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7章学校
127話 採取PT
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「シャラこれは何処に置くネ」
「それはこっちに頂戴ネローネ」
「アイアイー」
どうも私の名前はシャラ、調合士を目指して冒険者になりました。
みんなにはそう言っています・・・ホントは村が嫌で出てきました、理由は聞かないでください、言いたくもないし思い出したくもないです。
「ありがと、後この鍋に水を出してくれる?」
「アイアイー『ウォーター』」
私たちはPTを結成して1年になります、中立の街で冒険者をしていてそこでアイアンランクになったんです。
凄くギリギリだったわ、思いだしてもあれは奇跡ね。
そして試験に合格してすぐに、その街がちょっと怪しい動きをし始めたの、どうも貴族同士の争いが起きたらしいです、なので最近噂のコルル街に避難してきました。
「テントの設置を終わらせたぞい」
「ありがとデデルト、じゃ火をこれに着けてくれる?」
「任せろ『トーチ』良いぞい」
私たちはレベルが低くて戦闘をあまりしません、でもこのダンジョンは9階までなら、それほど強いモンスターがいないので、私たちでも十分探索が出来るんです。
ホントはボスを倒してマジックバッグを手に入れたり、11階から出る素材を使いたいのですけどね、もう少しここでレベルを上げないととても挑戦できません。
「じゃあテト以外で薬草を潰して煮詰めましょ」
「アイアイ「おう」」
みんなにそう言ってそれぞれ分担して作業をして行きました、ちなみにテトとは小人族の女の子の事でテテト・トトル・テテと名前が長かったので略称しています。
そしてテトは錬金術が使えるのでポーションの瓶を作ってもらっています、私も作って見たくてテトに教えて貰いながら練習してますが、まだスキルに載りません。
「シャラ、瓶出来たの」
「ありがとテト、魔力が回復したらあと3個作ってくれる?」
「はいなのー」
私はテトの頭を撫でながら言いました、とても小さくて可愛いんです、まぁ私も小さい方ですけどね・・・まだ成長しますよ!12歳ですもん。
「ふぅ~少し休憩じゃ・・・ん?おい!シャラ」
「なにデデルト!?」
私はデデルトに呼ばれて振り向くと、安全地帯の部屋に3人の男たちが入ってきました。
珍しいですね、ここのダンジョンではほとんどの冒険者がすぐに移動石っていうアイテムで下の階に行きます。
行かないのは私たちのようなレベルの低い新人何ですけど、そう言った冒険者は私たちだけで見たことなかったんです、それにどう見ても新人冒険者ではなさそう、なにか嫌な予感がします。
「こんにちは何か用ですか?」
「いやいや用って程じゃねぇよ、ただなぁ」
先頭の男が他の男たちを見ながら言っています、やはり怪しいですね、私は手を後ろにしてみんなに合図をしました、うまく逃げれるでしょうか。
「ああ、取り敢えず命は保証してやるから、有り金全部とアイテムを寄こしな」
「な!?何を言ってるネ!寝言は寝てから言うネ」
男の仲間の言葉を聞いて、ネローネが尻尾を逆立てて言っています。
やはりそう言った者たちなのね、幸い出口はもう一つあるし、今の位置ならきっと逃げられるわ。
