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1、影は落ちました
しおりを挟むその日は綺麗な満月だった。
「あなた、そこで何していらっしゃるの?」
(しまった、気付かれた!・・・ってここ屋根の上ですけど!?)
とある任務中。月夜に照らされて輝く金の女神に出会った。
なぜか屋根の上で。
(俺、幻覚でも見えてるのか・・・あぁ、もうダメ・・・体力が・・・残って・・・)
「あ、危ないですわ!」
ガサッ、バキッ、ドサッ
「あら、落ちちゃいましたね・・・私、何もしてないのですけれど」
男は庭の木に引っかかりながら落ちていった。
屋根の上にいた男は、命は取り留めたものの、背中に大怪我を負って倒れていた。
「オーロラお嬢様、何事ですか!?」
「何か凄い音がしましたけど!」
気付いた使用人が屋敷から出てくる。
「彼、どこかの密偵ね・・・屋根から落ちたわ」
「落ちた?」
「ええ、そこで何してるの?って聞いたら、意識朦朧としてそのまま落ちてったのよ」
「オーロラお嬢様、何か恐ろしい魔術でも使えるようになったんですか?」
「そんなわけないでしょう、こんなか弱い乙女なのに・・・」
「・・・」
「無言は肯定と捉えておきますわ。とりあえず何であれ怪我人です。お客様よ、屋敷に運んでくれる?」
「はい、承知しました」
男は月夜の女神に捕まった。
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