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9章離れた場所

172話 面会の約束

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私は暑さ対策を説明したわ、ジェヅ君がいるから平気だと思うけど、他の子たちにも自覚を持ってほしいのよ。


「これが炎耐性レベル4の指輪よ、みんなで着けてね」


私はマリンに渡してみんなに配ってもらいました、直ぐに鑑定を掛けてるわ。


「すげえな、なぁジェヅ」


「ええ、こんな付与初めて見ました、それに確かサンダーボルトとガラングランが、コルル街に卸し始めた指輪は1レベルのはずです」


その情報を集めているなんてさすがね。


「ええそうよ、あの人たちは既に私の支援を受けてるわ」


それを聞いてビックリしているわ、装備がすごく変わってたからすぐに分かったそうよ。


「じゃ、じゃあ今あの後ろにあるんわ」


「そうよケイナさん、そう言った装備が置いてあるわ、でもケイナさんにはこれも渡さないといけないのよ」


私は経験値10倍の指輪と状態異常耐性レベル2が付いたイヤリングを渡しました。


「ど、どうしてウチにだけこんな」


「だってまだレベルがみんなに追いついてないでしょ、今後困るから着けておいてみんなに追いついたら外して良いわ、でもそっちの状態異常の方は絶対着けておいてね」


ケイナさんはみんなと違い状態異常耐性を持ってないの、31階から入ってレベル上げをしているからね。


「おおきにマコッチはん、とても感謝や」


「いいのよ、10倍の指輪を返してくれたらもっといい物をあげるわ、じゃあみんな装備の方に行きましょ」


そう言って私たちダンジョン側メンバーは立ち上がって移動しました、私が最後に変な事を言ったからミスリルの片鱗メンバーは立たないで顔を見合ってるわ。


「マコッチやり過ぎないようにね」


「スイちゃん、もう他のPTにはしてるんだから良いのよ、私が頑張って他と調整すれば問題ないわ」


先頭を行ってるPTにはほんとに頑張ってもらわないと、増設が出来ないわ。

別に待ってなくてもいいんだけど、誰も挑戦しないんじゃねぇ。

数年すればあの勇者くんが来てくれるかもだけど、先の話だし。


「すげぇ、あの時見た装備だ、なぁケイナ」


「ほんまやわ・・・ねぇあなた、これなんてええんやない?」


カイズ君とケイナさんが楽しく装備を選んでるわ、他の人もイチャイチャしてるわ。


「ねぇマコッチ、何だかこっちが恥ずかしくなるくらいアツアツだね、このPT」


「そうねスイちゃん、画面で見ててわかってたけど、直に見るとほんとすごいわ」


私たちは、それぞれ選んでいるのを眺めてるんだけど、どこかのカップルが服を選んでるって感じの光景が3つもあるのよ。


「これはしばらくかかるかしら?」


「そうだね、トランプでもして待とうよマコッチ」


「そうねスイちゃん、マリンキュリーおいでー」


私たちは時間を潰す為、遊んでいることにしました、今日のゲームは大富豪です。


「はい!革命だよ」


「スイ様ちょっとそれはないですよ」


「むふふキュリーあきらめなさい、ルールなんだから」


スイちゃんが嬉しそうです、返せるんだけど、そろそろ終わりね。


「あのマコッチさん」


「ああジェヅ君、終わったのね」


「はい、時間を掛けてすみません」


「良いのよ、じゃあ時間も経ってるし食事でもしましょ」


装備を鞄にしまってみんなで食事を楽しみました、スイちゃんがブツブツ言ってたわ、あと少しで勝てたってね。


「じゃあみんな頑張ってね、どうしても危なかったらゼタに持たせたあれを使うのよ」


「もちろんです、それとマコッチさんあの話はどうなりました?」


あの話とは、ジェヅ君の両親たちの探索です、どうもジェミルゴスにいたらしいんだけど、手紙を出しても返答がないんだって。

だから私に調べてほしいって言われたのよ、調べてびっくりしたわ。


「みんな無事よ、手紙とかも預かってるわ、会いたいならセッティングするから言ってね」


手紙を渡しながらそう言いました、少しホッとしてるわね。


「そうですか、有難うございます」


ジェヅ君の両親もお兄さんも私の地下街にいたんです、どうやらあの元貴族と騎士たちだったみたい、元貴族の二人は名前を聞いた時はあれ?って思ってたけどね。

向こうもね、街同士の話し合いの時に顔合わせして驚いたって言ってたわ、そして私はもう一つ付け足しました。


「ジェヅ君、長男のジェミニ君は今大変みたいなの、君から説得できないかな?」


ジェミニ君はあの第3王子に付いてるの、これからそこは戦場になるから出来るだけ避難してほしいけど、多分ダメなのよね、ラットたちの情報で既に覚悟を決めてるわ。

でも弟の言う事なら聞くかもって思ったのよ、チャンスは出来るだけ使わないとね。


「そうですか、兄さんそんなことを考えてたんですね」


「あなた達のされたことを考えれば気持ちは分かるけど、分が悪いの、今ならまだ間に合うわ」


「分かりました、手紙を出してみます、でもジェミニ兄さんは・・・」


それだけ言って黙ってしまったわ、そうよねきっとダメなのよね。


「私も出来るだけの事はするわ、気を落とさないで、あなたは自分のPTの事を考えてねリーダーなんだから」


「はい、ありがとうございます」


そう言って部屋を出て行きました、復讐を考えてる人はたぶん誰の意見も聞かないわ、復讐が成功しないとね。


「その時は私が何とかするわ、せっかく家族みんないるんだもん、時間が掛かってもなんとかして見せるわ」


そう呟いて私たちは片づけをし始めました。
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