調合道具やテントはこの際諦めるしかないわね。
「ほんとに渡したら命は保証してくれますか?」
「ほう、聞き分けが良いじゃねぇか、俺たちは保証してやるよ、ただ奴隷になってからは知らんがな、ははははは」
まあそうよね、私は相手が笑っている隙を突いて直ぐに大声を出しました。
「それじゃダメね、みんな逃げるわよ!!テトやって!」
「はいなの!たぁっ」
テトに煙が出るアイテムを男たちに投げてもらいました、これでついては来れないわ。
「何だこりゃ!ゴホゴホ」
「ごほごほヤロー」
「ゴホゴホ、クソ!逃がすな・・・って言うと思ったろ」
私たちは男たちとは反対方向の道に走ったのですが、2人の男が入ってきました。
「そんな!?」
「仲間がいたネ!」
「どうするんじゃシャラ」
デデルトが聞いてきました、ネローネは私を見ています・・・テトは私にしがみついて震えてるわ・・・どうしたら、どうしたらいいの。
「シャラ!戦うネ、どうせ捕まるなら腕の一本を貰って行くネ」
「フムそうじゃな、もう捕まるのは覚悟せんとな、やるぞい!」
2人は武器を構え、2人の男たちの前に立ちました、でも相手は余裕の顔をしています。
「面白れぇ、おいおめぇら手加減しろよ、大事な商品になるんだ」
「「おう」」
3人の男たちの方からそう声がしました、それを聞いて2人の男が武器を構えたわ、でも後ろの方からは武器の音はしません、3人の笑っている声がします、それだけあの2人は強いのでしょうね。
「デデルト行くネ、はぁーー」
「おう!どりゃー」
「テト、あなたは後ろから投擲をして援護ね、私はネローネとデデルトに加勢に行くわ」
「うぅ~分かったの、テテト頑張るの」
私はテトを撫で、二人の後を走って行こうと3歩踏み出した所で、ネローネたちが男の1人に切りかかるのを見ました。
「フン!やはりこんな低階層を探索してるやつらじゃこの程度か」
私が2人に加勢する前に、ネローネとデデルトの攻撃を男が持っていた剣で受けていました。
それも片手です!?
「な、なんじゃと!?」
「嘘ネ!」
「嘘なもんかよ、そらよ!」
男が手でデデルトの斧先を持ち、デデルトを振り回してネローネにぶつけ、二人は壁まで飛ばされました。
「ネローネ!デデルト!」
2人に男が近づくのをテトが投擲で防いでいますが、時間稼ぎにしかなってないわ。
早く二人の所に行かないと。
「おっと、嬢ちゃんは俺が相手してやるよ」
私は二人の方に行こうとしたら後ろで声がしたの、残っていたもう一人の男が後ろに回っていたのよ。
「くっ武技『瞬迅斬』」
「おおっと、まさか高速系武技を使えるとはな、だが所詮は低レベルの武技だ全然早くねぇ、そらよ!」
「くはっ!」
私は武技を避けられ、男の蹴りをお腹に食らって吹っ飛びました、軽く蹴られたと思ったのに、動けないほどのダメージです。
「うぅ~」
「クックック、さぁ後はこれを付ければお終いだなっと」
「シャラには近づかせないの!!」
「おっとと」
テトが投擲アイテムを男に投げて男が後退しました、私は動きたいけどダメージのせいで動けないわ、さっき作ってたポーションがあればいいのに。
「なかなかやるなお嬢ちゃん、だが向こうももう終わりのようだぜ」
男の向いた方を見たらネローネとデデルトが拘束されていました、もう私たちはお終いなの?これじゃあの村にいた時となにも変わらないじゃない!
