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興味か、それとも
しおりを挟む「ミシェリア王女殿下に?」
「えぇ、殿下がレティシア嬢にと贈られた薔薇ですが、受け取れないとの事で、部屋で謹慎させられているミシェリア王女殿下が少しでも気が休まればとそのまま贈られたそうです」
「そうか・・・受け取っては貰えなかったか・・・」
「殿下、ミシェリア王女殿下の部屋付きで警護をしている騎士から伝言を預かったのですが」
「何だ?」
「私が頂いてしまってごめんなさい・・・と」
「・・・ごめんなさい・・・か」
セオドリックの従者はそう伝え部屋から辞して行った。
「何も姫君が悪いわけではなかろうに・・・」
何故だかセオドリックは、ミシェリアの事が気にかかった。まだ見ぬ王女。気付けば、彼女の事で頭がいっぱいになっていた。考えをまとめる。そして気付けば行動に出ていた。
「ミシェリアに?」
「はい、一度でいいんです、お話しする機会を頂けませんか?」
「・・・あれは・・・私の娘ではないんだぞ?」
「・・・それは、どういう・・・」
「あれはな、私の妻・・・幽閉されている元王妃が不貞の末に産んだ子だ」
「っ!?・・・なんと・・・」
「その不貞の相手は・・・そなたの国の前国王エドワード殿の息子であった、ブライアン殿だ」
「そう・・・ですか・・・」
「あぁ、そうだ。この事は、最近我が国でも公表したばかりでな・・・」
「誰かに懸想をして、婚約者を蔑ろにして問題になり、王位継承権を剥奪されたのは知っておりましたが・・・まさか相手が王妃様だったとは・・・」
「エドワード陛下は、ブライアン殿を廃嫡し、そなたの父君、当時公爵令息であったアレリオ殿を養子として迎えた。そしてそなた・・・セドリック殿下が産まれた」
「そんな事が・・・では、祖父だと思っていた前国王は・・・」
「他人だということになるな」
「そんな・・・」
「そなたには辛い話になったな」
「いえ、それで納得がいきました」
「何がだ?」
「自国の貴族の中に、父のことを認めない者も多いのです。父は、元より王族ではなかったということなのですね・・・」
「そういう事だな。だから、そなたがもし、ミシェリアを気に入って連れ帰っても、いらぬ火種を生む可能性がある」
「・・・でも、彼女を誰かが守ってくれるのですか?自国では陛下の子ではないと公表されたのでしょう?貴族令息達は彼女に旨味を感じていない。縁談なんて来ないのでは・・・」
「まぁ・・・そうだろうな」
国王レオナルドの言葉に、セドリックの顔に暗い影がかかった。
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次回
勝手に、恋してっ、失恋してっ!・・・馬鹿みたい・・・
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