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10、いざ本邸へ
しおりを挟むオーロラが普段過ごしているのは別邸サターン邸である。
本邸のすぐ裏には、公爵家の使用人専用のムーン邸があり、敷地内には、その他にも小さな別邸が立ち並ぶ。
マーキュリー邸、ビーナス邸、マーズ邸、ジュピター邸。
この4棟は主に来客用などのゲストハウスだ。
本邸とは別に、独立した個人の部屋のような作りで、寝室と応接室、サロンの他に生活に必要な設備がある。
そして一番奥に建つのがサターン邸である。
この別邸は、他の小さな別邸とは異なり、かなりの大きさがある。
オーロラが8歳の頃に始めた事業と、公爵家に属しない、オーロラ独自の使用人を育てる為に作られた邸である。
現在、オーロラとノアールは本邸、公爵家当主である父の執務室の前に立っている。
コンコンコン。
「お父様、オーロラです、よろしいでしょうか?」
「あぁ、いいぞ」
「失礼します」
ノアールは一旦廊下で待ち、オーロラだけが部屋に入る。
「お父様にお願いがあってお伺いしましたの」
「オーロラがお願いとは珍しい。娘のおねだりか・・・言ってみろ」
「私、少し前に黒羽のカラスを拾いましたの」
「カラスか?カラスが黒いのは当たり前だろう?」
「ええ、とっても躾の行き届いた、珍しい赤い瞳のカラスですわ」
オーロラは、頬に手をあて思い出しながらうっとりとしていた。
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お知らせ
新作まもなく投稿開始します!
【お嬢さんはある日森の中熊さんに出会った】
第一王子アイスフォードの婚約者であるリシェリア・ブルスト侯爵令嬢。王子妃教育の為に毎日王宮に通っている。
ある日、王子妃教育の帰り、第二王子のフラムウェルの企みに巻き込まれる。
リシェリアは姿を消した。辿り着いたのは辺境地の森の中。歩き続けて疲れ切ったリシェリアは狼を前に死を覚悟する。
通りがかった騎士に助けられ、辺境に滞在する事となった。助けた騎士は、38歳になった今でも、女性に触れた事もない初心なオッサンだった!?
♪初心なオッサン騎士視点の話多めです♪
R指定の話には★☆マーク付いています
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