「そんななの」
「な、だからあきらめな、痛いのはいやだろ」
テトが投擲用の玉を投げるのをやめてしまったわ、ほんとあそこと同じ、弱い者は強い者の食い物にされるあの村と。
「まって!!お願い!私はどうなってもいいから、みんなは見逃してお願いします」
私は動かない体をなんとか動かし、頭を下げました、もしかしたらみんなは助かるかもって微かな希望を抱いて、でも。
「ダメダメ、おまえたちのようなレベルの低いもんじゃ、全員だって金にならないんだ、諦めな」
男が笑いながらそう言いました、ああそうだよね、あの村でもそうだったわ。
仕事が遅いからって食事もロクに貰えず、病気の子たちはお金がかかるからって直ぐに命を取られるあの村と。
「誰か、誰か助けてよ・・・神様」
私は床に頭をつけたまま神様に祈りました、村にいた時だって祈ってたのに、救ってくれなかった神様に。
「それじゃダメだぜ、最後まであきらめんな!」
私が泣いていると男たちとは違う声が何処かから聞こえてきたんです。
「それはこっちに頂戴ネローネ」
「アイアイー」
どうも私の名前はシャラ、調合士を目指して冒険者になりました。
みんなにはそう言っています・・・ホントは村が嫌で出てきました、理由は聞かないでください、言いたくもないし思い出したくもないです。
「ありがと、後この鍋に水を出してくれる?」
「アイアイー『ウォーター』」
私たちはPTを結成して1年になります、中立の街で冒険者をしていてそこでアイアンランクになったんです。
凄くギリギリだったわ、思いだしてもあれは奇跡ね。
そして試験に合格してすぐに、その街がちょっと怪しい動きをし始めたの、どうも貴族同士の争いが起きたらしいです、なので最近噂のコルル街に避難してきました。
「テントの設置を終わらせたぞい」
「ありがとデデルト、じゃ火をこれに着けてくれる?」
「任せろ『トーチ』良いぞい」
私たちはレベルが低くて戦闘をあまりしません、でもこのダンジョンは9階までなら、それほど強いモンスターがいないので、私たちでも十分探索が出来るんです。
ホントはボスを倒してマジックバッグを手に入れたり、11階から出る素材を使いたいのですけどね、もう少しここでレベルを上げないととても挑戦できません。
「じゃあテト以外で薬草を潰して煮詰めましょ」
「アイアイ「おう」」
みんなにそう言ってそれぞれ分担して作業をして行きました、ちなみにテトとは小人族の女の子の事でテテト・トトル・テテと名前が長かったので略称しています。
そしてテトは錬金術が使えるのでポーションの瓶を作ってもらっています、私も作って見たくてテトに教えて貰いながら練習してますが、まだスキルに載りません。
「シャラ、瓶出来たの」
「ありがとテト、魔力が回復したらあと3個作ってくれる?」
「はいなのー」
私はテトの頭を撫でながら言いました、とても小さくて可愛いんです、まぁ私も小さい方ですけどね・・・まだ成長しますよ!12歳ですもん。
「ふぅ~少し休憩じゃ・・・ん?おい!シャラ」
「なにデデルト!?」
私はデデルトに呼ばれて振り向くと、安全地帯の部屋に3人の男たちが入ってきました。
珍しいですね、ここのダンジョンではほとんどの冒険者がすぐに移動石っていうアイテムで下の階に行きます。
行かないのは私たちのようなレベルの低い新人何ですけど、そう言った冒険者は私たちだけで見たことなかったんです、それにどう見ても新人冒険者ではなさそう、なにか嫌な予感がします。
「こんにちは何か用ですか?」
「いやいや用って程じゃねぇよ、ただなぁ」
先頭の男が他の男たちを見ながら言っています、やはり怪しいですね、私は手を後ろにしてみんなに合図をしました、うまく逃げれるでしょうか。
「ああ、取り敢えず命は保証してやるから、有り金全部とアイテムを寄こしな」
「な!?何を言ってるネ!寝言は寝てから言うネ」
男の仲間の言葉を聞いて、ネローネが尻尾を逆立てて言っています。
やはりそう言った者たちなのね、幸い出口はもう一つあるし、今の位置ならきっと逃げられるわ。
調合道具やテントはこの際諦めるしかないわね。
「ほんとに渡したら命は保証してくれますか?」
「ほう、聞き分けが良いじゃねぇか、俺たちは保証してやるよ、ただ奴隷になってからは知らんがな、ははははは」
