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ウィルフレッドの手紙8

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暑さも落ちついて過ごしやすくなってきたな。最近部下達から、ピクニックに行ったとよく聞くようになった。恋人同士でピクニックに行くときは、彼女の手作りのお弁当を食べて、ゆっくりとした時間を過ごすのだそうだ。その時にしてもらえる膝枕がいいのだと自慢された。前だったらそんなものと思っていたのだろうが、今はなんだか羨ましく感じてしまう。それは誰でもいいわけでなく、君にしてもらいたい。もし君とそんな時間が過ごせたら・・・そんな事を夢見てしまう。ないものねだりは寂しいものだな。


I  like  you  just  the  way  you  are.
(そのままの君が好き)


ウィルフレッド・アバンス


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【ウィルフレッドside】

前まではそんな話聞いたって、仲良くていいことだと他人事だと聞き流していた。決して羨ましいなどと思ったことはなかった。だが最近は、何を聞いてもレティシア嬢に、レティシア嬢とならと考えてしまう。はぁ・・・もう、重症だな・・・手作りのお弁当・・・膝枕・・・そんな機会が訪れるならどれだけ嬉しいだろうか。レティシア嬢を独り占めしたい。他の誰かにそんな事をしている君を想像するのは辛いな。俺に、俺にだけ・・・そう願ってしまう。


【レティシアside】

ピクニックねぇ・・・お母様が存命だった頃、まだ私も幼くてよく覚えていないけれど、楽しかった事は覚えているわ。お母様はお父様とそんな風に過ごしていたかしら・・・?よく覚えていないわ。手作りのお弁当に膝枕・・・羨ましいのね。私にと言わず、アバンス団長様が望めば、喜んでやってくれる令嬢は沢山いるのではなくて?一度してみれば、いいか悪いかぐらいわかるのではないかしら。それに、私が誰と何をしていようと、アバンス団長様には関係ないのに、なぜ辛いなどと思うのかしら。私に執着する必要はないのよ。王都にいくらでも素敵な女性はいるはずよ?




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次回

自分勝手な想像をしては切なくなる



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