48 / 523
ウィルフレッドの手紙8
しおりを挟むーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暑さも落ちついて過ごしやすくなってきたな。最近部下達から、ピクニックに行ったとよく聞くようになった。恋人同士でピクニックに行くときは、彼女の手作りのお弁当を食べて、ゆっくりとした時間を過ごすのだそうだ。その時にしてもらえる膝枕がいいのだと自慢された。前だったらそんなものと思っていたのだろうが、今はなんだか羨ましく感じてしまう。それは誰でもいいわけでなく、君にしてもらいたい。もし君とそんな時間が過ごせたら・・・そんな事を夢見てしまう。ないものねだりは寂しいものだな。
I like you just the way you are.
(そのままの君が好き)
ウィルフレッド・アバンス
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ウィルフレッドside】
前まではそんな話聞いたって、仲良くていいことだと他人事だと聞き流していた。決して羨ましいなどと思ったことはなかった。だが最近は、何を聞いてもレティシア嬢に、レティシア嬢とならと考えてしまう。はぁ・・・もう、重症だな・・・手作りのお弁当・・・膝枕・・・そんな機会が訪れるならどれだけ嬉しいだろうか。レティシア嬢を独り占めしたい。他の誰かにそんな事をしている君を想像するのは辛いな。俺に、俺にだけ・・・そう願ってしまう。
【レティシアside】
ピクニックねぇ・・・お母様が存命だった頃、まだ私も幼くてよく覚えていないけれど、楽しかった事は覚えているわ。お母様はお父様とそんな風に過ごしていたかしら・・・?よく覚えていないわ。手作りのお弁当に膝枕・・・羨ましいのね。私にと言わず、アバンス団長様が望めば、喜んでやってくれる令嬢は沢山いるのではなくて?一度してみれば、いいか悪いかぐらいわかるのではないかしら。それに、私が誰と何をしていようと、アバンス団長様には関係ないのに、なぜ辛いなどと思うのかしら。私に執着する必要はないのよ。王都にいくらでも素敵な女性はいるはずよ?
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回
自分勝手な想像をしては切なくなる
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
313
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる