ラットやスズメがいるからだけどね」


『あとあれもでしょ、まさかスキルの写真作成で、あんな規模の精密な地図を作るとは思わないよ』


そうなんです、私はモンスターとアイテム作成を駆使し、なんと観測機を打ち上げました。

そしてそれからの画面を写真化し、精密な地図を作ったんですよ。


すごく大変でしたよ、アイテム作成だけでは無理だったので映画にあった、ロボット生命体みたいなモンスターを作り、それをアイテム作成で作ったロケットで打ち上げたの。


「おかげでどこに進んで野営をしたりするかが手に取るようにわかったわ」


『そうそう、それに少数で移動してる兵士もね』


まあラットやスズメたちでも見つけられたと思うけど、早くなったのは確実ね。

それ以外に少し気になることが出てきたけど、それは少しずつ調べるわ。


「さてこっちは終わりだから、ダンジョンを見ましょ」


『え!?他種族の街に連絡をしないの?』


スイちゃんが言ってきましたけど、もうしたのよねぇ。

こんな作戦最初に考える事だもの、もっと他にないのかしらね。


「もうしたわ、あっちの人たち何故だかすごく協力的だそうよ」


『ふ、ふぅ~ん・・・やっぱりマコッチを敵にしたらダメだわ』


何度も言わないでよ、照れるじゃないのよ、テヘ。
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