まあそうよね、私は相手が笑っている隙を突いて直ぐに大声を出しました。
「それじゃダメね、みんな逃げるわよ!!テトやって!」
「はいなの!たぁっ」
テトに煙が出るアイテムを男たちに投げてもらいました、これでついては来れないわ。
「何だこりゃ!ゴホゴホ」
「ごほごほヤロー」
「ゴホゴホ、クソ!逃がすな・・・って言うと思ったろ」
私たちは男たちとは反対方向の道に走ったのですが、2人の男が入ってきました。
「そんな!?」
「仲間がいたネ!」
「どうするんじゃシャラ」
デデルトが聞いてきました、ネローネは私を見ています・・・テトは私にしがみついて震えてるわ・・・どうしたら、どうしたらいいの。
「シャラ!戦うネ、どうせ捕まるなら腕の一本を貰って行くネ」
「フムそうじゃな、もう捕まるのは覚悟せんとな、やるぞい!」
2人は武器を構え、2人の男たちの前に立ちました、でも相手は余裕の顔をしています。
「面白れぇ、おいおめぇら手加減しろよ、大事な商品になるんだ」
「「おう」」
3人の男たちの方からそう声がしました、それを聞いて2人の男が武器を構えたわ、でも後ろの方からは武器の音はしません、3人の笑っている声がします、それだけあの2人は強いのでしょうね。
「デデルト行くネ、はぁーー」
「おう!どりゃー」
「テト、あなたは後ろから投擲をして援護ね、私はネローネとデデルトに加勢に行くわ」
「うぅ~分かったの、テテト頑張るの」
私はテトを撫で、二人の後を走って行こうと3歩踏み出した所で、ネローネたちが男の1人に切りかかるのを見ました。
「フン!やはりこんな低階層を探索してるやつらじゃこの程度か」
私が2人に加勢する前に、ネローネとデデルトの攻撃を男が持っていた剣で受けていました。
それも片手です!?
「な、なんじゃと!?」
「嘘ネ!」
「嘘なもんかよ、そらよ!」
男が手でデデルトの斧先を持ち、デデルトを振り回してネローネにぶつけ、二人は壁まで飛ばされました。
「ネローネ!デデルト!」
2人に男が近づくのをテトが投擲で防いでいますが、時間稼ぎにしかなってないわ。
早く二人の所に行かないと。
「おっと、嬢ちゃんは俺が相手してやるよ」
私は二人の方に行こうとしたら後ろで声がしたの、残っていたもう一人の男が後ろに回っていたのよ。
「くっ武技『瞬迅斬』」
「おおっと、まさか高速系武技を使えるとはな、だが所詮は低レベルの武技だ全然早くねぇ、そらよ!」
「くはっ!」
私は武技を避けられ、男の蹴りをお腹に食らって吹っ飛びました、軽く蹴られたと思ったのに、動けないほどのダメージです。
「うぅ~」
「クックック、さぁ後はこれを付ければお終いだなっと」
「シャラには近づかせないの!!」
「おっとと」
テトが投擲アイテムを男に投げて男が後退しました、私は動きたいけどダメージのせいで動けないわ、さっき作ってたポーションがあればいいのに。
「なかなかやるなお嬢ちゃん、だが向こうももう終わりのようだぜ」
男の向いた方を見たらネローネとデデルトが拘束されていました、もう私たちはお終いなの?これじゃあの村にいた時となにも変わらないじゃない!
「そんななの」
「な、だからあきらめな、痛いのはいやだろ」
テトが投擲用の玉を投げるのをやめてしまったわ、ほんとあそこと同じ、弱い者は強い者の食い物にされるあの村と。
「まって!!お願い!私はどうなってもいいから、みんなは見逃してお願いします」
私は動かない体をなんとか動かし、頭を下げました、もしかしたらみんなは助かるかもって微かな希望を抱いて、でも。
「ダメダメ、おまえたちのようなレベルの低いもんじゃ、全員だって金にならないんだ、諦めな」
男が笑いながらそう言いました、ああそうだよね、あの村でもそうだったわ。
仕事が遅いからって食事もロクに貰えず、病気の子たちはお金がかかるからって直ぐに命を取られるあの村と。
「誰か、誰か助けてよ・・・神様」
私は床に頭をつけたまま神様に祈りました、村にいた時だって祈ってたのに、救ってくれなかった神様に。
「それじゃダメだぜ、最後まであきらめんな!」
私が泣いていると男たちとは違う声が何処かから聞こえてきたんです。
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