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10章動き出す者たち
閑話 アンナとカッシュ
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「リサさんおはようございます」
どうも僕はカッシュと言います、マコッチ様からここエリリル村を守るように言われた1人です。
他にも4人いて獣人が2人にバンパイアが2人です、そして僕はフルプレートのモンスターだったんです。
「あらカッシュ、早いのねおはよう・・・アンナはまだ起きてないのよ」
「でしょうね・・・これアンナさんが起きたら渡してください、状態異常回復薬です」
リサさんの家に来たのは、昨日のアンナさんの告白をちゃんとした形で返事をするつもりできました。
だってあんな形で了承したのではさすがに変でしょ、そして出来れば断ろうと思っています。
アンナさんの気持ちはとても嬉しいです、でもここを離れるわけにはいかないんです・・・まあ自分の気持ちの問題ですけど・・・マコッチ様に言えば代わりの誰かを派遣してくれるはずです。
でも僕は任された以上はやり遂げたいんです、だからリサさんにもそう言いました、なのでアンナさんがここに来た時、一緒に過ごしたり手紙のやり取りをするつもりです。
それでだめなら僕はアンナさんとは付き合えません、僕のわがままですがこれは譲れないんです。
「アンナさんねぇ・・・カッシュ君これって上級?」
「そうですね、僕たちに支給されている物なので気にせず使ってくださいね、じゃあ僕はモンスターの間引きに行きます」
リサさんの反応が少し変でしたがきっと回復薬が上級だったからですよね、それにアンナさんとの話し合いは急がなくてもいいです、今日中ならそれで・・・会うのが少し気まずいわけじゃないですよ、うん。
「ふぅ~今日はこれくらいにしようかな、アンナさんとも会わないといけないしね」
昼を過ぎたので少し早いですが村に向かいました。
「村に帰るなんて何だか変な感じだなぁ、それにしても間引いたモンスターは順番に村に置くべきだったかな、全部僕がやったのは失敗だったよ」
村長たちに分からないと思って全部僕がしてたんです、張り切っていたんですよ僕は、他のみんなにも言われてたんです、他のみんなはまだばれてないので別行動なんですよ。
「門番さんはあのトムって人ですね、あれ?あれって」
村の入り口が見え始めてくると、トムさんの他にもう1人います、まぁ分かりますよね。
「お、おおおう!かか、カッシュ、お、おおお帰り」
すごく動揺しているアンナさんがいました、これは気まずいですね。
「ただいまです・・・それでどうしてここにいるんですかアンナさん」
「む!?・・・ああ、もしかしたらカッシュがもう帰ってこないんじゃないかと思ってな、もう少しで迎えに行くところだったんだ」
そうだったの!?少し早めに切り上げて良かったよ、いつもはみんなと合流してモンスターを解体するけどほんと後にして良かったね。
「ちゃんと帰ってきますってアンナさん、体調は良くなったみたいで良かったよ」
「ああ・・・薬ありがとな」
少し機嫌が悪いです、どうしてかな?
「あのアンナさん?」
「なあカッシュ、どうして俺にさん付けなんだ?昨日は呼び捨てだっただろ」
ああ、それで機嫌が悪いのか、でもなぁ僕としては立場があるからなぁ。
「昨日は勢いで言ってたんだよ、さすがにあの人と親しくしている人たちを呼び捨てはねぇ」
「なんだよあの人って、いいから俺の事は呼び捨にしてくれ」
機嫌が悪いままでそう言ってきました、まあ本人が良いと言っているならしょうがないかな。
でもリサさんに聞いてないのかな?僕がマコッチ様のモンスターだって・・・まぁいいか。
「分かったよ、これからは呼び捨てにするよ」
「よしよし」
笑顔になって頷いているけど、今度は少しソワソワしだしたね、きっとあのことだね。
「そ、それで・・・あの返事ってほ、本気かな?」
「うん本気だよアンナ」
「ほんとか!?」
酔っていたアンナに返事をしたけど、ほんとの事だよ。
「でも僕はこの村から離れられないんだ、それが嫌じゃなければだけど・・・いいかな?」
「なんだそんな事か、リサにも聞いたがもちろんいいさ、だけど手紙はくれよな」
顔を赤くして言ってきたよ、こんな顔もするんだね、何だか可愛いな。
「もちろんだよ、じゃあ改めて・・・アンナ僕と付き合ってください」
「ひっ!?」
僕は告白をしながら頭を下げて右手を出したんだけど、アンナの悲鳴のような声が聞こえたよ、大丈夫かな。
「ほ、ほんとにお、俺でいいのか?」
「もちろんだよ、あんな形だったけど僕は君の事が好きだ、今は無理だけどいつか一緒に暮らしたい」
会ってそんなに時間は経ってないけど、手合わせをして気持ちは伝わってきた、この人は真っすぐな人だ、だから好きになったんだ。
「わ、わかったよ、しょうがないから受けるよ」
アンナの手が僕の手に添えられたよ、良かった。
「これからよろしくねアンナ」
「ああ、よよよろしくな」
顔をあげたらさっきよりも顔を赤くしていたよ、僕だって恥ずかしかったんだよ。
「青春だねぇ」
今気づいたけどトムさんが近くでニヤニヤしていました。
それからアンナたちの仲間が来るまで一緒に間引きをしたり、村で手合わせや食事をして過ごしました。
《そして1ヶ月後》
「リッちゃんアンナちゃんきたよーって、ああー!?アンナちゃんが男と手を繋いでるー!」
「な、なんですって!?」
「驚き」
アンナの仲間のリンさんとティアさん、それとヴェルさんがリサさんの家に入ってきて僕たちを見て驚いていました、そう言われるとすごく恥ずかしいね。
「はぁ~やっと来たわね、もう大変なのよこの二人、見てるだけで火傷しそうなの」
「な!?い、いいだろリサ、ここにいる間だけなんだ」
急に恥かしくなったのか、アンナが手を放してリサさんに詰め寄って行きましたよ。
「はいはい、じゃあみんな行きましょ」
「「ちょっと待って」」
みんなが旅に出るって事で立ち上がったんですがリンさんとティアさんがリサさんを止めています、どうしたんですかね?皆さんが来たら直ぐ出発すると聞いていますけど。
「リンもティアもどうしたのよ」
「ダメ」
「ヴェルまで・・・なんでダメなのよ」
僕も聞きたいです、何でダメなんでしょうか?
