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休暇四日目①イザベラの様子がおかしい
しおりを挟む「・・・ん・・・」
「ふっ・・・おはよう、イザベラ」
「・・・おはよう・・・ございます、ゲオルグ様・・・?・・・っ!・・・私とした事が!も、申し訳ありません!」
「お、おいっ、どこ行くんだ?」
「ゲオルグ様の身体に乗り上げてしまうなど・・・す、すぐにどきますから」
「ダメだ」
「えっ?」
目を覚ますと、イザベラは寄り添うように縋るように、ゲオルグの鍛えられた胸板に身を預けていた。昨晩、手を握ったまま眠ってしまったイザベラを寝台に引き上げ添い寝をした。勢い余って抱きしめると、男に免疫のないイザベラは羞恥のあまりに意識を失ってしまった。そのままイザベラの寝顔を堪能しながら、幸せに包まれて眠りについたゲオルグ。寝台に引き込んで抱きしめたとはいえ、自身の上に身を預けさせるほどではなかったと記憶している。それもそのはず、ゲオルグに縋るように身を寄せたのは他でもないイザベラ本人だったからだ。
「それにしてもどうして俺の身体に乗り上げたんだ?」
「えっ・・・えっと・・・心臓の音が」
「心臓の音?音が子守唄にでもなったのか?」
「そ、そうではなくて・・・」
「ん?」
「生きてるって・・・」
「生きてる?」
「はい、ゲオルグ様の心臓がちゃんと動いていて、生きているっていう事にホッとして・・・安心したんです。そのまま眠ってしまったみたいで・・・」
「そうか。随分と心配かけてしまっていたんだな」
逃すまいとイザベラの腰を捉えていた手を背中へとまわして優しくさする。その感触にイザベラが身を震わせ反応を見せた。
「・・・っ!?・・・」
「ん?あ、あぁ、勝手にすまない」
「い、いえ、少し驚いただけですわ・・・」
ゲオルグは昨日からイザベラの反応が違うことに違和感を覚えていた。なんだか自分が避けられているような、自分に触れられるのを我慢しているような。そんな気がしてならず、不安にかられる。
「・・・イザベラ?」
「はい?」
「その・・・俺に触れられるは嫌か?」
「えっ!?嫌なはずがありませんわ」
「そ、そうか・・・いや、昨日から・・・俺に触れられるたびになんだか避けられているような気がしてならないんだが・・・」
「・・・避けているつもりはないですわ・・・ただ・・・」
「ただ?」
「・・・っ・・・は、恥ずかしいのです!」
声を大にしてそういい放ったイザベラの顔は真っ赤に染まっていた。
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次回
イザベラ、何の話をしているのかわかってるんだよな?
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