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【クラウディアside】1番で唯一
しおりを挟む「お姉様・・・」
「?・・・あっ・・・」
ドアの隙間から見えた光景に、私が漏らした言葉にディアルド様が反応を見せた
「クリスティア嬢には酷なことをしていたとは知らなかったんだ」
そう言ってディアルド様はこっちを向き直ると、私の手をとってそっと口付けた
「クリスティア嬢が僕に好意を寄せていた事はつい先日まで知らなかった。王子殿下にあれほど言い寄られても随分と断り続けているんだなとは思っていたが、まさか自分が好かれていたなどとは・・・だが、僕だって長年想いを寄せていた女性がいるんだ。簡単に諦めるなんてできない。それが・・・君だ。クラウディア嬢」
「嘘・・・」
「嘘じゃない。夜会の翌日にレバノール侯爵家へと縁談を打診した時、すぐには快い返事はもらえなかった。クリスティア嬢の事があったからだ。それこそ、名を間違えて求婚してきたのではと聞かれたさ。でも、僕は間違えてなんかいない。おかしいと思う。クラウディア嬢を指名して求婚したと言うのに、何故、両親が素直に喜ばない?僕にとってはクラウディア嬢が1番なのに」
「1番・・・」
この方は、どうして私の欲しい言葉がわかったのだろう・・・
「あぁ、もう、かれこれ10年近く恋しているんだ。その間もずっと1番だ。いや、唯一なんだ」
ディアルド様の笑みがすごい・・・
い、言わなくちゃ!
「私も・・・私も・・・ずっとお慕いしておりました!」
言った・・・
言ってしまった・・・!!!
「ほ、本当かい!?・・・夢、じゃないよね?・・・信じられない・・・クラウディア嬢が僕の事を・・・好き・・・好きって・・・いや違った、お慕いしているって」
「す、好きです!」
「クラウディア嬢!!」
きゃぁぁぁ!!!?
お顔が近い!
そなに強く抱きしめられたら・・・
ディアルド様の鼓動が・・・早い・・・
「嬉しいよ・・・実った、僕の片想いが・・・いや、両想いだった・・・」
ディアルド様が耳元で囁いてくる
「こうしちゃいられない・・・」
そっとディアルド様の身体が離れていった
温もりが離れていくことに、少し寂しく感じてしまう
「クラウディア嬢・・・いや、クラウディア、今日、このまま公爵家に来てくれ」
「えっと・・・ご挨拶にでしょうか?」
「いや、もう離れたくない・・・違うな、離したくない!結婚はまだ先だが、公爵家に住んで欲しい。少しでも一緒にいたい。もう、他の男に取られたくないんだ!クラウディアを僕だけのものにしたい。もう、侯爵には許可を貰っているし、荷物は後からでもいいだろう?さぁ、早く行こう!部屋も用意してあるんだ!」
「もう、ですか!?」
「ん?いずれかは君を迎え入れるつもりだったから、準備を始めていた」
なんという事でしょう・・・
ディアルド様がなんて事ないように言い張っていますが、信じられないほどの急展開です・・・
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次回
【クラウディアside】
ディアルド様が、どうしてもと聞かなくて・・・
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