影は落ちました

agapē【アガペー】

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9、プレゼント

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「あの、オーロラ様、怪我も治ったのでこのままお世話になるわけには・・・」


ノアールはオーロラと対面して話をしていた。


「だったら私の仕事を手伝ってくれるかしら?」

「オーロラ様の仕事・・・ですか?」

「えぇ、私は公爵家の領地経営などには関わっておりませんが、個人的に事業をしてますのよ」

「ほぉ、それは凄いですね」

「あなたが王家に戻りたいなら引き止めないけれど、残ると言うなら手伝って欲しい事があるの」

「私にですか?・・・私を買い被り過ぎですよ、そんなに能力は高くないですよ?」

「正直そこは期待してないわ」

「えっ・・・」

「あなたは王家に戻りたいの?」

「・・・それは」

「戻れるかどうかとかじゃなく、戻りたいかどうか、あなたの気持ちを聞いてるの」


オーロラはノアールの瞳をじっと見つめる。


「・・・戻りたいかと問われれば・・・戻りたくはないですね・・・」

「そう・・・じゃあ、プレゼントとして頂いておきましょう」

「プレゼント?」

「先日国王陛下にお手紙出しておいたのよ。素敵な者プレゼントをありがとうって。夜の余興楽しかったわ、贈り主の第二王子によろしくと付け足しておいたわ」

「なんとも・・・遊び心満載ですね」

「返せとも言ってこないし、プレゼントとして受け取る事にしたのよ。近々、お父様に会ってもらうわよ?あなたを王家から頂いたからお礼を言っといてもらわないとね」


オーロラはニコリと微笑むが、目の前にいるのは、本当に16歳の少女なのだろうかとノアールは思っていた。

「娘のおねだりにしては、少々何と言いますか・・・ご当主様の心臓が心配です・・・」


ノアールは自身の身より、公爵家当主である彼女の父を心配した。






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     お知らせ

新作まもなく投稿開始します!



【お嬢さんはある日森の中熊さんに出会った】


第一王子アイスフォードの婚約者であるリシェリア・ブルスト侯爵令嬢。王子妃教育の為に毎日王宮に通っている。

ある日、王子妃教育の帰り、第二王子のフラムウェルの企みに巻き込まれる。

リシェリアは姿を消した。辿り着いたのは辺境地の森の中。歩き続けて疲れ切ったリシェリアは狼を前に死を覚悟する。

通りがかった騎士に助けられ、辺境に滞在する事となった。助けた騎士は、38歳になった今でも、女性に触れた事もない初心なオッサンだった!?


♪初心なオッサン騎士視点の話多めです♪

R指定の話には★☆マーク付いています


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