「だって・・・ねぇティアちゃん」
「そうだよリサ!アンナたちの話を聞かないと気になって旅なんて出来ないわ、今すぐそこに座りなさい」
僕まで座らされました、アンナの隣に・・・それからしばらく僕たちの話をしてその日の出発は延期ですよ。
「おはようございます皆さん」
次の日アンナたちの出発を見送りに門まで来ました。
「相変わらず早起きねカッシュ、おはよう」
「「「おはようカッシュ君」」」
「うぅ~眠ぃ~」
皆さんが挨拶をしてくれたんですがアンナだけすごく眠そうだね、どうしてかな?
「アンナ平気かい?ほらこの草を噛むと少しは楽だよ」
「ああサンキュー(ハム)んふふ~」
目覚め薬に使う草なんだけど、喜んでくれて良かった。
「青春だねぇ~」
「「「「んふふ~いいわねぇ~」」」」
リサさんたちがニヤニヤして見ていました、いつもは昼からいるはずのトムさんもです。
「じゃ、じゃあ皆さん気を付けてくださいね、アンナ手紙書くからね」
「おう!次は6か月後だ、それまで浮気するなよ」
「しないって、アンナもね」
そうしてアンナたちは旅立ちました、僕は間引きをしながら6か月を待ちます。
どうも僕はカッシュと言います、マコッチ様からここエリリル村を守るように言われた1人です。
他にも4人いて獣人が2人にバンパイアが2人です、そして僕はフルプレートのモンスターだったんです。
「あらカッシュ、早いのねおはよう・・・アンナはまだ起きてないのよ」
「でしょうね・・・これアンナさんが起きたら渡してください、状態異常回復薬です」
リサさんの家に来たのは、昨日のアンナさんの告白をちゃんとした形で返事をするつもりできました。
だってあんな形で了承したのではさすがに変でしょ、そして出来れば断ろうと思っています。
アンナさんの気持ちはとても嬉しいです、でもここを離れるわけにはいかないんです・・・まあ自分の気持ちの問題ですけど・・・マコッチ様に言えば代わりの誰かを派遣してくれるはずです。
でも僕は任された以上はやり遂げたいんです、だからリサさんにもそう言いました、なのでアンナさんがここに来た時、一緒に過ごしたり手紙のやり取りをするつもりです。
それでだめなら僕はアンナさんとは付き合えません、僕のわがままですがこれは譲れないんです。
「アンナさんねぇ・・・カッシュ君これって上級?」
「そうですね、僕たちに支給されている物なので気にせず使ってくださいね、じゃあ僕はモンスターの間引きに行きます」
リサさんの反応が少し変でしたがきっと回復薬が上級だったからですよね、それにアンナさんとの話し合いは急がなくてもいいです、今日中ならそれで・・・会うのが少し気まずいわけじゃないですよ、うん。
「ふぅ~今日はこれくらいにしようかな、アンナさんとも会わないといけないしね」
昼を過ぎたので少し早いですが村に向かいました。
「村に帰るなんて何だか変な感じだなぁ、それにしても間引いたモンスターは順番に村に置くべきだったかな、全部僕がやったのは失敗だったよ」
村長たちに分からないと思って全部僕がしてたんです、張り切っていたんですよ僕は、他のみんなにも言われてたんです、他のみんなはまだばれてないので別行動なんですよ。
「門番さんはあのトムって人ですね、あれ?あれって」
村の入り口が見え始めてくると、トムさんの他にもう1人います、まぁ分かりますよね。
「お、おおおう!かか、カッシュ、お、おおお帰り」
すごく動揺しているアンナさんがいました、これは気まずいですね。
「ただいまです・・・それでどうしてここにいるんですかアンナさん」
「む!?・・・ああ、もしかしたらカッシュがもう帰ってこないんじゃないかと思ってな、もう少しで迎えに行くところだったんだ」
そうだったの!?少し早めに切り上げて良かったよ、いつもはみんなと合流してモンスターを解体するけどほんと後にして良かったね。
「ちゃんと帰ってきますってアンナさん、体調は良くなったみたいで良かったよ」
「ああ・・・薬ありがとな」
少し機嫌が悪いです、どうしてかな?
