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国王の私室の前で
しおりを挟むウィルフレッドはアイオロスを引き連れ、国王の私室へと急いだ。もうすぐ部屋へたどり着くといったところで、ドアの前に人が倒れているのが見えた。
「おい、大丈夫か!?」
「・・・うっ・・・騎士団長、様」
「君は・・・ラウスじゃないか!どうしてこんな所に倒れているんだ!?何があった」
「で、殿下が・・・」
「殿下?ヴィンセント殿下がどうした?」
「・・・中に・・・」
「一体何が・・・」
「副騎士団長様が・・・連れてきた騎士達がついているからと・・・護衛についていた騎士達を見回りに出したと聞いて・・・それを知った殿下がおかしいと・・・油断ならない時に、計画にない動きをするなど・・・ましてや、連れてきたのが見かけた事もない騎士達だったと聞きました」
「そうだったのか。それで、お前はそいつらにやられたと?」
「えぇ・・・すみません・・・」
「いや、人数で押し負けてしまったのは仕方ない。反省は後だ。ラウス、中にいるのは陛下と、ヴィンセント殿下、レイバン、それから、連れてきた騎士は何人だ?」
「副騎士団長が連れていたのは3人です」
「3人か・・・」
ウィルフレッドは、国王の部屋の扉をじっと見つめる。どうするかと考えを巡らせていると、後ろから数人の足音が聞こえてきた。
「ウィルフレッド!」
「?・・・コルテオか」
「手のあいていた騎士達を連れてきた。すまん・・・俺の言うことを信じてくれない者もいて、5人しか連れて来れなかったが・・・」
「いや、十分だ。お前達、この部屋には誰も近付けるな、頼んだぞ」
「「「はい!!!」」」
「それから、コルテオ、ラウスを頼む。随分と痛い思いをしたようだ」
「あぁ、わかったよ」
ウィルフレッドは駆けつけた騎士達、辛そうに顔を歪めるラウス、ラウスに寄り添い、ウィルフレッドを見上げるコルテオに順に視線を巡らせると、アイオロスに向かう。
「アイオロス、行くぞ」
「はい」
ウィルフレッドは、アイオロスと共に扉に手をかけるが、鍵がかけられている。
「蹴破るしかなさそうだな・・・」
そう呟くと、二人は勢いをつけ扉を蹴破って中へと入っていった。
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次回
【レイバンside】
それよりも後ろの者達はなんだ?この城の兵ではないようだな
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