「あのアンナさん?」
「なあカッシュ、どうして俺にさん付けなんだ?昨日は呼び捨てだっただろ」
ああ、それで機嫌が悪いのか、でもなぁ僕としては立場があるからなぁ。
「昨日は勢いで言ってたんだよ、さすがにあの人と親しくしている人たちを呼び捨てはねぇ」
「なんだよあの人って、いいから俺の事は呼び捨にしてくれ」
機嫌が悪いままでそう言ってきました、まあ本人が良いと言っているならしょうがないかな。
でもリサさんに聞いてないのかな?僕がマコッチ様のモンスターだって・・・まぁいいか。
「分かったよ、これからは呼び捨てにするよ」
「よしよし」
笑顔になって頷いているけど、今度は少しソワソワしだしたね、きっとあのことだね。
「そ、それで・・・あの返事ってほ、本気かな?」
「うん本気だよアンナ」
「ほんとか!?」
酔っていたアンナに返事をしたけど、ほんとの事だよ。
「でも僕はこの村から離れられないんだ、それが嫌じゃなければだけど・・・いいかな?」
「なんだそんな事か、リサにも聞いたがもちろんいいさ、だけど手紙はくれよな」
顔を赤くして言ってきたよ、こんな顔もするんだね、何だか可愛いな。
「もちろんだよ、じゃあ改めて・・・アンナ僕と付き合ってください」
「ひっ!?」
僕は告白をしながら頭を下げて右手を出したんだけど、アンナの悲鳴のような声が聞こえたよ、大丈夫かな。
「ほ、ほんとにお、俺でいいのか?」
「もちろんだよ、あんな形だったけど僕は君の事が好きだ、今は無理だけどいつか一緒に暮らしたい」
会ってそんなに時間は経ってないけど、手合わせをして気持ちは伝わってきた、この人は真っすぐな人だ、だから好きになったんだ。
「わ、わかったよ、しょうがないから受けるよ」
アンナの手が僕の手に添えられたよ、良かった。
「これからよろしくねアンナ」
「ああ、よよよろしくな」
顔をあげたらさっきよりも顔を赤くしていたよ、僕だって恥ずかしかったんだよ。
「青春だねぇ」
今気づいたけどトムさんが近くでニヤニヤしていました。
それからアンナたちの仲間が来るまで一緒に間引きをしたり、村で手合わせや食事をして過ごしました。
《そして1ヶ月後》
「リッちゃんアンナちゃんきたよーって、ああー!?アンナちゃんが男と手を繋いでるー!」
「な、なんですって!?」
「驚き」
アンナの仲間のリンさんとティアさん、それとヴェルさんがリサさんの家に入ってきて僕たちを見て驚いていました、そう言われるとすごく恥ずかしいね。
「はぁ~やっと来たわね、もう大変なのよこの二人、見てるだけで火傷しそうなの」
「な!?い、いいだろリサ、ここにいる間だけなんだ」
急に恥かしくなったのか、アンナが手を放してリサさんに詰め寄って行きましたよ。
「はいはい、じゃあみんな行きましょ」
「「ちょっと待って」」
みんなが旅に出るって事で立ち上がったんですがリンさんとティアさんがリサさんを止めています、どうしたんですかね?皆さんが来たら直ぐ出発すると聞いていますけど。
「リンもティアもどうしたのよ」
「ダメ」
「ヴェルまで・・・なんでダメなのよ」
僕も聞きたいです、何でダメなんでしょうか?
「だって・・・ねぇティアちゃん」
「そうだよリサ!アンナたちの話を聞かないと気になって旅なんて出来ないわ、今すぐそこに座りなさい」
僕まで座らされました、アンナの隣に・・・それからしばらく僕たちの話をしてその日の出発は延期ですよ。
「おはようございます皆さん」
次の日アンナたちの出発を見送りに門まで来ました。
「相変わらず早起きねカッシュ、おはよう」
「「「おはようカッシュ君」」」
「うぅ~眠ぃ~」
皆さんが挨拶をしてくれたんですがアンナだけすごく眠そうだね、どうしてかな?
「アンナ平気かい?ほらこの草を噛むと少しは楽だよ」
「ああサンキュー(ハム)んふふ~」
目覚め薬に使う草なんだけど、喜んでくれて良かった。
「青春だねぇ~」
「「「「んふふ~いいわねぇ~」」」」
リサさんたちがニヤニヤして見ていました、いつもは昼からいるはずのトムさんもです。
「じゃ、じゃあ皆さん気を付けてくださいね、アンナ手紙書くからね」
「おう!次は6か月後だ、それまで浮気するなよ」
「しないって、アンナもね」
そうしてアンナたちは旅立ちました、僕は間引きをしながら6か月を待ちます。
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